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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000211736
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2016-156
事例作成日
(Creation date)
2015年10月29日登録日時
(Registration date)
2017年03月15日 13時53分更新日時
(Last update)
2017年06月20日 13時15分
質問
(Question)
人名・書名は不明だが、下記の本についての解説書が見たい。数年前のさいたま市の老人大学で紹介されていた。
江戸時代の男性(多分豪商)で関西の人が隠居して自由の身になったので、諸国を旅して所旧跡人情風俗等を何巻にもわたって書き残した、という内容の本である。
回答
(Answer)
さいたま市の老人大学で紹介されていた本かどうかは特定できなかったが、条件に合致すると思われる下記の3名に関する資料を提供した。

1 小津久足 伊勢松坂の豪商 「花鳥日記」「陸奥日記」「青葉日記」「煙霞日記」など 
『江戸の紀行文 泰平の世の旅人たち 中公新書』(板坂耀子著 中央公論新社 2011)
 p264-287 小津久足の紀行について記述あり。「久足は伊勢松坂の豪商である干鰯問屋「湯浅屋」の六代目として生まれ、五十五歳で亡くなった。(中略)家業のための旅行や、楽しみのための遊覧の際に長編の紀行を記し、現在五十点近くが存在する。」「花鳥日記」「陸奥日記」「青葉日記」などが紹介されている。
『江戸後期紀行文学全集 2 新典社研究叢書 241』(津本信博著 新典社 2007)
 p57-138 小津久足の「煙霞日記」収録。p445-446に解題あり。

2 菱屋平七(吉田重房) 尾張の商人 「筑紫紀行」
『近世紀行文芸ノート』(鈴木棠三著 東京堂出版 1974)
 p17「『筑紫紀行』は名古屋の商人菱屋平七(吉田重房)が、四十歳隠居後一生の思い出に長崎まで漫遊旅行を試み、その紀行を上梓したものである。(中略)全十巻という記事の詳細と相まって珍重に値する。」との記述あり。
『日本庶民生活史料集成 第20巻 探検・紀行・地誌』(谷川健一編集 三一書房 1972)
 p155-156「筑紫紀行 解題」「本書は、尾張の商人菱屋平七(吉田重房)が享和二(一八〇二)年三月一六日未明に名古屋を出立して以来、京都・大坂、そこから船で瀬戸内海を航行し、(中略)名所旧蹟・神社仏閣を訪ね、その地の故事などに多くの関心を寄せており、観察と叙述がまことにこまやかである。(中略)さらに本書には、陸海路ともに著者が立ち寄った沿道町村の賑わい、繁昌とさびれの様子、あるいは物資の集散による港町交易の盛衰状況などが克明にしるされていることも大きな特色といえよう。」との記述あり。

3 井原西鶴 大坂の町人 「一目玉鉾」
『国文学解釈と鑑賞 55(3)』(特集「近世文学と旅」)(ぎょうせい 1990.3)
 p24-30谷脇理史「西鶴-その作品に見る旅」
 「西鶴の伝記資料として著名な『見聞談叢』(伊藤梅宇撰、元文3年序)は、妻の死(延宝3年4月3日、25歳で病没、時に西鶴は34歳)後「名跡を手代にゆづ」った西鶴が、「僧にもならず、世間を自由にくらし、行脚同時にて頭陀をかけ、半年程諸方を巡りては宿へ帰り」といった生活をしていたと伝えている。」
檜谷昭彦「『一目玉鉾』の世界」(『国語と国文学 64(5)』 1987.5)
 p99「西鶴が地誌を上梓するに際して、なぜ俳諧を引用せずに全篇和歌のみを援用したのか。本稿における課題はこの点を考えることに集約される。」
 p100「『一目玉鉾』は(中略)本文板下は西鶴自筆と推定され、(中略)手控えの旅日記に依拠したとするのも首肯できる。だが(中略)「地志としての価値も乏しい」本書はそれでも当代大いに流行した。」
 p107「西鶴の『一目玉鉾』は、西鶴という一作家が把えた架空の〈日本地誌文学案内〉として世上に迎えられたのだ。」    
『国書解題 下』(佐村八郎著 日本図書センター 1979)
 p1684-1685「ひとめたまぼこ 一目玉鉾」の項あり。「巻1に蝦夷より江戸までの路程、巻2に江戸より駿河島田までの路程、巻3に遠州金谷より摂州豊崎網島までの路程、巻4に大阪より対馬までの路程を図出し、其の間の名所、旧蹟、社寺等を掲げ記したり。元禄2年己巳(2349)の自序あり。名は難波俳林とのみ記せり。」とあり。
『日本古典全集 第2回 西鶴全集』(正宗敦夫編纂校訂 日本古典全集刊行会 1928)
 「一目玉鉾」収録巻頭に「解題」あり。
回答プロセス
(Answering process)
1 質問者事前調査事項の資料を確認する
『江戸の旅人たち 歴史文化ライブラリー 9』(深井甚三著 吉川弘文館 1997)
 江戸時代の紀行文を列挙したようなページはない。

2 江戸時代に発行された紀行文の集成等はないか調べる
『日本紀行文学便覧 紀行文学から見た日本人の旅の足跡』(福田秀一編著 プルチョウヘルベルト編著 武蔵野書院 1975)
 旅行年代1598年までの紀行文であり、江戸時代は含まれていない。

