レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年11月13日
- 登録日時
- 2014/01/30 15:35
- 更新日時
- 2014/05/30 16:44
- 管理番号
- 埼久-2013-111
- 質問
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解決
「かたつむり どこで死んでも わが家かな」という句の作者と表記が知りたい。作者は小林一茶ではないかと思う。
- 回答
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以下の資料に該当の句についての記述があり、これを提供した。作者は不明とされている。表記は資料により異なる。
加太こうじ「私の日本学(連載第7回)江戸の笑い 川柳」(『思想の科学 1986.1 No.71』p107-115)
p108 「川柳は十八世紀の中頃、懸賞文芸として江戸ではじまった。(中略)応募するのは個人ではなくて、仲間をさそい合わせての地域ー町内を単位 とした集団とした。それゆえ、川柳選のいわゆる古川柳には作者名はない。」
p111 「市井の人事に関する古川柳も少し紹介しておく。意味はそれぞれ考えてもらうことにする。」
10の川柳が紹介されているうちに以下があり。<かたつむりどこで死んでも我家なり>
『誹風柳多留全集 12』(岡田甫校訂 三省堂 1978)
p46 柳多留 百五十三篇 天保九戌~十一子年刊?
p47 名木小會酉四月十二開 題 鳥一羽濡手出毛利朝櫻 一字言込 催主
櫻木連 竹賀 川升評 百五十三編
p55 153編17丁最終句「蝸牛 何所て死でも我家也 綠リ」とあり
『江戸川柳辞典』(浜田義一郎編 東京堂出版 1977)
p92 蝸牛 かたつむり
「かたつむりどこで死でも我家なり 一五三17」「鑑賞」あり(この辞典の典拠は上記『誹風柳多留全集 12』)
- 回答プロセス
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インターネット上では「小林一茶の句といわれる」と紹介する個人サイト多数あり。小林一茶に関する資料とデータベースにあたるが、該当句は見つからず。
《Google books》(http://books.google.co.jp/ Google 2014/05/17最終確認)で「かたつむり どこで死んでも」を引いて出てきた雑誌記事に「古川柳」として紹介されていたため、川柳関係の資料にあたった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911)
- 参考資料
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- 加太こうじ「私の日本学(連載第7回)江戸の笑い 川柳」(『思想の科学 1986.1 No.71』p107-115)
- 『誹風柳多留全集 12』(岡田甫校訂 三省堂 1978)
- 『江戸川柳辞典』(浜田義一郎編 東京堂出版 1977)
- キーワード
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- 川柳
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000148678