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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000150162
提供館
(Library)
国立音楽大学附属図書館 (3310053)管理番号
(Control number)
国音2013-0028
事例作成日
(Creation date)
2012年02月27日登録日時
(Registration date)
2014年03月03日 11時08分更新日時
(Last update)
2014年12月03日 11時29分
質問
(Question)
レクイエムの日本語訳を調べたい。
回答
(Answer)
1.当館OPACで「レクイエムの日本語訳」が載りそうな和図書を検索
2.当館OPACで「レクイエムの日本語訳」が載りそうなCD解説書を検索
 ただし、もともとの質問は「ドヴォルザーク:レクイエム」であったので、
 検索語は「ドヴォルザーク」「レクイエム」だけに限定

*1.2.のめぼしいもののうち、貸出中のものを除き、質問者に提示(参考資料参照)
*日本語訳が載るかどうかは、現物資料で確かめるしかなかった。

◆ラテン語全文が載るか否かは、作品によるが、ラテン語原文は基本的に一致するはず。
 ただし、質問者には、5点ほどの日本語訳を提示したが、翻訳者もその日本語訳文
 も全て違っていました。(質問者が急いでいたので、最初から絞った検索を行った。)

◆その後、ウィキペディアの「レクイエム」で日本語訳を調べたが、翻訳者名、出典等 
 不明でした。(2014.3.3)
◆「レクイエム」「典礼文」によるネット検索で、土屋吉正先生(上智大学元神学部特遇教授 
  哲学・神学専攻 特に典礼学専攻)からの引用例を多数発見しました。
◆「レクイエム」についてウィキペディアの記事の中で、検索・調査にとって以下の点が
 重要と思われました。(2014.3.3現在)
 ①「鎮魂曲」(ちんこんきょく)と訳されることもあるが、レクイエム自体には「鎮魂」の意味はない。」
 ②「宗教的な意味を離れて、単に「葬送曲」「死を悼む」という意味でレクイエムという語が使われる。」 
  [2014年現在、requiemは、無理に日本語訳をせず、文献等は概ね「レクイエム」として公表されるように
   なっています。古い音楽用語辞典等には、「鎮魂曲」と書かれたものもあり、中には、それを踏襲するもの
   も僅かながらあるように観察しています…。しかしながら、一方近年の作品は、当然①の点を知りつつも
   作曲し、タイトル化しているものもあるように思われます。]
   ともかく、①は①として、②[の状況]は②として、しっかり認識しないと誤調査の一因にもなりかね
   ないと思われます。
    即ち、図書館としては、「レクイエム」の日本語訳として、「鎮魂曲」は不適切とする宗教やラテン語
   の専門家あるいは音楽研究者の意見[その説のキーパーソンは誰で、いつの文献か?どの状況なら「鎮魂曲」
   は有効か等]を明確に認識しつつ、一方では、「鎮魂曲」と訳した資料・情報や、あえて「鎮魂」の語を用
   いている作品もあるので、そうした資料・情報のあることやそうしたい心情・背景も理解した上で、利用
   者の要求を正確に聴き、適切・柔軟に検索・調査しないと思わぬ落とし穴に陥る可能性があるという点です。 
◆『レクィエムの歴史 : 死と音楽との対話』(資料4参照)「第十四章 日本人とレクィエム 「鎮魂」という
  言葉というについて」p.345-346 には、「…レクィエムの冒頭に出てくる「永遠の安息」という言葉を、
  死者の魂が祟らないように鎮める意味に取り違えたのである。」「…思うに、「レクィエム」という言葉が、
  第二ヴァティカン公会議で廃止されてしまっても、典礼とは無関係なレクィエムが世界各国で書かれているなら、
  百年この方、日本人が解釈した「鎮魂歌」にあたるレクィエムがあってもよいのではないだろうか。」という
  指摘は大変重要と思われます。特に、「無宗教レクイエム『鎮魂十二頌』」等の作品はその証左のひとつ
  と言えます。
◆ただし、この論議は、研究領域の問題であって、当館でも、典拠としてのRequiemに対応する日本語は
 「レクィエム」を考えており、個々の特別な作品例を除いては、Requiem≒「鎮魂曲」≒「鎮魂歌」という検索手段
 を一般的に用意することは考えておりません。

