レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/04/21
- 登録日時
- 2016/01/21 17:18
- 更新日時
- 2016/03/18 11:47
- 管理番号
- 埼熊-2015-098
- 質問
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解決
明治12(1890)年の民法草案の作成に関わったとされる牟田口通照についてその生涯の概略を知りたい。
箕作麟祥(みつくりりんしょう)や西成度(にしなりのり)(第6代大審院院長)などとともに民法草案の作成にあたった、佐賀藩出身の人物。
- 回答
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牟田口通照の経歴について記述のあった以下の資料を紹介した。
《国会図デジタルコレクション》
佐々木隆著「「大木喬任関係文書」所収司法・検察関係者書翰翻刻」(『参考書誌研究 第66号』p1-62 国立国会図書館主題情報部 2007)
p5 牟田口通照の経歴が19行にわたり掲載されている。
(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3051567 国会図 2015/04/14最終確認)
『明治過去帳 物故人名辞典』(大植四郎編 東京美術 1991)
p916に〈牟田口通照〉の項あり。10行の記述。経歴や没年月日(明治38年3月30日)と妻の名(安子)がわかる。
民法草案に関わったことに関する記述のあった次の資料も参考に紹介した。
『明治民法史の研究 上』(手塚豊著 慶応通信 1990)
『明治民法史の研究 下』(手塚豊著 慶応通信 1991)
索引に名前あり、該当頁を確認するが、生涯の概略は記載なし。民法草案に携わったことに関する記述あり。
『法律史』(鈴木安蔵著 東洋経済新報社 1960)
p138に旧民法の編纂に携わった一人として〈牟田口通照〉の名が挙がっている。経歴等には触れず。
『日本の法学者』(潮見俊隆,利谷信義編著 日本評論社 1974)
p14「箕作麟祥」中に名が出てくる。
「(明治)九(一八七六)年六月、箕作は(中略)司法権大書記官牟田口通照とともに民法の起草に着手した。牟田口は法律学には素人であったため(『伝』176頁)、編纂はおそらく、もっぱら箕作が行ったものと思われる。(4)(後略)」 この後も箕作と牟田口が民法草案の作成に関わったことに関する記述あるが、牟田口の生涯については記述なし。
『伝』とは「箕作麟祥君伝」のことだが自館未所蔵。《国会図デジタルコレクション》で閲覧可能だが、176頁に名前は見つけられず。また、この部分の参考文献として「明治法制叢考」(小早川欣吾著)もあがっていて《国会図デジタルコレクション》で閲覧可能だが、該当ページp223の内容は、前出の『日本の法学者』p14と内容が同じである。
- 回答プロセス
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《国会図サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図 2015/04/14最終確認)で回答資料のうち『参考書誌研究 第66号』掲載論文の情報を得る。
明治期の人名辞典の調査で『明治過去帳』の記述を確認する。
法制史に関する資料の調査で民法草案に関わったことに関する記述のあった資料が見つかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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- 『参考書誌研究 第66号』(国立国会図書館主題情報部 2007)
- 『明治過去帳 物故人名辞典』(大植四郎編 東京美術 1991) , ISBN 4-8087-0119-7
- 『明治民法史の研究 上』(手塚豊著 慶応通信 1990) , ISBN 4-7664-0429-7
- 『明治民法史の研究 下』(手塚豊著 慶応通信 1991) , ISBN 4-7664-0477-7
- 『法律史』(鈴木安蔵著 東洋経済新報社 1960)
- 『日本の法学者』(潮見俊隆編著 日本評論社 1974)
- キーワード
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- 牟田口 通照
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000187322