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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000090295
提供館
(Library)
京都市図書館 (2210023)管理番号
(Control number)
右中-郷土-40
事例作成日
(Creation date)
2011/08/04登録日時
(Registration date)
2011年08月23日 02時00分更新日時
(Last update)
2011年09月05日 13時04分
質問
(Question)
なぜ京都市の左京区・右京区は,地図の右側に左京区,左側に右京区があるのか。
回答
(Answer)
左京区・右京区の配置は平安京の造営に関係しています。
平安京では,中国の都市計画の基本であった都城制に従い,宮城となる大内裏(宮城)を北側に置きました。大内裏の南面中央に朱雀門があり,そこから南に向かって朱雀大路が延び,大路の東側を左京,西側を右京と呼びました。そして現在も京都市の区名に残っています。
古代中国では「天子は南面す」,国の君主である天子は南に向かって政治を執るとされていました。
長安をモデルにした平安京でも倣ったと思われ,天皇が大内裏から南を向いて左(東)側を左京,右(西)側を右京としたようです。
回答プロセス
(Answering process)
●京都の地理に関する資料を探す
【資料1】“地図の右側に「左京区」,左側に「右京区」がある不思議”
【資料2】“左京区と右京区-なぜ東に左京区,西に右京区があるのか”
【資料3】“地図で見れば,右に左京区,左に右京区?”
【資料4】“平安京の都市プラン”
平安宮から南をのぞんで,朱雀大路より左(東)は左京,右(西)は右京と呼ばれた。

●左右をキーワードに資料を探す
【資料5】“男雛・女雛の並べ方”
p53 内裏雛の内裏とは皇室の私的な住居をいう。平安京の内裏の中心にある紫宸殿は南に向かって建てられており,天皇は南面して着座する。<中略>左右は,南面する天皇の御座所から見て決まる~
p56 中国では,天子(皇帝)は北の空に不動の姿で輝く北極星にたとえられた。そこで天子は「北に座して南に面す」。この天子南面思想により,都城では天子の宮殿が北端に置かれた。その配置は長安城や洛陽城にみられ,日本の平城京や平安京の都市プランはこれを模倣し,自然「天子南面思想」を受け入れたと思われる。
【資料6】“宗教に見る右左 2.仏と神と右左”
京都市の左京と右京の「みぎひだり」の基準は天皇。天皇は公的な執務や儀礼を大極殿で行うのが建前であり,その時には高御座について南面する。従って右手は西,左手は東になる。

●方位に関する資料を探す
【資料7】“都城”
わが国の都城は,いずれも天皇の居住する内裏は京の北端に位置しており,そこから市街地に向かって右京,左京が設定されている。

●天子南面思想について
【資料8】“南面”
(中国で,天子は南に面して臣下に対面したところから)君主の位につくこと。天子となって国内を治めること。
出典・用例:『易経-説卦』聖人南面而聴天下~ など。
【資料9】“南面” “南面而聴天下”
南は陽,陽に向ふは人君の位。君は南面し,臣は北面する。 天子の位に就いて天下の政を聴く。
出典・用例:『論語-雍也』子曰,雍也可使南面 『論語集注』南面者,人君聴治之位 など。

●上記の出典
【資料10】聖人が南面して天下の政治を聴き,明るい方向に向かって治める。 
【資料11】雍という男は,人の頭に立てる人物だ。 <南面>天子・諸侯以下,卿・大夫などは,公式の場ではいつも南に向き,北に向かった臣下の礼をうけることをいう。南面せしむべしとは,天子をはじめ人の頭に立つことのできる人物だということ。

平安京関連の資料も調査するが,左右配置の理由までは記されておらず。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本  (291 8版)
近畿地方  (216 8版)
社会学  (361 8版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『京都「地理・地名・地図」の謎』(森谷尅久監修 実業之日本社 2010) p10~11 “地図の右側に左京区,左側に右京区がある不思議”
【資料2】『図説歴史で読み解く京都の地理』(正井泰夫監修 青春出版社 2011) p98~101 “左京区と右京区”
【資料3】『京都の不思議』(黒田正子著 光村推古書院 2002)】 p118~120 “地図で見れば,右に左京区,左に右京区?”
【資料4】『京都地図物語』(植村善博編 古今書院 1999) p27
【資料5】『暮らしのなかの左右学』(小沢康甫著  東京堂出版 2009) p52~57
【資料6】『左右/みぎひだり』(國文學編集部編  學燈社 2006) p119
【資料7】『方位読み解き事典』(山田安彦編  柏書房 2001) p190
【資料8】『日本国語大辞典 2 精選版』(小学館 2006) p2004
【資料9】『大漢和辞典 巻2 修訂第2版』(諸橋轍次著  大修館書店 1989) p593
【資料10】『易経 下』(高田真治訳  岩波書店 1979) p291~293
【資料11】『世界の名著 3 孔子・孟子』(中央公論社 1978) p140 “論語”
キーワード
(Keywords)
左京
右京
都城制
天子南面
長安
京都市
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000090295解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決