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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000108515
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2012-083
事例作成日
(Creation date)
2012年05月02日登録日時
(Registration date)
2012年07月12日 16時28分更新日時
(Last update)
2012年10月02日 15時49分
質問
(Question)
十二支にあてられた動物の中で龍(辰)だけが空想上の生き物であるのはなぜか知りたい。
インターネット上では諸説あるようである。
詳しい解説は必要ないが、紙媒体の資料で考察されているものを探してほしい。
回答
(Answer)
暦(運命判断)、暦(天文学)、龍(民俗)、十二支に関する資料や児童書を調査し関連する記述のあるものとして次の資料を紹介した。
暦・天文学関係
『日本暦学史』(佐藤政次著 駿河台出版 1968)
p637「辰に龍をあてたのは、夏の夕方南方に見える星象(さそり星座)を想像の動物である龍にし、天の龍としたからである。龍は春分に天に登り、秋分に淵に潜むといわれているが、このようにさそり星座は秋分に没して春分には高く天に出てくるのである。」との記述あり。
『暦と占いの科学』(永田久著 新潮社 1982)
p178「辰というのは中国で、大火・アンターレスを指す言葉であるが、この星は蠍座にあり、この蠍のかたちを天にいる竜と考えて配当したと思われる。このアンターレス星は、殷の時代には、五月を定める尺度となるもっとも重要な星だったため、それが天にいる竜の心臓を示すと考えられたのである。」との記述あり。
民俗学関係
『十二支動物の話 子丑寅卯辰巳篇』(井本英一著 法政大学出版局 1999)
p231-235「十二支の動物のうち、竜だけは想像上の動物であるが、東西で伝えられた竜の間には似た点がすこぶる多い。それはおそらく竜というものが何かをもとにしてつくり上げられたからである。」以下世界各地の考えられる事例を紹介。
『干支ってなぁーに?』(鶴見憲明著 チクマ秀版社 2000)
p32「十二支獣は人間生活に身近な動物たちを選んでいるのですが、一つだけ空想上の最強の動物である龍を入れたことについて、ある説では、中国人の龍に対する尊敬からであり、さらに十二支獣全部が実在する動物では、夢もゆとりもないので、生活の中に遊び心をいれた(略)。別な説として、古代の青銅器の文様に龍が使われていて、魔除けの代表選手であり、方位四神の東の神に青竜が使われているように、中国にとっての最高の動物であり、人々の魔を取り除いてくれる力強い動物だからだ、という説もあり。」
『十二支の動物たち』(五十嵐謙吉著 八坂書房 1998)
p28「ではなぜ、いつ、これらの動物がそれぞれの十二支と結びつくようになったかとなると、わかりません。(中略)また十二支の動物は、各宮のほとんどを動物名で表す西方天文学の黄道十二宮と関係があるとも言われて」
『十二支攷 3 辰・巳』(前尾繁三郎著 前尾繁三郎先生遺稿集出版刊行会  2000)
p44「なぜ辰に竜が配当されるようになったかについては、竜が想像上の動物であるだけにこれを的確に説明した書物は見当たらない。」
『十二支の民俗誌』(佐藤健一郎[ほか]著 八坂書房 2000)
p12「ただ、これらの一二獣が何故十二支に配されたのか、さまざまにいわれているが、その正確な理由はわからないというのが正解のようである。」
『中国の十二支動物誌』(鄭高詠著 白帝社 2005) 
p157〈「龍」と十二支〉 「十二支の中でも「辰」の字が持つ意味は最も多いが、この字の原義と龍の関係については、学会でもいまだ統一見解が出されていない。ただ世間一般では、辰の刻(午前7時~9時)にはよく霧が出るため、雲に乗り、霧を御すると言い伝えられる龍と組み合わされたのである、というのが定説になっている。」
神話
『動物信仰事典』(芦田正次郎著 北辰堂 1999)(日本での十二支についての記述)
