レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/07/16
- 登録日時
- 2012/08/23 02:01
- 更新日時
- 2012/10/10 13:09
- 管理番号
- 6000008602
- 質問
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解決
京都の町屋(町家)は「鰻の寝床」と呼ばれる細長い形をしている。これは税金と関係があると聞いたが、そのことについてわかる資料はあるか。
- 回答
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『京町家』(光村推古書院)に、京都の町家の間口が狭く奥行が長くなった理由についての記載があり。
- 回答プロセス
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52(建築)の書架を探す。
『京町家』(光村推古書院)p4-6に「京町家について」の項があり。これによると、京都の町屋は宅地の間口が狭く奥行が長いことから「うなぎの寝床」と呼ばれるようになったとのこと。近世の京都では町会所の維持費や幕府からの賦課金などを間口の大きさによって分担していたことと、都市に住む庶民は原則として商人や職人であり、通りに面した家に住みたいという希望が強かったことの2点から、間口が狭く奥行が長い宅地が一般化したとあり。なお絵画資料に見られる近世初期までの町家は間口2~3間、奥行4間程度のものと推定されるとの記載もあり。
また、間口の広さについてはふれられていないが、『京の町家案内 暮らしと意匠の美』(淡交社)p119には「京町家の変遷」の章があり、平安時代から江戸時代中期にかけて、現在見られる町家のかたちが完成していった様子をたどることができる。
このほか、大阪の例ではあるが、『まちに住まう 大阪都市住宅史』(平凡社)p193-195「町中式目と勘定仕法」の項に、町人が負担すべきものの賦課方法を定めた勘定仕法に、負担はけんわり(間割、間口の広さを基準とする)やみねやく(棟役、屋敷地の台帳である水帳を基準とする)で定められていたが、費目や金額が増えるにつれ平等な負担方法である間割が広まっていったとの記載があり。またp201「町の会計」の項には、費用負担の割振り方として、役割(前述の棟役に相当)・顔割(町人の人数で割りつけ)・坪割(屋敷地の坪数で割りつけ)・間口割(前述の間割に相当)の4種類があったとの記載があり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521 9版)
- 参考資料
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- 『京町家』神崎 順一/写真(光村推古書院)
- 『京の町家案内』淡交社編集局/編(淡交社)
- 『まちに住まう』大阪市都市住宅史編集委員会/編(平凡社)
- キーワード
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- 京都
- 町家
- 建築
- 民家
- 住宅
- 歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000110355