レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年4月28日
- 登録日時
- 2016/01/22 08:18
- 更新日時
- 2016/03/30 12:00
- 管理番号
- 埼熊-2015-103
- 質問
-
解決
一条天皇・後一条天皇のように名前に「後」が付く天皇の前には、それに対応する天皇が存在するが、数名ほどそれに当てはまらない天皇が存在する。(後深草天皇、後小松天皇、後柏原天皇、後奈良天皇、後水尾天皇)その理由を知りたい。
- 回答
-
天皇の中には、別称を持つ場合がある。
例にあがっていた後のつく天皇の以前に、それに対応する別称を持つ天皇がいることが確認できた。以下の資料を紹介した。
1 「後深草天皇、後小松天皇、後柏原天皇、後水尾天皇」について
『皇室事典』(皇室事典編集委員会編著 角川学芸出版 2009)
p39-40「追号」に「御陵の所在地にちなんで仁明天皇を深草天皇と呼び、小松山陵に葬られた光孝天皇を小松帝と称している。」とあり。
『天皇皇族歴史伝説大事典』(志村有弘編 勉誠出版 2008)
p234「桓武天皇」に「陵墓の位置から柏原天皇とも。」とあり。
p301「清和天皇」に「名は惟仁。水尾帝とも称される。」とあり。
p274「仁明天皇」に「陵墓の所在地にちなんで深草帝とも呼ばれる。」とあり。
p324「光孝天皇」に「光孝天皇は、後田邑陵(小松山陵)に埋葬された。したがって小松帝ともいわれる。」とあり。
2 「後奈良天皇」について
『国史大辞典 12 ふ―ほ』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1991)
p466「へいぜいてんのう 平城天皇」に「(前略)一に、奈良の帝ともいう。」とあり。
- 回答プロセス
-
1 《Google》(https://www.google.co.jp/ Google)を〈天皇 & 後〉等のキーワードで検索する。
個人ウェブサイト、質問掲示板サイトから、名前に「後」をつけることを「加後号」ということがわかる。
《鎌倉時代 諡法解》(http://www.toride.com/~sansui/posthumous-name/sigo02-2.html 野村朋弘)
京都造形芸術大学准教授 野村朋弘氏のウェブサイト。
「加後号の誕生に見る皇統観」加後号についての記述あり。
2 上記ウェブサイトの主要参考文献をもとに所蔵資料を調査する。
『日本歴史 1951年1月-6月号』(吉川弘文社)
「日本歴史 1951年4月 35号」
p44-45 齋木一馬著「称号”後”の字考 -故実家の説を繞つて-」
「歴代の天皇のうち「後」の字の附く追号を持たれる方は、第六十八代の後一条天皇を初代として、北朝の二方を加へてすべて二十八方の多数に上つてゐる。(後略)その追慕する祖先の諡号・別号若しくは法号・称号等を襲つたものである。」とあり。
『斎木一馬著作集 2 古記録の研究』(斎木一馬著 吉川弘文館 1989)
p112―116「称号“後”の字考」内容は「日本歴史 1951年4月 35号」と同じ。
2 事典類を確認する。
(1) 後深草天皇、後小松天皇、後柏原天皇、後水尾天皇
『皇室事典』(前掲資料)
『天皇皇族歴史伝説大事典』(前掲資料)
(2) 後奈良天皇
『国史大辞典 12 ふ―ほ』(前掲資料)
ウェブサイトの最終アクセス日は2016年3月26日。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 系譜.家史.皇室 (288 9版)
- 参考資料
-
- 『皇室事典』(皇室事典編集委員会編著 角川学芸出版 2009) , ISBN 978-4-04-621963-3
- 『天皇皇族歴史伝説大事典』(志村有弘編 勉誠出版 2008) , ISBN 978-4-585-06063-5
- 『国史大辞典 12 ふ―ほ』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1991) , ISBN 4-642-00512-9
- キーワード
-
- 天皇
- 加後号
- 追号
- 諡号
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000187431