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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000156670
提供館
(Library)
島根県立図書館 (2110035)管理番号
(Control number)
島根参2014-07-006
事例作成日
(Creation date)
2014年07月11日登録日時
(Registration date)
2014年07月23日 17時42分更新日時
(Last update)
2015年10月15日 11時40分
質問
(Question)
女性が何かを願って深夜に何度も水をかぶって祈ることがあるが、この行動をなんというのか知りたい。
何時頃、どういう場所で、どういう人が行っていたのか知りたい。
回答
(Answer)
◆「水をかぶって祈る行為」は宗教風俗の「願かけ」「個人祈願」にあたる。(※【資料1・2・3・4・】参照)

◆【資料1】p192によれば、私の領域の霊格に祈願する場合は、女性など、家父長制社会における劣位の存在が祈願の行為者となる。

◆時刻についてはっきり書かれた資料は見つからなかったが、【資料4】に「暁天に霜を踏んでの暁参り」「だれにも知られないように秘密に行う抜き参り」と、人目につかない時間帯を示唆する記述がある。

◆祈願はなんらかの定まった作法や奉納を伴うことが多く、その際、必ず身を清めることがともなっている。
水をかぶる行動を表す言葉は、【資料1】p468「祓い」によれば、心身を浄めるための「水垢離」「沐浴」がある。
回答プロセス
(Answering process)
(1)NDC分類「380」の資料に直接あたり、民俗事象について調査。

(2)宗教行為の視点で「160」の資料を調査。


◆当館所蔵資料に以下の記述あり。

【資料1】『日本民俗宗教事典』(東京堂出版)に以下の記述あり。
・p125「願かけ」
自分の望みをかなえてもらうために、神仏に祈願すること。民俗事象としての願かけは、ただ心中に念じるだけでなく、なんらかの定まった作法と奉納の品などを伴うことが多い。

・p192「個人祈願」
参拝、参籠、奉納、寄進。その際、水垢離など祈願者自身の禊・祓え、あるいは断ち物、断食など自虐的行為を伴う場合もある。
対象となる神仏は個人の帰属する社会集団の神格、境界領域を守る神仏である場合が多い。
個人の帰属する家の先祖に対する祈願は、家屋の中の竈神や便所神など、境界領域に祀られる霊格に個人祈願が行われる場合もある。
先祖は公の霊格として位置づけられるのに対して、竈神や便所神は、家の裏側、私の領域の霊格であり、女性など家父長制社会における劣位の存在が祈願の行為者ともなる。

・p468「祓い」
災い、穢れ、罪などを除き、心身を浄める儀礼行為。神道の重要な儀礼とされ、祓えともいう。禊は水浴びをして心身を浄めることで、水垢離とか沐浴などとも呼ばれる。

・p479「百度参り」
祈願の一方法で、神前、仏前に百度足を運んで礼拝するというもの。
多くは、境内のある場所から神前、仏前までを100度往復してそのたびに礼拝する方法をさす。数量を重ねることによって祈願成就をはかろうとする行為であるが、同時に、宗教儀礼にしばしばみられる、単純な動作のくり返しで常とは異なる心身の状態を引き起こす効果をねらったものである。

・p537「水をめぐる信仰」
水は神聖視され、水神として祭られたり、水に関連する井戸、川辺、泉は神託を受ける場などとされ、様々な俗信がみられる。

【資料2】『日本宗教事典』(弘文堂)
p659-662「祈願」に以下の記述あり。
・祈願の主体者により、個人祈願・共同祈願に分類される。
・手段、方法として参拝、参籠、奉納、みそぎはらえ、自虐、鎮送、対抗、強調の8分類がある。
・ムラ社会においては共同祈願が優越しており、マチ・都市社会においては個人祈願が支配的であるといえる。

【資料3】『約束 ふぉるく叢書8』(弘文堂)
p226-235「神との約束(1)神仏祈願」
特定の課題解決のために神仏に祈願する行為を願かけといい、神仏にお願いする行為、願いが叶ってお礼をする行為、二つの部分から成り立っている。
神仏にお願いする際には、神仏に対してその願いが切実なものであることを示し、自分が真剣にお願いしていることを訴える。
①心の中で祈ったり言葉に出してお願いするだけでなく、目に見える形で神前仏前に示す絵馬など一定の奉納物、
②一回だけお願いするのではなく、何回も何回もお願いするお百度参り、千垢離、万垢離や何日間もおこもりしてお願いする七日参籠、二十一日参籠、
③お願いしている期間あるいは課題が解決するまでの間、一定の品物を使用しない、あるいは特定の行為をしないという断物等である。

※これらの行為は神仏への誠意ある奉仕を示すものであるが、その際に身を潔めることが必ずともなっている。

【資料4】『民俗儀礼の研究』(吉川弘文館)
p156-157「祈願・願かけ」に、以下のように書かれている。
神仏の絶対力にすがって願望の達成をはかることを民間では祈願あるいは願かけという。個人で行う個人祈願と部落や組、講などの集団が行う共同祈願があり、以前は個人よりも集団が単位となって行う例が多かった。
個人的な祈願は、暁天に霜を踏んでの暁参り、百度参り・千度参りの数参り、だれにも知られないように秘密に行う抜き参りなどがあげられる。
祈願成就までは断食、火絶ち、塩絶ち、茶断ちなどの物絶ちをしたり、お籠り、裸参り、または滝に打たれたり霊山へ登ったりする行をつとめることもある。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
風俗習慣.民俗学.民族学  (380 8版)
宗教  (160 8版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】佐々木宏幹, 宮田登, 山折哲雄 監修 , 池上良正 [ほか]編 , 佐々木, 宏幹, 1930- , 宮田, 登, 1936-2000 , 山折, 哲雄, 1931- , 池上, 良正, 1949-. 日本民俗宗教辞典. 東京堂出版, 1998.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002685526-00 , ISBN 4490104812 (p125,p192,p468,p479,p537 当館請求記号 R287/ニ98 ※貸出禁止資料)
【資料2】小野 泰博/[ほか]編集 , 小野‖泰博. 日本宗教事典. 弘文堂, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000234674-00 , ISBN 4335160240 (p145-146,p659 当館請求記号 R162.1/ニ94 ※貸出禁止資料)
【資料3】野口武徳, 福田アジオ 著 , 野口, 武徳, 1933- , 福田, アジオ, 1941-. 約束. 弘文堂, 1977. (ふぉるく叢書 ; 8)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001338442-00  (p226-235 当館請求記号 380/0047/8 ※書庫資料)
【資料4】桜井, 徳太郎, 1917-2007. 桜井徳太郎著作集 第9巻 (民俗儀礼の研究). 吉川弘文館, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001886702-00 , ISBN 4642073434 (p156-157 当館請求記号 380/0079/9 ※書庫資料)
キーワード
(Keywords)
願かけ
祈願
水垢離
お百度
宗教風俗
民俗儀礼
沐浴
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000156670解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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