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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000162117
提供館
(Library)
福岡県立図書館 (2110014)管理番号
(Control number)
福参-960
事例作成日
(Creation date)
20140703登録日時
(Registration date)
2014年11月13日 00時30分更新日時
(Last update)
2014年11月13日 00時30分
質問
(Question)
絵本を探している。男が弓矢で鹿を狙っている挿絵が入っているもので、タイトルは『なないろのしか』ではないかと思う。
回答
(Answer)

参考資料1,2をご案内。
『なないろのしか』森礼子文・久芳勝也絵(参考資料1)には、質問にあるような場面(挿絵・弓の描写ともに)なし。
『五色のしか』さがわみちお文・すずきよしはる絵(参考資料2)には、お尋ねの内容に合う挿絵あり。
→p24-25

併せて、その原典資料にあたる日本古典説話として、以下の参考資料3,4をご紹介。
『新編日本古典文学全集 50』「宇治拾遺物語」小学館(参考資料3)
『新日本古典文学大系 33』「今昔物語集」岩波書店(参考資料4)


『なないろのしか』(参考資料1)作者のあとがきに「この「なないろのしか」の物語は、宇治拾遺に素材を求め、自由に脚色し」たとあるため、同じ(同文同話の)宇治拾遺物語の古典説話を題材にとった絵本『五色のしか』(参考資料2)で確認すると、質問者の方がお尋ねのものに近い挿絵がみつかった(p24-25)。また、国立国会図書館サーチで検索すると質問館にも所蔵があったため、質問者の方が以前ご覧になったという絵本ではないかということで最終回答。(※詳細は、回答プロセスに記す)
回答プロセス
(Answering process)
お尋ねの絵本『なないろのしか』(※1)には、確かに、猟師が鹿を捕獲する場面はあるが、質問にあるような弓で射ようとする描写はでてこなかった。また、同タイトルの『七いろの鹿』二反長半/著(1944)が長崎県立図書館に所蔵があるようだが、質問者のお住まいの地域(県)に所蔵はなし。以前ご覧になったことがあるという本を探していらっしゃるため、こちらも違うようだった。
そこで、当館所蔵の『なないろのしか』を改めてみてみると、作者のあとがきに「この「なないろのしか」の物語は、宇治拾遺に素材を求め、自由に脚色し」たとある。そのため、ほかにも同じようにその説話を題材にした絵本があるかもしれないと思い、宇治拾遺の説話で鹿が登場する類話を探すと「五色鹿事(ごしきのしかのこと※2)」(参考資料3参照)というものがそれのようであった。

そこで、絵本として同じような書名で出版されているものがないか調べてみる(キーワード検索)と、参考資料2『五色のしか』が探しあたった。当館にも所蔵があるため現物を確認すると、p24-25には、矢を番えた男たちの手と狙われる鹿の挿絵がはいっており、お探しのものである可能性もあったので念のため質問館に連絡。国立国会図書館サーチで検索すると、質問館もヒットしたので、併せてお伝えした(当初お尋ねのあった『なないろのしか』も、相互貸借可能とご案内)。


※1『なないろのしか』森礼子(西図協出版)は、昭和27年にラジオ九州(現RKB毎日放送)がバンビの会の児童劇として放送していたものを童話に再編したものである。挿絵の登場人物の衣装からも舞台はインドを思わせる土地(作中には、「ある国」とある)。

※2「五色鹿事(ごしきのしかのこと)」は、宇治拾遺物語第92話(巻七ノ一)。五色の鹿におぼれているところを助けられ九死に一生を得たはずの男が、目先の欲につられてその鹿との約束を破り、最終的にはその罪により罰せられる話。

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ちなみに、参考資料2の作者(さがわみちお)あとがきには、出典は(宇治拾遺ではなく)『今昔物語集』とある。

『宇治拾遺物語集』と『今昔物語集』には同文的同話をのこす話が多くのこるが、この説話もそのひとつ。参考資料3の解説によると、原典は中国古典『仏説九色鹿経(ぶっせつくしきろくぎょう)』に遡る。また、その影響を色濃く受ける『今昔物語集』(参考資料4参照)でも、鹿の色は「五色」ではなく「九色」になっており、結局その鹿は釈迦であったという結末(巻第五「身色九色鹿、住山出(みのいろくしきのしか、やまにすみかはのほとりにいでてひとをたすけたること)」)で、類話ではあるものの「鹿の色」の設定や「結末部分」など、両者には異なる点もみられる(参考URL1参照)。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
小説.物語  (913 8版)
参考資料
(Reference materials)
1 なないろのしか 森 礼子/文 西図協出版 1981.2 913/モ/S
2 五色のしか さがわ みちお/ぶん 国土社 1976 E/コ/S 回答箇所 p24-25
3 新編日本古典文学全集 50 小学館 1996.7 918//7-50 p224-227
4 新日本古典文学大系 33 佐竹 昭広/[ほか]編集委員 岩波書店 1999.7 918//6-33 p438-442
1 語られる夢:『宇治拾遺物語』の夢の引用(p11) 長崎大学学術研究成果リポジトリ http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/dspace/ 2014.09.20最終確認
キーワード
(Keywords)
古典文学,宇治拾遺物語,今昔物語
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
その他
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000162117解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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