レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/05/13
- 登録日時
- 2010/03/09 02:10
- 更新日時
- 2010/03/09 02:10
- 管理番号
- 千県西-2009-0002
- 質問
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解決
大正時代の京都にあったボルガ団とはどのような団体なのか知りたい。
- 回答
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労働団体である友愛会の京都支部が作った団員の育成組織と思われる。
- 回答プロセス
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まず利用者から情報のあった『京都の歴史 第8巻』を調べると以下のような記述があった。
「労学会はいまひとつ成功しなかったが、後述のように大正八年初頭よりの友愛会京都支部の発展は、高山連合会長らをして労働者の先進分子の意識の向上と労働者幹部の養成を目的に「ボルガ団」を結成した。東忠続団長のもとに二十歳前後の若者三十余名の団員で、うち八名は岡崎御所内町合宿して共同生活を送っていた。(中略)壁にはトロツキーの写真がかかり、穏やかならざる落書が書かれるなど、労働者幹部の養成というよりは心情的革命青年の梁山泊といった印象であった。」
その他労働組合や社会運動関係の資料も調べてみたが、記述があったのは以下の二点の資料で、それぞれ『日本労働組合物語 大正』p138の「同志社大学出身の東忠続を団長格に、意識のたかいインテリ指導者によってボルガ団なる組織が作られ、友愛会の中で活動していた。」といった記述や『近代日本社会運動史人物大事典1』p85で「東忠続」の項にボルガ団について「京都における青年、学生社会主義者育成の目的で組織された~」という記述があった。
『友愛会・総同盟運動史 源流をたずねて』も見たが、こちらにはボルガ団についての説明は見あたらず。
以上のことから、労働団体である友愛会の京都支部が作った団員の育成組織と思われる。
- 事前調査事項
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『京都の歴史第8巻・古都の近代』(学芸書林)362pに「労学会・ボルガ団」という項があるようだ。
- NDC
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- 労働経済.労働問題 (366 9版)
- 参考資料
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- 『京都の歴史8 古都の近代』(京都市史編さん所/編 1980) p85 県立中央図書館所蔵<29162/ky6/8>
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『日本労働組合物語 大正』(大河内一男・松尾洋/著 筑摩書房 1965)県立中央図書館所蔵<3666/O53/2> -
『近代日本社会運動史人物大事典 1 あ~お』(近代日本社会運動史人物大事典編集委員会/編 日外アソシエーツ 1997)県立西部図書館所蔵<3090/158/1> -
『友愛会・総同盟運動史 源流をたずねて』(天池清次著 民社党教宣局 1990)
- キーワード
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- ボルガ団
- 京都府
- 東忠続
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000064484