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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000170052
提供館
(Library)
京都市図書館 (2210023)管理番号
(Control number)
右中-郷土-78
事例作成日
(Creation date)
2015年03月29日登録日時
(Registration date)
2015年03月29日 16時45分更新日時
(Last update)
2015年04月15日 11時53分
質問
(Question)
蹴上発電所(けあげはつでんしょ)の歴史や由来について知りたい。
回答
(Answer)
蹴上発電所は,京都市左京区粟田口鳥居町にある,琵琶湖疏水の水を利用した水力発電所です。日本初となる事業用水力発電所で,京都の近代化に大きく貢献しました。

第一琵琶湖疏水の工事を進める中,明治21年(1888)に田辺朔郎(たなべさくろう)と高木文平(たかぎぶんぺい)は,アメリカコロラド州アスペンの銀山で視察した水力発電に関心を持ち,導入を決定しました。

第一期蹴上発電所は明治23年(1890)に建設工事が開始され,明治24年に完成し,まずはインクラインへ送電開始しました。その後電気は主に紡績や機械製造工場を中心に供給され,中でも京都電気鉄道株式会社は,蹴上発電所からの電気を利用し,明治28年(1895)に日本初となる路面電車を走らせました。その他には電燈や医療,娯楽施設などにも電気は使用されました。

明治45年(1912),京都三大事業の一つとして,さらに多くの水や電力を得るために第二疏水を建設し,それに伴い第一期蹴上発電所は取り壊され,隣接するかたちで第二期蹴上発電所(京都市左京区南禅寺福地町)が同年完成しました。

その後さらなる電力需要増大のため,昭和11年(1936)第一期蹴上発電所の跡地に第三期蹴上発電所を設立し,その後所有権は,市から関西電力に引き継がれました。レンガ造りが特徴的な第二期蹴上発電所は,外観はそのままですが,発電機能は廃止され,内部は戦後一時期京都大学が移管を受け使用していたため大きく変わっています。第三期蹴上発電所は,現在もなお現役の発電所として活躍し,敷地内には日本初となる事業用水力発電の記念碑が設置されています。
回答プロセス
(Answering process)
●“蹴上発電所”をキーワードに当館所蔵資料を検索する・・・【資料1】
  第三期蹴上発電所を所有する関西電力が出したパンフレット。
  沿革などに加え,第一期~第三期発電所の建物の構造や使用水量,水車の種類,発電力が表で掲載。

●琵琶湖疏水に関する資料から・・・【資料2】~【資料5】
  【資料2】・・・“第三篇 水力使用事業と初期水利事業”の項より,当時の第一疏水開削を含む水力使用(電気)事業の経営状態について書かれている。
  【資料4】・・・アスペン発電所内部をはじめ(p22),第一期蹴上発電所の外観や内部(p23),“水力発電事業発祥之地”の碑(p54)などの写真と共に解説を掲載。
  【資料5】・・・動力源として電力を使用した会社が紹介されている。(京都電燈株式会社や京都織物株式会社,京都時計株式会社など)

●京都に関する事典から・・・【資料6】
  所有権について,“昭和17年市から離れ,現在関西電力が所有”と書かれている。
  
●京都の地誌・歴史に関する資料から・・・【資料7】~【資料10】
  【資料7】・・・第一期,二期蹴上発電所の工事含む水利事業について
  【資料9】・・・第一期蹴上発電所と,所内に据え付けられた発電機の写真が掲載され,京都電気鉄道会社による路面電車運行の解説もある。
 
●現在所有権のある“関西電力”をキーワードに当館所蔵資料を検索する・・・【資料11】
  当初の送電区域は発電所より20町以内に制限していたが,送電設備の増設に伴い,明治25年(1892)6月から京都市内全域に拡張された。

●京都における“明治の建築”をキーワードに当館所蔵資料を検索する・・・【資料12】~【資料13】
  【資料12】・・・“旧蹴上第二発電所”と題して写真と解説がある。
  【資料13】・・・“当時の水力発電施設の一部を知るうえで価値の高い記念物”としている。

●日本初となる事業用水力発電なので,事物起源に関する資料から・・・【資料14】~【資料15】
  【資料14】・・・“碑名:水力発電事業発祥之地”の記念碑は,蹴上発電所構内にあり,昭和37年(1962)12月に設置された。
  【資料15】・・・米国視察のエピソードを含め,京都ではじめて公営電気事業がはじまったことについて書かれている。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
河海工学.河川工学  (517 9版)
発電  (543 9版)
近畿地方  (216 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『蹴上発電所案内』 (関西電力 1枚 19--)
【資料2】『琵琶湖疏水及水力使用事業』 (京都市電気局庶務課/[編] 京都市電気局 1940) p622~844
【資料3】『琵琶湖疏水の100年 叙述編』 (京都新聞社/編集 京都市水道局 1990) p270~561
【資料4】『琵琶湖疏水記念館 常設展示図録』 (京都市上下水道局総務部総務課/編集 京都市上下水道局 2009) p20~25,36~40,54,57~59
【資料5】『琵琶湖疏水と京都の産業・企業』 (京都商工会議所観光産業特別委員会/企画 京都商工会議所観光産業特別委員会 2010) p42~56,62~163
【資料6】『京都大事典』 (佐和 隆研/[ほか]編集 淡交社 1984) p349
【資料7】『京都市政史 上巻』 (京都市総務部庶務課/[編]著 京都市役所 1941) p832~893
【資料8】『京都の歴史 8』 (京都市/編 京都市史編さん所 1980) p160~165
【資料9】『明治大正図誌 10 京都』 (筑摩書房 1978) p68~69
【資料10】『歴史で読み解く京都の地理』 (正井 泰夫/監修 青春出版社 2003) p68~69
【資料11】『関西電力五十年史』 (関西電力五十年史編纂事務局/編纂 関西電力 2002) p62~64,1169~1177
【資料12】『近代名建築京都写真館 写真集』 (福島 明博/著 日本機関紙出版センター 1995) p70~71
【資料13】『京都の明治文化財 第一編 改訂版』 (京都府文化財保護基金 1974) p136~137
【資料14】『日本全国発祥の地事典』 (日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2012) p340
【資料15】『それは京都ではじまった』 (黒田 正子/著 光村推古書院 2005) p211~216
キーワード
(Keywords)
蹴上発電所
琵琶湖疏水
関西電力
明治
建築
事物起源
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000170052解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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