p31-33〈十二支〉の項に、(十二支が陰陽五行の名で呼ばれる例がほとんどなく、十二種の動物の性格までそれぞれの文字に付託されてしまったことについて)p33「これは十二支に配当された動物が、日本人にとっても極めて身近なもので、ただ一つの架空の動物である龍も、龍巻などの天象から、その存在性を容認されていたためであろう。」とあり。
占い
『宇宙動物園 干支のルーツを探る』(中村清兄著 法政大学出版局 1983)
p296-310「十二命獣」項中で、十二支が十二の獣に配当された理由について、これまで言われている2説をあげた上で、インドの「大方等大集経」によるのではないかという説を紹介している。
これまで言われている2説に関して
p297「辰はその本義から竜だとか」p298(月建と二十四節気を背景とした説)「辰月は清明から立夏まで、草木の双葉が勢いよく生長し、目も鮮やかな若葉に育つ時を言い、このありさまを、架空の動物タツ(竜)が天に昇っていく姿にたとえます。」
インドの「大方等大集経」の経文 辰(竜)の部分に関して
p301「中に一竜あり声聞の慈を修す。山に水神あり名づけて水天と曰ひ、羅刹女あり名づけて修慙愧と名づく。」
インドの「大方等大集経」と中国の十二支との関連について
p302「これを見ますと、これらの十二種の動物は東西南北の海中にあるそれぞれの島山に所属しています。一方中国の十二支の方向を東西南北の四方に大別しますと、(中略)虎と獅子のちがいをのぞけば、全くインドと同じことになります。(後略)」
中国史
『中国学芸大事典』(近藤春雄著 大修館書店 1980)
p311〈十干十二支〉の項。個別の動物の起源については記述なし。参考文献のひとつに「干支紀年・十二支獣の起源 新城新蔵(こよみと天文)」とあり
p814-815〈龍〉(りゅう)の項。十二支になぜ配置されたのかという記述はなし。龍についての次のような記述あり。
p815「(前略)龍が中国人の意識にのぼりはじめたのは古いことで、それは恐るべき龍巻の現象に由来するといわれ、その原形は蛇とも鰐ともいわれるが、龍が後世見られるような形態をそなえるようになったのは、また古いことで(後略)」
中国思想
『中国神秘数字』(葉舒憲、田大憲著 青土社 1999)
p340-347「十二生肖と十二神獣」の節あり。
〈十二生肖〉とは十二属相ともいい、動物の名称を十二支に配して文化的機能を表わす時間の尺度であるという解説あり。十二生肖(十二属相)の起源について考察した記述あり。十二生肖が初めて現れる中国の古典の引用、インドやバビロニアの文化と関連づける記述などあるが、架空の動物〈龍〉がなぜ十二支(十二生肖)に入っているのかについては明記されておらず。
龍がワニであった(実在した)という説
『ワニと龍 恐竜になれなかった動物の話』(青木良輔著 平凡社 2001)
児童書
『十二支動物のヒミツ』(フォト絵本)(大高成元、川口幸男著 小学館 2006)
p30「中国ではリュウは王さまの生まれかわりとして、とてもあがめられてたんだ。だから特別に十二支動物の一つになった。」
回答プロセス
(Answering process)
その他調査済み資料は以下のとおり。
『火曜日には火の用心』(板倉聖宣著 国土社 1982)
『冬の祭り』(芳賀日出男著 水沢研画 小峰書店 1987)
『暦と易と文字の話』(楠孝雄著 古代中国文明仰楠塾 1992)
『こよみ事典』(川口謙二〔ほか〕著 東京美術 1977)
『暦のすべて』(渡邊敏夫著 雄山閣 1980)
『暦』(広瀬秀雄編 雄山閣 1980)
『暦』(能田忠亮著 至文堂 1976)
『古代の時刻制度 日本・中国・朝鮮』(斉藤国治著 雄山閣出版 1995)
『中国の天文暦法』(薮内清著 平凡社 1969)
『暦ものがたり』(岡田芳朗著 角川書店 1982)〈竜〉と〈鯰絵暦〉との関連についての記述はあり。
『中国の天文暦法』(藪内清著 平凡社 1990)
『暦と天文の古代中世史』(湯浅吉美著 吉川弘文館 2009)
『アジアの暦』(岡田芳朗著 大修館書店 2002)
『十二支の動物たち』(日高敏隆文 共同通信社 1983)
『宮地伝三郎動物記 1 十二支動物誌』(筑摩書房 1972)
『語源十二支物語』(山中襄太著 大修館書店 1974)
『暦の百科事典 2000年版』(暦の会編 本の友社 1999)
『暦と時の事典』(内田正男著 雄山閣 1986)
『現代こよみ読み解き事典』(岡田芳朗、阿久根末忠編著 柏書房 1993)
『庚申信仰』(窪徳忠著 山川出版社 1971)