◆カトリック関係、聖歌集等の調査を実施しました。(追調査) 
『カトリック聖歌集』 No.581 p.348 の                            
           日本語歌い出しは「やすらぎを とわの(やすらぎを)与えたまえ かれらに 主よ。…」です。  
           この楽曲のタイトルは、索引では、「死者 ミサ(Requiem)」と表記され、該当ページには 
           「死者ミサ MISSA PRO DEFUNCTIS」と表記されています。〔楽譜は五線譜です。〕

『グレゴリオ聖歌集』 p.228                                  
           日本語訳の初行は「神よ、彼らに とわの やすらぎを与え、」と始まります。
           左ページ(p.228)が、ラテン語でタイトルおよび関連部分は"LITURGIA DEFUNCTORUM
MISSAE PRO DEFUNTIS ANTIPHONÆ AD INTROITUM Ⅰ"また照応する日本語訳(p.229)
は「死者のための典礼  死者のためのミサ   入祭唱 Ⅰ」です。         
          この聖歌集は、左ページにネウマ譜が掲載され、右ページに日本語訳が載るので大変便利です。

 『Cantus Gregorianus Cantus [日本語タイトル:グレゴリオ聖歌 集大成 監修:皆川達夫]』CD解説書 p.395 に
 「MISSA DEFUNCTORIUM 1.-Introitus:REQUIEM[頁左]  死者のためのミサ 1-入祭唱:永遠の安息を[頁右]」
  のタイトルのもと、「主よ、永遠の安息を彼らに与えたまえ…」と始まる日本語訳が掲載されています。
  *CD解説ですが、日本語訳等について、図書以上にツールとして利用し、今なおグレゴリオ聖歌の調査には
   不可欠な文献と言えます。 又、執筆内容の充実とともに大部でもありますが、大部の解説書は、図書より
   も傷みが進みやすく今や大変貴重な文献と言えます。


◆ウィキペディアに書かれていた聖公会のレクイエムは調査しきれませんでした。 
 『古今聖歌集』(資料5参照)『聖歌集 / 日本聖公会』(資料6参照)を調べましたが、
 Requiem及びその日本語訳の 収載を確認することができませんでした。(2014.11.19現在)
◆〔貸出資料が返ってきたので〕聖公会関係?、の資料の追調査をしました。(2014.5.7現在)
 『レクィエム・ハンドブック / 高橋正平著 』p.35-
*ラテン語本文、逐語訳、日本語訳が掲載されています。
 *冒頭の日本語訳は、「〔交唱〕 主よ、彼らに永遠の安息を与えたまえ。」です。
 *著者は、日本聖公会司祭、出版年当時、日本聖公会公文書翻訳委員でもあったので、聖公会関係者からの
  資料と言えます。
 *ウィキペディアにあった〔日本〕聖公会のレクイエムについての直接の記述はなかったものの、ブリテンの
  『戦争レクィエム』についての記述が、p.9にありました。ただし、この有名な作品は作曲者が英国教会〔ママ〕
  に属するものの、歌詞も典礼文テクストとオーウェンの詩とを組み合わせることにより、非典礼化された作品
  であると、この本の中でも指摘されています。又、言うまでもなく、日本聖公会は英国国教会とは違うので、
  ウィキペディアに書かれている「1.死者の安息を神に願うカトリック教会のミサ。死者のためのミサ(羅: missa
   pro defunctis)。聖公会においても行われる。」(2014.5.7現在)と言う、聖公会での典礼としての実施を
  想起させる文章についての資料的な確証はこの本によっても得ることはできませんでした。
◆聖公会のレクイエムについて、インターネットで 聖公会 レクイエム と入力・追調査し、
 「逝去者記念聖餐式(レクイエム)」という式が行われているのを各教会HP等で確認できました。(2014.12.1現在)
  が、その式文が"Requiem æternam"で始まるラテン語の日本語訳であるか?
  どのような日本語訳か?の確認までは、日本聖公会の音楽関係者にもお聞きしたが、どうしても確認がとれ
  ませんでした。なお、聖アンデレ教会HPには、「教会では、お亡くなりになられた方の親族や友人が集まり、
  その方との生前の交わりやその生涯・人柄を偲ぶため「逝去者記念式」や「逝去者記念聖餐式(レクイエム)」
  を行っています。   日本聖公会祈祷書「逝去者記念の式」の項に「信仰のうちに世を去った人を個別に記念し、
  主にある交わりをともにするときには、この式を用いる。」という記事が掲載されいたので、あるいは
  日本聖公会祈祷書に、"Requiem æternam"で始まるラテン語の日本語訳がある可能性もなくなはないのだが、
  当館選書方針では購入できない資料なので、残念ながら確認できませんでした。(2014.11.19現在)

