レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/07/13
- 登録日時
- 2010/12/15 02:00
- 更新日時
- 2010/12/28 11:43
- 管理番号
- 埼熊-2010-049
- 質問
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解決
盤双六(バックギャモン)について次のことを知りたい。
1 盤双六の遊び方について説明した図書・論文などがあれば見たい。
2 盤双六の駒の配置が描かれた国内の絵画・工芸作品をできるだけ多く見たい。
(寺院にある傷んだ絵画(盤双六の絵があるが駒が一部しかわからない)を修復するのに参考にしたい)
- 回答
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次の資料を紹介する。
1について(2の絵画・工芸作品を含むものもあり)
①『世界大百科事典 15』(平凡社 2005)
p19〈すごろく〉 の項に「遊戯法」あり。盤双六の遊び方解説が17行あり。「江戸末期の『雙六独稽古』に詳しい」との記述あり。
②『日本教育文庫 [12] 衛生及遊戯篇』(黒川真道編 日本図書センター 1977)
p660-671「雙六独稽古」
文化八年大原菊雄著。初心の者に、雙六の使用方法を説明したもの。(解説p6および叙p660-662による)
p672-689「雙六錦嚢抄」
同人の書。既に雙六を使っている人の爲めに、更に其の方略を示したもの。(解説p6による)
両者ともに、盤面図あり(1手めと思われる)。駒の配置が質問の絵画と似ている。
③『日本遊戯史』(酒井欣著 拓石堂出版 1977)
p149-165「第四章 雙六」(第一編 上古史(奈良時代))
双六の歴史・さし方(p152)について古典の記述を引用しながら解説。双六版の図2点あり。
④『日本の遊戯』(小高吉三郎著 拓石堂出版 1976)
p310-325「すごろく」の項あり 双六の歴史・さし方(p152)について古典の記述を引用しながら解説。「石立の図」あり。『日本遊戯史』の絵と微妙に異なる。
⑤『双六遊美』(山本正勝著 芸艸堂 1988)
p21-28「盤双六」の項
p24「「温(ぬく)夜着(よぎ)」上巻に描かれた盤双六遊び」(絵図)、p25「琴碁書画」(絵画)が掲載されている。
遊び方の説明としては、「盤双六で現在その遊戯法が正確に伝承されているものに、(中略)本双六がある」とし、p26-28に、本双六の遊び方について詳細な解説、盤面の解説図あり。(『日本の美術 32 遊戯具』の抜粋)
⑥『盤上遊戯』(増川宏一著 法政大学出版局 1978)
p182-191「雙六」の項
写真は、p182「木画紫檀雙六局(正倉院蔵)」が掲載されている。画質が悪く、盤面の一部が隠れている。
歴史の記述、遊び方、ルールについて記述がある。遊び方については、「『雙陸独稽古・当流妙手錦嚢抄』による」とあり。
2について
⑦『国史大辞典 8』(吉川弘文館 1987)
p88〈すごろく〉の項に小さい図版9点あり。
⑧『江戸の遊戯風俗図誌』(小野武雄編著 展望社 1983)
p37-58「双六の遊び」(2章 遊戯と賭博)の項あり。
遊び方、歴史について記載されている。双六の図版数点掲載されているが不鮮明。
⑨『双六 伝統的な日本の遊び』(小西四郎〔ほか〕著 徳間書店 1974)
p67-79「盤すごろくの歴史」(村岸義雄)
歴史の記述が中心。p67に「盤すごろくの名称(新撰雙陸独稽古より)」の図、「盤すごろくの盤面(新撰・雙陸独稽古より)」の図が掲載されている。
⑩『双六』(吉田修文 文渓堂 2004)
p30-「『すごろく』の日本史」の項に、写真「江戸時代の双六盤」(所蔵先、名前不明)が掲載されている。駒の並べ方については片側によせてあるだけで正しいかどうかは不明。
⑪『正倉院宝物にみる楽舞・遊戯具』(松本包夫責任編集 紫紅社 1991)
p138-140写真「木画紫檀双六局」(カラー)あり。大きな写真が掲載。駒の配置なし。
(インターネット情報)
《Google》を〈盤双六〉で検索した結果から次の情報を紹介する。
(いずれも最終確認日は 2010/08/10)
《Wikipedia》(盤双六) 双六のページにあり。
参考資料として上田竹翁の『新撰雙陸独稽古』明治三十年、青木嵩山堂を紹介している。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%99%E3%81%94%E3%82%8D%E3%81%8F#.E7.9B.A4.E5.8F.8C.E5.85.AD)
《近代デジタルライブラリー》に『新撰雙陸独稽古』あり。本文が見られる。全31頁。
(http://kindai.ndl.go.jp/BIBibDetail.php)
盤双六の遊び方
中段に「日本の古式双六」の項あり。最初の石の置き方の図あり。(http://www.ffortune.net/play/bgame/sugoroku/ban3.htm)
盤双六
盤双六の遊び方あり(本双六、折り葉、柳、追い回し)
盤双六の写真と盤双六に興じる「国宝彦根屏風」画像あり。
(http://www.asahi-net.or.jp/~rp9h-tkhs/dg_bansugo.htm)
家蔵の往来物
盤双六に興じる画像あり:双六をする女性達(「女筆初音の道」)
(http://www.bekkoame.ne.jp/ha/a_r/indexC.htm)
東京国立博物館 平常展
若衆双六遊び図(部分)
(http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B06&processId=00&event_id=4406)
江戸時代の双六
盤双六の実物写真あり。個人宅にあったもの。駒の配置が正しいかどうかは不明。
(http://blogs.yahoo.co.jp/pattiwakuyuuyuu/8661813.html)
貴族や女房たちの「遊び」双六
「明さん」の解説。
(http://evagenji.hp.infoseek.co.jp/co-2002-2-6.htm)
平安時代の双六(いつきのみや歴史体験館での展示写真)
片側にすべて寄っているのは柳(積み返し)の遊び方かと思われる。(http://evagenji.hp.infoseek.co.jp/co-matuya5.htm)
- 回答プロセス
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百科事典、歴史事典の〈すごろく〉の項を確認し、その参考文献等を調査する。
双六に関する図書資料を調査する。
インターネットで関連する情報を調査する。
- 事前調査事項
- NDC
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- その他の室内娯楽 (798 9版)
- 参考資料
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- 『世界大百科事典 15』(平凡社 2005)
- 『日本教育文庫 [12] 衛生及遊戯篇』(黒川真道編 日本図書センター 1977)
- 『日本遊戯史』(酒井欣著 拓石堂出版 1977)
- 『日本の遊戯』(小高吉三郎著 拓石堂出版 1976)
- 『双六遊美』(山本正勝著 芸艸堂 1988)
- 『盤上遊戯』(増川宏一著 東京 法政大学出版局 1978)
- 『国史大辞典 8』(吉川弘文館 1987)
- 『江戸の遊戯風俗図誌』(小野武雄編著 展望社 1983)
- 『双六 伝統的な日本の遊び』(小西四郎〔ほか〕著 徳間書店 1974)
- 『双六』(吉田修文 文渓堂 2004)
- 『正倉院宝物にみる楽舞・遊戯具』(松本包夫責任編集 紫紅社 1991)
- キーワード
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- すごろく
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000075232