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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000106878
提供館
(Library)
山梨県立図書館 (2110005)管理番号
(Control number)
9000007984
事例作成日
(Creation date)
2012年02月22日登録日時
(Registration date)
2012年06月05日 12時00分更新日時
(Last update)
2012年06月05日 12時01分
質問
(Question)
日本の漢字廃止論に関する資料を紹介してほしい。特にローマ字化について、ローマ字に変更したいとした理由やメリットがわかるもの。
回答
(Answer)
『文字・文・ことばの近代化』(菅野則子著 同成社 2011年)p34-77の第2章「維新期における文字事情:日本近代化にむけて」に詳述されている。その他の資料については、照会資料をご確認下さい。
回答プロセス
(Answering process)
1.漢字の事典を調査
*『漢字百科大事典』(佐藤 喜代治ほか編集 明治書院 1996年)[資料番号0103015111]→p149-150「漢字廃止論」の項。慶応2(1866)年前島密が徳川慶喜公に「漢字御廃止之儀」を提出。国民普及のためになるべく簡易な文字を用いるべきで、そのため漢字を廃止して西洋諸国のような表音文字の五十音符を用いるとした。前島はさらに明治2(1869)年に「国文教育之儀に付き建議」を、のち「興国文字廃止漢字の説」などを公にし、「まいにち ひらがな しんぶんし」でも活躍。前島の漢字廃止の対案は、最終的には平仮名専用であったと思われる。その他清水卯三郎は「平仮名ノ説」(「明六雑誌」)、化学翻訳『ものわりのはしご』、大正時代にできた仮名文字協会(のちのカナモジカイ)が大正11(1922)年に機関誌「カナノヒカリ」創刊。南部義籌(よしかず)が、「脩国語論」の建白、西周が「洋字ヲ以テ国語ヲ書スルノ論」を発表などについて記述があるが、理由などの記述はない。

2.その他、ブラウジングにより一次資料を調査
*『文字・文・ことばの近代化』(菅野則子著 同成社 2011年)[0105620199]→p34-77第2章「維新期における文字事情:日本近代化にむけて」
・前島密「漢字御廃止之儀」慶応2(1866)年→「国民の智度開進」(教育普及)のため、漢字を廃止し学事を容易にすることが必要。漢字を使用することの欠点は「学童の神脳を苦しめる」「霊知の発達を妨げる」「体質の発育を妨げる」ものである。
・清水卯三郎「平仮名の説」(「明六雑誌」)明治7(1874)年→国民に知識を普及させていくには、平仮名専用の口語体が便利である。
・南部義籌「以羅馬字写国語並盛正則漢字論」(「洋々社談」)明治12(1879)年→現状では我が国の言葉は海外には通じず、この状態では文明国とはいえない。対外関係のことを考えるなら、洋字をもって国語を修めるべきだ。
・西周「洋字をもって国語を書するの論(「明六雑誌」)→洋字導入の利は(1)本邦の語学立つ(2)童蒙に簡易(3)言文一致(4)ローマ字26字で、幼い子どもも呼んだり書いたりできる(5)洋算、簿記も横書き(6)欧米化の進展(7)著述、翻訳に便利(8)印刷に軽便(9)翻訳中に学術用語をそのまま使用可(10)「およそ欧州の万事ことごとく我の有となる」
・森有礼「日本教育策」→日本語は複雑で文明を摂取するにはきわめて不適当である。これを改めるには欧米先進国の英語を用いて、日本語は全廃する。
*『漢字講座』第11巻 漢字と国語問題(佐藤喜代治編 明治書院 1989年)→p1-25「明治以降の国字問題の展開」(古田東朔著)、p301-322「漢字不滅を体験して:敗戦後の国語問題の回想」(中田祝夫著)
*『日本語大博物館:悪魔の文字と闘った人々』(紀田順一郎著 ジャストシステム 1994年)→p81-103「カナに生き、カナに死す:カナ文字運動の理想と現実」、p105-127「ローマ字国字論の目指したもの:田中館愛橘、田丸卓郎と日本のローマ字社」、p129-155「日本語改造法案:人口文字に賭けた人々」、p157-175「漢字廃止論vs.漢字万歳論:国語表記論創の過去と現在」の章。
*『国語国字の根本問題』(渡部晋太郎著 新風書房 1995年)→p176-202「漢字廃止論の系譜」の章。
*『戦後日本漢字史(新潮選書)』(阿辻哲次著 新潮社 2010年)→p148-167「表音派と表意派の対立」の項。終戦直後の国語審議会の様子。
*『日本の漢字1600年の歴史』(沖森卓也著 ベレ出版 2011年)[資料番号0105694350]→p288-301第6章「漢字が大衆化する:一九世紀中頃以降」に「漢字制限が提唱される」の項。漢字廃止論については前島密による「漢字御廃止之儀」建白、「まいにち ひらがな しんぶんし」の創刊について記述。
*『ローマ字国字論』(田丸卓郎著 岩波書店 1980年)、『漢字の運命(岩波新書)』(倉石武四郎著 岩波書店 1979年)→当時出版された資料。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
音声.音韻.文字  (811 9版)
参考資料
(Reference materials)
『文字・文・ことばの近代化』(菅野則子著 同成社 2011年) (p34-77)
『漢字講座』第11巻 漢字と国語問題(佐藤喜代治編 明治書院 1989年) (p1-25)
『日本語大博物館:悪魔の文字と闘った人々』(紀田順一郎著 ジャストシステム 1994年) (p81-103)
国語国字の根本問題』(渡部晋太郎著 新風書房 1995年) (p176-202)
『戦後日本漢字史(新潮選書)』(阿辻哲次著 新潮社 2010年) (p148-167)
『ローマ字国字論』(田丸卓郎著 岩波書店 1980年)
『漢字の運命(岩波新書)』(倉石武四郎著 岩波書店 1979年)
キーワード
(Keywords)
漢字廃止論
漢字
ローマ字化
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
日本語(方言等)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000106878解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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