◆日本聖公会のレクイエムについて、立教大学図書館様より、以下のようなコメントをいただきました。
 (2014.12.1/2014.12.3)
 ・日本聖公会では、公式に「レクイエム」という名称は使用していません。
  『日本聖公会祈祷書』(1990年版)400頁以下の
  「逝去者記念の式」が、「聖餐式」として執行される場合もあり、
  それを「逝去者記念聖餐式」と呼び、あくまでも通称として、「レクイエム」と呼ぶことがあります。
  第二ヴァチカン公会議以前のカトリック教会のラテン語「レクイエム・ミサ」式文を
  直接訳したものではありません。

   上記コメントの他日本聖公会の音楽関係者の方よりも、同様な情報提供を受けております。
  ◎以上のことから、日本聖公会には、、"Requiem æternam"で始まるラテン語式文に対応する
   公式日本語訳がある可能性はかなり低いと推測して良いと思われます。
   〔本レファレンス事例作成者コメント2014.2.3現在〕

◎について、以下のコメントも立教大学図書館様よりいただきました。〔2014.2.3現在〕
========================
確かに現行『祈祷書』は、「Requiem aternamで始まるラテン語式文」とは
直接関係はないので、この結論は間違ってはいないと思いますが、
「Requiem aeternam dona eis Domine, et lux perpetua luceat eis」
という文章(唱和/交唱/入祭唱)そのものは、
『祈祷書』 「逝去者記念の式」では、式の後半、
「主の祈り」に続く祈り(諸祈祷)へ導く唱和として
「司式者 主よ、永遠の平安を彼に与え
  会衆 絶えざるみ光をもって照らしてください」
とあります。
この唱和は、『祈祷書』中では、ここ以外にも見られます。
(「葬送式」、「通夜の祈り」においてもこの唱和はあります。)
========================

◆聖公会の例ではないが、ブリテン:戦争レクイエム中の合唱部分冒頭の訳をCD解説から挙げます。(2014.7.29追調査)
 ・「永遠の安息を彼等に与え給え、主よ、」(高崎保男・訳)『戦争レクイエム ; op. 66 / ブリテン』ブリテン(指揮)他
  London : London, p1963 ; [東京] : 発売元・ポリドール, [1985]
 ・「主よ、永遠の安息を彼らに与え給え」(三浦淳史・訳)『 戦争レクイエム ; 作品66 / ブリテン 』小澤征爾(指揮)他
  [Tokyo] : Universal Music, 2011
  なお、ベンジャミン・ブリテンの英国国教会への貢献はよく知られています。
◆日本語訳実例について
 ・日本語訳の実例としては、冒頭訳を数例挙げたに過ぎないが、Domineを「主」と訳すのか?、「神」と訳すのか?
  は まず初めの重要ポイントとと思われます。(2014.7.29追調査)
回答プロセス
(Answering process)
1.当館OPAC タイトル に レクイエム と入力し、フレーズ検索 
 〔資料種別を和図書に限定〕
  ・2014.2.28現在 15件 ヒット、「レクイエムの日本語訳」の
   掲載されそうなものは数点、それも貸出中のものが多い。 
  ・「レクイエム」 以外の検索語としては、「宗教音楽」「教会教音楽」
   ただし、ヒット数が多いので、副検索語として、「ラテン」「対訳」等  
   を適宜付加して検索    「キリスト教音楽」もありうるが未調査

2.当館OPAC 人名・団体名 に ドヴォルザーク
        タイトル   に レクイエム(フレーズ)
        注記     に 日本語  (注記)   と入力し、掛け合わせ検索
  〔資料種別を録音資料に限定〕
  ・ドヴォルザークであろうと、モーツァルトであろうと「レクイエム」のラテン語
   原文は一致するはずなので、日本語訳の研究をする場合は、「ドヴォルザーク」の
   制約を検索語から省くことは可能である。しかし、録音資料だけでも283件になって
   しまうので、悉皆調査ならば検索するが、本件については、回答のように、
   「ドヴォルザーク」を検索語として加えた。

3.録音資料、映像資料等の解説中の日本語訳も参考になります。
  その時の当館OPACの調べ方は以下になります。
  タイトル に requiem, 注記 に 日本語対訳 と入力し、フレーズ掛け合わせ検索
   *2014.07.04現在、242件ヒットします。
   *ノイズの可能性もあるので、最終確認を実資料で行う必要があります。      

