レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年11月09日
- 登録日時
- 2012/03/12 15:14
- 更新日時
- 2012/06/02 16:12
- 管理番号
- 埼熊-2011-175
- 質問
-
解決
レシート(感熱紙)に印字された文字が、時間の経過や光に当たることによって薄くなったり消えたりした時に、元のように文字を復活させる方法はあるか。
- 回答
-
感熱紙の文字を復元させる方法については、イメージスキャン(デジタル撮影を含む)による方法と、ブラックライトによる方法がある。
この2種の方法について、記載のある資料およびウェブサイトを紹介した。
『資料保存のための代替』(日本図書館協会資料保存委員会編集企画 安江明夫監修 日本図書館協会 2003)
p86に、以下の記述あり。
「(感熱紙資料の)劣化を現時点で食い止める手だてはほぼなく、情報の消失速度も勘案すれば代替保存以外の選択肢がないと言える。」
「記録材料の劣化が相当程度進んだものは、(中略)デジタル撮影をし、色調、明るさ、彩度などを調整すれば、かなりの確率で記録された情報を復原できる。」
《キリヤ化学株式会社》
〈Q&A〉のページに「感熱紙で印刷してある文章を、復活させる方法があれば教えてください。」という項目あり。
「感熱紙で印刷してある文章が消えているのでしょうが、文字以外の部分も黒くなっているときは、復活は不可能です。おそらく熱が加わり、文字以外の部分も反応していて、文字と区別がつかないからです。(中略) 感熱紙に光が当たり、文字が見えなく、全体が白くなっているときは、可能性があります。紫外線を当ててみることです。ブラックライトとよばれる紫外線を当てる器具を用います。(以下略)」
(http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q33.html 2011/11/09最終確認)
- 回答プロセス
-
他に調査した資料は、以下のとおり。
『世界大百科事典 2005年改訂版 6(カヘナ-キス)』(平凡社 2005)
p468〈かんねつきろくし 感熱記録紙〉の項あり。
感熱紙に関する情報はあったが、褪色とその復元方法に関する記述はなし。
『記録史料の保存と修復:文書・書籍を未来に遺す』(「記録史料の保存・修復に関する研究集会」実行委員会編 アグネ技術センター 1995)
p195-196 「感熱記録(紙)」に関する記述があり、発色の仕組みについては記載しているが、復元に関する記述はなし。
『紙と本の保存科学』(園田直子編 岩田書院 2009)
『資料保存ワークショップ記録集:資料はいつまで利用できるのか』(日本図書館協会資料保存委員会編 日本図書館協会 1995)
『資料保存とメディアの変換:マイクロフォーム化を中心に 第4回資料保存シンポジウム講演集 資料保存シンポジウム 4』(国立国会図書館編 日本図書館協会 1994)
『保存環境を整える:厳しい気候、各種災害から資料をいかに守るか 第7回資料保存シンポジウム講演集 資料保存アジア・オセアニア地域国際シンポジウム 資料保存シンポジウム 7』(国立国会図書館編 日本図書館協会 1997)
『紙!未来に遺す:第8回資料保存シンポジウム講演集 資料保存シンポジウム 8』(国立国会図書館編 日本図書館協会 1998)
『IFLA図書館資料の予防的保存対策の原則 シリーズ本を残す 9』(エドワード・P.アドコック編 国立国会図書館訳 日本図書館協会 2003)
『写真資料の保存 シリーズ本を残す 10』(荒井宏子〔ほか〕著 日本図書館協会 2003)
『資料保存の調査と計画』(日本図書館協会資料保存委員会編集企画 安江明夫監修 日本図書館協会 2009)
『図書館のこと、保存のこと 多摩デポブックレット 5』(竹内〔サトル〕著 梅澤幸平著 共同保存図書館・多摩 2011)『防ぐ技術・治す技術:紙資料保存マニュアル』(日本図書館協会 2005)
『国立国会図書館所蔵和図書(1950-1999年刊)の劣化に関する調査研究 図書館調査研究リポート 8』(国立国会図書館関西館図書館協力課編 国立国会図書館関西館図書館協力課 2008)
『紙業年鑑 平成16年版』(紙業新聞社編 紙業新聞社 2004)
『紙パルプ事典』(紙パルプ技術協会編 金原出版 1990)
『オールペーパーガイド 紙の商品事典 上』(紙業タイムス社出版部編 紙業タイムス社 1983)
『オールペーパーガイド 紙の商品事典 下』(紙業タイムス社出版部編 紙業タイムス社 1983)
『図解印刷技術用語辞典』(大日本印刷株式会社編 日刊工業新聞社 1987)
『印刷事典』(日本印刷学会編 印刷朝陽会 2002)
『印刷用語ハンドブック 基本編』(帆風出版プロジェクト編 印刷学会出版部 2006)
『紙とインキとリサイクル』(佐野健二編 間邦彦編 丸善 2000)
『紙とパルプの科学』(山内龍男著 京都大学学術出版会 2006)
『紙のおはなし』(原啓志著 日本規格協会 2002)
『印刷用紙とのつきあい方』(原啓志著 東京 印刷学会出版部 1997)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 情報資源の収集・組織化・保存 (014 9版)
- 参考資料
-
- 『資料保存のための代替』(日本図書館協会資料保存委員会編集企画 安江明夫監修 日本図書館協会 2003)
- キーワード
-
- 感熱紙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000103479