レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/01/18
- 登録日時
- 2010/04/06 02:00
- 更新日時
- 2011/01/17 16:59
- 管理番号
- 長野市立長野-09-015
- 質問
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解決
長野で使われている「舌」を意味する方言「へら」について、由来を知りたい。
また、地元で方言を研究している人を教えてほしい。
- 回答
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参考資料を提示した。
内容は回答プロセスの通り。
舌の形が平べったいもの、ヘラのような形に似ているからという内容が多く挙げられる。
信州の方言研究の第一人者、馬瀬良雄(ませ よしお)さんを紹介する。
馬瀬良雄さん 1927年(昭和2年) 長野県生まれ 現在、信州大学名誉教授。
連絡先はわからなかったが、2010年3月に馬瀬さんが編集代表の「長野県方言辞典」が信濃毎日新聞社から刊行されるので、信州大学、または信濃毎日新聞社にお問い合わせしていただければわかるかもしれないと回答をした。
- 回答プロセス
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『信州方言辞典』p186にへら、べらの項目あり。
『木曽の方言』p83にシタビラの項目あり。
「ヘラ、シタビラ、シタベラ、ベロ
シタは舌。ビラ・ベラ・ベロは擬態語。つまり、ビラビラ、ベラベラ、ベロベロしたさま。それで舌そのものを意味したと考えられる。シタビラ・シタベラはご念の入った重複をやっている。右の考え方からすると、竹箆なども竹で作ったヘラヘラしたものになるはず。」とある。
『信州上田附近方言集』p115にヘラ、ベラ、ベロの項目あり。
「ヘラ(名) 舌。箆の形に似てゐるからいつた。「ヘラキル」饒舌する」とある。
『諏訪の方言』p367にへら、べろの項目あり。
「へら 舌をいう、箆に似たり。」とある。
『下水内の方言』 p154にシタベラの項目あり。
「舌をヘラというのは全県的。ヘラの語源は、「竹べら・金べら」などにみられる「箆」である。細長く平らなものがヘラ(平(ヒラ))である。舌もまた細長く平らなもの。シタベラは、舌と箆の混成語。
『方言ものしり事典 北から南』p224にへらの項目あり。
「へら 舌。(新潟・長野・群馬県吾妻郡・岐阜県恵那郡・石川県江沼郡)おしゃべり。(岩手県東磐井郡) ひらべったいもの、ヘラのようなものだから、舌のことを「へら」といい、転じて、その舌が活躍するオシャベリをも「へら」というようになった。誰とでもヘラヘラしていると、「アイツはほんとにヘラだ」といわれる。」とある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 方言.訛語 (818)
- 参考資料
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- 『信州方言辞典』足立 惣蔵/著 遠兵パブリコ 1978 <N880ア>
- 『木曽の方言』矢島 満美/著,福沢 武一/補注 国書刊行会 1975 <N883ヤ>
- 『信州上田附近方言集』 上田中学校国語漢文科/編,長野県立上田中学校/編 新井大正堂書店 1975 <N882シ>
- 『諏訪の方言』岩波 泰明/著 岡谷日日新聞社 1978 <N884イ>
- 『下水内の方言』 飯水教育会/著,青木 千代吉/著 飯水教育会 1976 <N881イ>
- 『方言ものしり事典 北から南』方言資料研究会/編 啓明書房 1994.09 <818ホ> (南部図書館所蔵)
- キーワード
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- 長野県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000065771