 

   
4.楽譜にも日本語訳のものがあるが、検索は上記2.に準じて入力し、資料種別を楽譜に限定
 すれば、検索結果が得られます。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
声楽  (767)
宗教音楽.聖楽  (765)
参考資料
(Reference materials)
1
タイトルと著作者 レクイエム発音講座 : ローマ・カトリックの流れに基づく / エルマンノ・アリエンティ指導
シリーズ CD book

出版社・発行年 〔出版地不明〕 : アット・プリモ(製作), 〔1996〕
2
タイトルと著作者 レクィエム・ハンドブック / 高橋正平著
出版社・発行年 東京 : ショパン, 1994
3
タイトルと著作者 ミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック : ミサとは・歴史・発音・名曲選 / 三ケ尻正著
出版社・発行年 東京 : ショパン, 2001
4
タイトルと著作者 レクィエムの歴史 : 死と音楽との対話 / 井上太郎著
シリーズ 河出文庫

出版社・発行年 東京 : 河出書房新社, 2013
5
タイトルと著作者 古今聖歌集 ; 日本聖公会第二十五総会採用 / 古今聖歌集改訂委員
版 再改訂・増補
出版社・発行年 東京 : 日本聖公会管区事務所, 昭和34 [1959]
形態 スコア1冊 (24, 540, 84, ix, 15, xxiv p.) ; 16 cm.
注記 歌詞: 日本語
Kokin seikashu = Hymns new and old : for the use of the Nihon Seikokai
第五部 詩頌・唱詠礼拝式曲譜は第二十七総会採用
巻末に英文: Index of first line, Index of tunes, Metrical index, Index of composers, arrangers, and sources of tunes
付: テキスト
6
タイトルと著作者 カトリック聖歌集
出版社・発行年 札幌 : 光明社, 1966
形態 クローススコア1冊 (13, 433 p.) ; 16 cm.
注記 歌詞: 日本語, 一部ラテン語
編集: 聖歌集改訂委員会
付: テキスト
7
タイトルと著作者 グレゴリオ聖歌集
出版社・発行年 広島 : エリザベト音楽大学宗教音楽学科グレゴリアン研究室, 1980
形態 419 p. ; 22 cm.
注記 歌詞: ラテン語
編集, 翻訳, 発行: 水嶋良雄
ネウマ記譜法
"本書はグレゴリオ聖歌の代表的楽曲を収めた聖歌集である.
 エリザベト音楽大学生の私的使用のために作られたもの"--あとがき
付: 移動主日・祝祭日表
付: Index alphabeticus Cantuum
付: テキスト (日本語)
"missae pro defunctis(死者のためのミサ)"をp.228-245に日本語訳と
 ネウマ譜による譜例が載る。他にもグレゴリオ聖歌の重要曲が掲載されるので、楽譜資料、グレゴリオ資料
 としてはもちろん、出版時以降、典礼文改訂があるまで、レファレンス・ツールとしても大変重要であった。
(しかしながら、2014年現在のカトリック教会のレクイエム関係資料等について、レファレンス・ツールとして
 も使える資料にどのようなものがあるか?は、調べきれていない。)
8
タイトルと著作者 聖歌集 / 日本聖公会 = The hymnal of Nippon Sei Ko Kai
出版社・発行年 東京 : 日本聖公会管区事務所, 2006
形態 クローススコア1冊 ; 22 cm.
注記 歌詞: 日本語
付: テキスト
2006年 第56総会採用
付: 日本語初行索引 ; 原詩初行索引 ; 曲名索引 ; 曲譜韻律索引 ; 作詩者・出典索引 ; 作曲者・編曲者・出典索引 ; 聖句索引 ; 事項索引
キーワード
(Keywords)
Requiem(レクィエム)
missa pro defunctis(死者のためのミサ)
Dvorák:Requiem, op. 89, Bb minor. Latin(ドヴォルザーク:レクイエム)
カトリック教会 典礼
聖公会
日本語訳
レクイエム ネウマ譜
Requiem 日本語対訳
Requiem≒「鎮魂曲」≒「鎮魂歌」?
KCMLOPAC
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 所蔵調査
内容種別
(Type of subject)
日本語訳 言葉
質問者区分
(Category of questioner)
教員
登録番号
(Registration number)
1000150162解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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