レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年08月06日
- 登録日時
- 2010/09/02 17:58
- 更新日時
- 2012/05/29 18:17
- 管理番号
- 新ー100004
- 質問
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解決
2010年7月16日の読売新聞夕刊に、「べっぴん」という言葉の語源がうなぎやの看板だったという記事が出ていたが、その根拠とされる明治の雑誌『風俗画報』の記事を見たい。
- 回答
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『風俗画報』72号(明治27年5月10日)1p「雑説 流行言説二」芝山道人著 に記載あり。
- 回答プロセス
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1 元となった『読売新聞』7月16日夕刊3面の記事を確認。「語源ハンター」わぐりたかし著 記事タイトル「べっぴん」。
2 国立国会図書館『雑誌記事索引』で検索、ヒットなし。
3 『Web OYA-bunko』(雑誌記事索引)で検索、ヒットなし。
4 インターネット 『Google』で”うなぎ”、”べっぴん”、”風俗画報”をキーワードとして検索すると、東海道吉田宿本陣跡のうなぎやのHPに「明治二十七年発行の風俗画報第七十二号によると」という記事の紹介あり。
5 当館所蔵の『風俗画報[複製版]』<Z380.5/19/3>で現物を見たところ、『風俗画報』72号(明治27年(1894)5月10日)1p「雑説 流行言説二」芝山道人著 に記載あり。
6 「べっぴん」の語源が本当にうなぎやの看板なのかどうか、語源辞典や国語辞典を何冊かあたるが、確認できなかった。
7 『日本国語大辞典 第二版』(小学館) <813.1/16A/常置>に「べっぴん」(特別にすぐれた品、または人)。という語の用例がいくつかあった。
①『咄本・諺臍の宿替』(19C中)10「すこぶる別品(ベッピン)の当世旦那」
②『新聞雑誌』五号・明治四年(1871年)六月「我邦の楮紙は漆器と同じく世界の別品なる由」
③歌舞伎・富士額男女繁山(女書生)(1877)三幕「宇治から参った別品を、どうか一煎頂戴したい」
『国書総目録 補訂版』(岩波書店)<K02/5A/3/常置>によると①の『咄本・諺臍の宿替』は天保頃の刊行とある。
以上により、「べっぴん」の用例は、江戸時代に全くなかったとはいえないということがわかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812 9版)
- 参考資料
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- 『風俗画報[複製版]』 元版東陽堂発行 明治文献版 第72号<Z380.5/19/3>
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『日本国語大辞典』 第2版 小学館発行<813.1/16A/常置>
- 『国書総目録 補訂版』第3巻 岩波書店発行<K02/5A/3/常置>
- キーワード
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- べっぴん
- 風俗画報
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000070703