レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年03月18日
- 登録日時
- 2011/01/28 11:30
- 更新日時
- 2011/03/25 16:10
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2010-048
- 質問
-
解決
司馬遼太郎の著作で、「三河一向一揆史」という作品はありますか?
- 回答
-
司馬遼太郎というペンネームを使用する前の福田定一名義の作品に「正法の旗をかかげて-ものがたり戦国三河門徒」(雑誌『ブディスト・マガジン』(昭和26年6月号~9月号)に連載)があり、これが後に『三河一向一揆史』(法文堂)として出版されたとする記述が『司馬遼太郎の風音』にありますが、『三河一向一揆史』の存在は確認されていないようです。
- 回答プロセス
-
(1)まず当館OPACで「三河一向一揆史」と検索しましたが所蔵はありませんでした。その後国立国会図書館NDL-OPACや総合目録ネットワーク、WebcatPlusなどでも検索してみましたが見つかりませんでした。そこでGoogleブックスの書籍の検索で「三河一向一揆史 司馬遼太郎」と検索すると、『司馬遼太郎の風音』や『司馬遼太郎事典』に「三河一向一揆史」に関する記述があることがわかりました。
(2)『司馬遼太郎の風音』を確認してみると、雑誌『ブディスト・マガジン』に連載した「正法の旗をかかげて―ものがたり戦国三河門徒」の“完結後、『三河一向一揆史』(法文堂)を処女出版しているが、絶版なので、入手できず、読めないのが残念だ。”とあるほか、『ユーモア作家クラブ 会員名鑑 ユーモア手帳5・特殊』に司馬遼太郎による入会のための自己紹介の一文があり、その中に“『三河一向一揆史』『加賀一揆始末』(いずれも法文堂)をアラワス”と書かれていることが紹介されていました。また、『司馬遼太郎事典』では「正法の旗をかかげて-ものがたり戦国三河門徒」について“単行本全集収録なし”とされており、さらに『三河一向一揆史』・『加賀一揆始末』について“二作の存在については司馬遼太郎記念館でも確認されていない”とありました。
(3)なお、『司馬遼太郎書誌研究文献目録』の著作目録に“「三河一向一揆顛末」〔初出〕出版社・出版年ともに不詳”とありましたが、「正法の旗をかかげて―ものがたり戦国三河門徒」や『三河一向一揆史』との関係については言及されていませんでした。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本文学 (910 9版)
- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
-
- 『司馬遼太郎の風音』 磯貝勝太郎/著 日本放送出版協会 2001年 p.102,109-110,117-118
- 『司馬遼太郎書誌研究文献目録』 松本勝久/著 勉誠出版 2004年 p.96,172
- 『司馬遼太郎事典』 志村有弘/編 勉誠出版 2007年 p.100
- キーワード
-
- 司馬遼太郎
- 福田定一
- 三河一向一揆史
- 正法の旗をかかげて
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000077290