3 自館目録を〈江戸 & 紀行文学〉で調べる
『江戸後期紀行文学全集 1 新典社研究叢書 186』(津本信博著 新典社 2007)
『江戸後期紀行文学全集 2 新典社研究叢書 241』(津本信博著 新典社 2007)
『江戸後期紀行文学全集 3 新典社研究叢書 274』(津本信博著 新典社 2007)
各集の「解題」を確認するが、指定の内容に合致するものなし。

4 自館目録を〈老人大学〉〈シニアユニバーシティ〉〈シニア大学〉で検索する
老人大学の記録等を探すが該当なし。

5 《Google ブックス》( http://books.google.co.jp/  Google)を〈紀行 & 豪商 & 江戸時代〉で検索する
『江戸の紀行文 泰平の世の旅人たち 中公新書』(板坂耀子著 中央公論新社 2011)
『日本紀行文芸史』(鳴神克己著 佃書房 1943)
『近世紀行文芸ノート』(鈴木棠三著 東京堂出版 1974)
『家蔵日本地誌目録 正篇』(高木利太編 名著出版 1976)
『家蔵日本地誌目録 続篇』(高木利太編 名著出版 1976)
 紀行文や道中記など掲載多数だが、合理的な検索手段がないため、指定の内容に合致するものがあるかはわからず。

『参考書誌研究 第20号』(国立国会図書館参考書誌部編 国立国会図書館 1980)
 特集:国立国会図書館所蔵江戸期以前紀行写本・版本目録稿
 著者についての記述がないため、指定の内容に合致するものがあるかはわからず。

『研究資料日本古典文学 9 日記・紀行文学』(大曽根章介〔ほか〕編集 明治書院 1984)
 近世の日記・紀行の部分を確認するが指定の内容に合致するものなし。
『日本紀行文学の研究 生活・交通・民俗的考察』(五十嵐富夫著 柏書房 1986)
 指定の内容に合致する者はないが、p166に代表的な叢書・文献に所収されている近世の紀行文の紹介あり。その中に菱屋平七の「筑紫紀行」について、『紀行文集』(大橋乙羽訂、続帝国文庫二〇、明治三十三年 博文館発行)に所収されているとあり。

『国文学解釈と鑑賞 55(3)』(特集「近世文学と旅」)(ぎょうせい 1990.3)
檜谷昭彦著「『一目玉鉾』のl世界」(『国語と国文学 64(5)』p98-108 至文堂 1987.5)
『江戸を歩く 近世紀行文の世界』(板坂耀子著 葦書房 1993)
『江戸の旅と文学』(板坂耀子著 ぺりかん社 1993)
 商人の紀行文に関するまとまった記述は見つからず。人名索引、書名索引が巻末にあり、小津久足、菱屋平七、井原西鶴の項目あり。
『道中記集成 別巻 3』(大空社 1998)
 p73-171「道中記の発生と発展」あり。
『江戸庶民の旅 旅のかたち・関所と女』(金森敦子著 平凡社 2002)
 
6 自館目録を〈小津久足〉で検索する
『江戸後期紀行文学全集 2 新典社研究叢書 241』(津本信博著 新典社 2007)

7 自館目録を〈筑紫紀行〉で検索する
『日本庶民生活史料集成 第20巻 探検・紀行・地誌』(谷川健一編集 三一書房 1972)

8 自館目録を〈商人 & 紀行〉で検索する
『風土に生きる商人紀行 日本経済を築いた商家』(日本報道記者会 1994)
『海陸道順達日記 佐渡廻船商人の西国見聞記』(笹井秀山〔著〕 佐藤利夫編 法政大学出版局 1991)
 佐渡国沢根の笹井秀山と号する廻船上人が書いた『海陸道順達日記』は、商用を兼ねた旅日記である。「隠居して自由の身」とは一致しない。

9 井原西鶴の「一目玉鉾」について調べる
『国書解題 下』(佐村八郎著 日本図書センター 1979)
『日本古典全集 第2回 西鶴全集』(正宗敦夫編纂校訂 日本古典全集刊行会 1928)
 「一目玉鉾」収録。巻頭に「解題」あり。

ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2015年10月27日。
事前調査事項
(Preliminary research)
『江戸の旅人たち 歴史文化ライブラリー 9』(深井甚三著 吉川弘文館 1997)
NDC
日本  (291 9版)
日記.書簡.紀行  (915 9版)
参考資料
(Reference materials)
『江戸の紀行文 泰平の世の旅人たち 中公新書』(板坂耀子著 中央公論新社 2011), ISBN 978-4-12-102093-2
『江戸後期紀行文学全集 2 新典社研究叢書 241』(津本信博著 新典社 2007), ISBN 978-4-7879-4241-8
『近世紀行文芸ノート』(鈴木棠三著 東京堂出版 1974)
『国文学解釈と鑑賞 55(3)』(ぎょうせい 1990.3)
『国書解題 下』(佐村八郎著 日本図書センター 1979)
『日本庶民生活史料集成 20 探検・紀行・地誌』(谷川健一編集 三一書房 1972)
『国語と国文学 64(5)』 東京大学国語国文学会編 明治書院 1987.5)
『日本古典全集 2 西鶴全集』(正宗敦夫編纂校訂 日本古典全集刊行会 1928)
キーワード
(Keywords)
紀行
江戸時代
小津 久足(オズ ヒサタリ)
菱屋 平七(ヒシヤ ヘイシチ)
井原 西鶴(イハラ サイカク)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
人物
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000211736解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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