レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/11/5
- 登録日時
- 2015/04/16 00:30
- 更新日時
- 2015/04/16 00:30
- 管理番号
- D141021192132
- 質問
-
解決
神社と古墳の関係について書かれた文献を探している。
全国的にみても古墳と神社が隣接していることが少なくないが、神道では死を穢れとしているのに、なぜ墓である古墳の近くに神社があるのかを知りたい。
- 回答
-
お尋ねの件について調査したところ、文献1~4に神社と古墳の関係に言及した記述がありました。
ただし、隣接している理由を明示したものはなく、文献1~3は古墳の上に神社があることについての記述です。1~4いずれの文献でも成立時期が異なるのではないか、という見解のようです。
文献 【 】内は当館請求記号
1.小野泰博 [ほか]編『日本宗教事典』弘文堂, 1985【HK2-14】
pp.17-31「墳墓と葬法」のうち、p.31の3段目に誉田山八幡宮について触れた文章のなかで、「各地の神社で社殿下に埋葬主体を置き、墳丘上に立地した例も多いが、これらがすべて埋葬後まもなく成立しているとするのはむずかしい」などの記述があります。
2.森浩一 著『古墳と古代文化99の謎 : 巨大な墓づくりに、なぜ狂奔したか』産報, 1976【GB117-5】
pp.70-71「古墳上の神社はいつ頃できたか」に、誉田山古墳の上にある誉田八幡について、「古墳の意義が忘れられつつある時期での新しい信仰が生みだした参詣の形態であろう」などの記述があります。
3.重松明久 著『古墳と古代宗教 : 古代思想からみた古墳の形』学生社, 1978【HK33-56】
pp.202-210「古墳付属の祭祀施設」のうち、pp.203-204「墳丘上神社のおこり」に
「墳丘上に、最初から祭祀用建物を設けたかどうかは、一律にいえないのではなかろうか」とあります。
4.小野祖教 著『神道の基礎知識と基礎問題』改訂補註 渋川謙一改訂.神社新報社, 1992【HL11-E69】
pp.43-44「神社と墳墓」のp.43に「神社と墳墓とが密接な関係があるといふのは、比較的稀であり、又、比較的後世のものが多い。」とあります。
その他主な調査済み文献
・『日本史小百科1 』神社 / 岡田米夫 著. 近藤出版社, 1977【GB71-88】
・三橋健 著『神社の由来がわかる小事典』PHP研究所, 2007【HL51-H43】
・三橋健 著『神道の常識がわかる小事典』PHP研究所, 2007【HL11-H71】
・小池長之 著『知っておきたい日本宗教の常識 : 日本宗教の変遷からその教えまで』日本文芸社, 2006【HK33-H78】
・瓜生中 著『知識ゼロからの神社と祭り入門』幻冬舎, 2003【HL51-H10】
・日本風俗史学会 編『日本風俗史事典』弘文堂, 1979【GB8-61】
・土生田純之 編『事典墓の考古学』 吉川弘文館, 2013【GB111-L12】
・『古墳の謎 : 埋もれた古代権力の素顔』暁教育図書, 1981【GB117-13】
・宿南 保「神社と古墳群ならびに方位信仰と神社祭祀--但馬国養父郡養父神社の場合」
(『地方史研究』46(5) 1996.10 pp.50-68【Z8-371】)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
『日本の神々 1.九州』2000年/白水社
『古代の神社と祭り』2001年/吉川弘文館
『日本の神々』1999年/岩波書店
『神社霊場ルーツをめぐる』2009年/光文社
『祭祀遺蹟』1970年/角川書店
など。
その他、当館所蔵の神道関連資料もあたりましたがほとんど記載がありませんでした。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000170926