『龍と蛇(ナーガ)』(那谷敏郎著、大村次郷集英社 2000)
『龍の文明史』(安田喜憲、荒川紘著 八坂書房 2006)
『十二支の民俗伝承』(石上七鞘著 おうふう 2003)
『竜 神秘と伝説の全容』(笹間良彦著 刀剣春秋新聞社 1975)
『中国神話・伝説大事典』(袁珂著 鈴木博訳 大修館書店 1999)p695〈龍(りょう)〉の項あり。ただし、十二支の記述はなし。 〈十二支〉の項はなし。
『世界動物神話』(篠田知和基著 八坂書房 2008)
『干支物語』(現代教養文庫)(竹内照夫著 社会思想社 1971)p34-「十二支の意味づけ」中に〈辰〉の項あり。p36「辰(しん) この字の古形は図のホのとおりで广や厂はしんの音を表わし、他の部分は龍の星座(さそり)の形をさしている。すなわち辰字はその本義において龍(たつ)なのである。」
『占いと中国古代の社会』(工藤元男著 東方書店 2011)
『方位読み解き事典』(山田安彦編 柏書房 2001)
『十二支で語る日本の歴史新考』(東平介著 明石書店 1998)
『中国歴史文化事典』(孟慶遠〔ほか〕編著 新潮社 1998)
『中国思想文化事典』(溝口雄三[ほか]編 東京大学出版会 2001)
事前調査事項
(Preliminary research)
調査済み資料
「日本大百科事典」 「国史大辞典」 「十二支の動物たち」石島芳郎 「十二支考」南方熊楠 「十二支のはなし」大場磐雄 「十二支物語」諸橋轍次「龍の百科」池上正治 「世界の怪物・神獣事典」 「中国魔物図鑑(上・下)」 「もっと知りたい!十二支のひみつ」 「どうして十二支にネコ年はないの?」「歴史読本 1973年12月臨時増刊万有こよみ百科」(干支十二支の起源と伝承 竹内照夫)

干支十二支の起源については「十二支のはなし」大場磐雄p2-3になどに解説あり。
「十二支は本来天空のまわりを12等分し、十二の方位を定めたことから起こった。
十二支は漢の頃になると鼠を始め牛や虎・兎・竜などの十二獣がこれに擬せられるようになった。おそらくこれは天空にまたたく星座の配置から連想したものであろうといわれる。」として「干支十二支の起源と伝承 (竹内照夫)」の記述を紹介している。)
「干支十二支の起源と伝承」(歴史読本1973年12月臨時増刊万有こよみ百科所収)に十二支の意味づけについて解説あり。
十干に陰陽五行説から来た意味を与え、十二支に12種の動物を配当し干支相まって吉凶禍福を示すことにしたが、なぜ12動物が配当されるかについては、十二支は元来天空の方位記号であるから、古代の諸民族が同じように示した夜空の諸星座の形に対する諸種の動物の連想と結合しやすかったと記述がある。
NDC
相法.易占  (148 9版)
伝説.民話[昔話]  (388 9版)
時法.暦学  (449 9版)
参考資料
(Reference materials)
『十二支動物のヒミツ』(フォト絵本)(大高成元、川口幸男著 小学館 2006)
『日本暦学史』(佐藤政次著 駿河台出版 1968)
『暦と占いの科学』(永田久著 新潮社 1982)
『十二支動物の話 子丑寅卯辰巳篇』(井本英一著 法政大学出版局 1999)
『干支ってなぁーに?』(鶴見憲明著 チクマ秀版社 2000)
『十二支の動物たち』(五十嵐謙吉著 八坂書房 1998)
『十二支攷 3 辰・巳』(前尾繁三郎著 前尾繁三郎先生遺稿集出版刊行会  2000)
『十二支の民俗誌』(佐藤健一郎[ほか]著 八坂書房 2000)
『中国の十二支動物誌』(鄭高詠著 白帝社 2005) 
『動物信仰事典』(芦田正次郎著 北辰堂 1999)
『宇宙動物園 干支のルーツを探る』(中村清兄著 法政大学出版局 1983)
『中国学芸大事典』(近藤春雄著 大修館書店 1980)
『中国神秘数字』(葉舒憲、田大憲著 青土社 1999)
『ワニと龍 恐竜になれなかった動物の話』(青木良輔著 平凡社 2001)
キーワード
(Keywords)
十二支
干支
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000108515解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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