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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000211751
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2016-139
事例作成日
(Creation date)
2016年04月28日登録日時
(Registration date)
2017年03月15日 15時00分更新日時
(Last update)
2017年06月07日 14時40分
質問
(Question)
魏志倭人伝の時代に卑弥呼が魏の国へ使いを出したというが、当時の日本に海を渡る航海術、造船技術があったのかを知りたい。
回答
(Answer)
下記資料を紹介した。

『邪馬台国と卑弥呼の事典』(武光誠著 東京堂出版 2005)
 p162-163「古代の航海術がつくった海上の道」の項「「魏志倭人伝」を読むと、倭人がしきりに朝鮮海峡を往来していたことや、倭国内でも船を用いて移動していたことがわかる。まず3世紀の倭国の船について(略)弥生時代の遺跡から丸木舟がいくつか発見されている。しかし、二材以上の材木を組み合わせてつくる構造船を連想させる遺物は現在までのところ出土していない。古墳時代までの日本の船の大部分は1本の木で作った丸木舟であったと考えられている。当時の丸木舟は、おもにスギの巨木を用いたもので、切り出した材木を縦に半分に割って半円形にし、その中央部をくりぬいてつくるのが一般的であった。その大きさは、幅が八十センチメートル、長さが十メートルくらいのものである。」
 「当時の丸木舟は船底が浅いので、ひっくり返りやすく、風や横波には弱かった。そこで朝鮮海峡横断などの長期の、しかも危険を伴う航海をする場合には、波の静かな時期を待って、一気に航行しなければならなかった。藁や草で編んだむしろのような帆はつくられていたが、順風の場合でも風が強いと帆をを張るのはかえって危険なために、実際の航海で帆を用いる機会は少なかったと思われる。」
 「古代人は基本的には陸岸の目標物を見ながら航海した。陸の見える範囲なら、暴風も避けやすいし、万が一速い海流に突っ込んでも、陸岸を見ながらだと還流から抜けやすい。九州と朝鮮半島の航路も陸地が見える範囲である。」

『魏志倭人伝の航海術と邪馬台国』(遠澤葆著 成山堂書店 2003)
 p1-21「対馬海峡を渡った古代の舟」に詳細な記述がある。丸木舟を舷側板の図、井向一号銅鐸に描かれた船の図、弥生土器に描かれている船の絵、円筒埴輪の船の図や船形埴輪の写真も紹介されている。

『古代日本の軍事航海史 上巻 先史時代から卑弥呼まで』(松枝正根著 かや書房 1993)
 p186-188「弥生時代の造船」
 「縄文時代の丸木舟の平均長さ5メートルに比べると、次第に大きくなっており、長さ6~10メートルになっている。造船技術の発達は金属器が日本列島に入ってきた弥生時代に著しく、特に後期になると単材の刳舟(くりぶね)のみならず、ニないし三の船材を使った複合船、もしくは準構造船さえ見られるようになった。」
 舟の大きさ等の表や図も掲載されている。 

『日本航海術史 古代から幕末まで』(飯田嘉郎著 原書房 1980)
 p8-9「海の北の道・航海術の始まり」に魏志倭人伝における地名と航程についての表や航海方法について記述あり。

『古代日本の航海術 小学館創造選書 25』(茂在寅男著 小学館 1979)
 縄文文化時代の丸木舟(刳船)から遣唐使船までの古代の日本の航海術について詳細に記されている。
 p139-166「航海術的倭人伝の解釈」の項に倭人伝の一里は九十三メートルと算定したこと等、方位や距離、日数についての詳しい記述あり。
回答プロセス
(Answering process)
1 参考図書を調べる
『船の歴史事典』(アティリオ・クカーリ[ほか]共著 原書房 1985)
 p266「海事史年表」に「B.C.3000 日本ではこの頃、単材のくり舟が使われた」「A.D.57〔の前〕日本ではこの頃、複材のくり舟が用いられた。鉄製工具使用」「A.D.81 日本で諸国に命じ船を造らせたとの記録がある」「272 日本で大型のくり舟「枯野」(からぬ)を造る」とあり。
 p247 日本の海事博物館の一覧あり。

2 一般図書を調べる
自館目録を〈魏志倭人伝 & 航海〉〈卑弥呼 & 航海〉〈日本 & 航海〉で検索、回答資料のほか、以下の資料を確認する。
『わが心のヤマタイ国 古代船野性号の鎮魂歌』(角川春樹著 立風書房 1976)
 古代人の航海方法にのっとって朝鮮から北部九州まで航海しようとした「野生号」の踏査記録である。

3 《CiNii Articles》( http://ci.nii.ac.jp/  国立情報学研究所)を〈日本 & 古代 & 造船〉〈日本 & 造船 & 歴史〉で検索する
塙友雄著「人間と船の歴史をみつめて 3編 東方の船」(「関西造船協会誌 第205号」p59-69 公益社団法人日本船舶海洋工学会 1987.6)( http://ci.nii.ac.jp/naid/110003875298  国立情報学研究所)
 縄文・弥生時代の造船について記述あり。

ウェブサイトの最終アクセス日は2016年4月18日。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本史  (210 9版)
海洋工学.船舶工学  (550 9版)
参考資料
(Reference materials)
『邪馬台国と卑弥呼の事典』(武光誠著 東京堂出版 2005), ISBN 4490106815
『古代日本の軍事航海史 上巻 先史時代から卑弥呼まで』(松枝正根著 かや書房 1993), ISBN 4906124054
『日本航海術史 古代から幕末まで』(飯田嘉郎著 原書房 1980)
『古代日本の航海術 小学館創造選書 25』(茂在寅男著 小学館 1979)
キーワード
(Keywords)
航海術
造船
日本-歴史-古代
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000211751解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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