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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000051921
提供館
(Library)
神奈川大学図書館 (3310064)管理番号
(Control number)
08-025
事例作成日
(Creation date)
登録日時
(Registration date)
2009年02月26日 17時06分更新日時
(Last update)
2014年10月12日 16時26分
質問
(Question)
古書の虫干しの仕方を知りたい&燻蒸の実際
回答
(Answer)
虫干しに適した条件は以下の通り。
・時期…9月から11月中旬。
・天気…晴天の日
・湿度…55%前後
・時間…午前10時ごろから午後3時ごろまで

なお、害虫退治のスタンダードな方法としては、なんといっても燻蒸であろう。
本学図書館では2009年3月2日から貴重書庫内にて燻蒸を実施するため、燻蒸の
種類や方法に関する資料も合わせて列挙する。

また、十数年ぶりの燻蒸作業となるため、準備の様子を一部、記録として公開する。
回答プロセス
(Answering process)
■NDL資料収集・保存:資料の保存 > マニュアル・パンフレット・翻訳資料 > カビが発生した資料をクリーニングする
  http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/preservation/manual_mold.html
 「ここで紹介している方法は、数十冊程度の一般的な資料にカビが発生した場合の対応を当館での事例に基づきご紹介するものです。
  貴重な資料や劣化が著しい資料に対する方法ではありません。」
 との解説がなされている。
 カビ発見時の初動としては簡潔明快な解説で役に立つ。

■橋口侯之介著『和本入門』平凡社 238頁以下から抜粋
「五、六月頃から夏の間、孔をあけて出てきた成虫は活発に室内を飛び回る。(中略)人畜無害な
 ので放っておかれるのが普通だが、近くに和本があるときは、そこから飛び立ったかもしれない
 し、そこへ産卵するかもしれないと疑うべきで、とにかく退治することだ。シバムシには育った
 ところに再び卵を産む習性があるらしい(日本家屋害虫学会編『家屋害虫』昭和五十九年、井上
 書院)」 

■文化財の生物被害防止ガイドブック―臭化メチル代替法の手引き(平成15 年度版)-
  http://www.tobunken.go.jp/~joho/japanese/publication/
 害虫の発見方法から、その対策までが具体的にまとめられている。
 <はじめに>より抜粋
 「本書は、博物館・美術館等施設の現場で働く方のために、『文化財の生物被害防止に関する日
 常管理の手引き』の考えに沿って、実際に現場でどんなところに注意して管理していけばよいの
 かをまとめたガイドブックです。」

■東京都立中央図書館
 ・<ようこそ「資料保存」のページへ>
  http://www.library.metro.tokyo.jp/about_us/syusyu_hozon/siryou_hozon/tabid/2104/Default.aspx
 非常に充実している。 
 ・都立中央図書館企画展
 「未来へ、本が読み継がれるために 図書資料の保存・修理」及び講習会「初めての和装本づくり」
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/EVENT/2010/01/21k1d100.htm
 チラシ
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/EVENT/2010/01/DATA/21k1d100.pdf

■足利学校遺蹟図書館への質問コーナー
  http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/01_kakuka-page/10_kyouiku/06_ashikagagakou/isekitosyokann.htm
 質問:曝書(古書の虫干し)はいつごろ行いますか?
 回答:9月から11月中旬です。晴天で、湿度55%前後の安定している日に行います。
    虫干しをするのは午前10時ごろから午後3時ごろまでです。普段大切に保存されている
    足利学校の古書を書院で、ページをめくりながら、自然の空気にさらす作業を行っていま
    す。その際、切れた綴じ紐の点検・修理、虫喰い・本の破損などの点検をしています。
    曝書の対象は蔵書約3万2千冊のうち、和本約1万7千冊。約40日間を要します。一般
    公開はしていません。

■中野三敏著『江戸文化評判記』中公新書  180頁以下から抜粋
「絶対確実なのは、ラップして電子レンジで五十秒以内のチンをやること。なにしろ卵もゆで卵に
 なること請合いだが、これはおそらくカミさんの非難をうけることうけることも請け合いである。
(中略)
ただし、これにも失敗談がある。他山の石、後車の戒、そのいきさつを述べておくことも
 意味のないことではあるまい。 
  ある日、一山のゴミ同然の古書を買い込み、なかに一冊だけ紛れもない珍本をみつけておおい
 に色めきたった。それは館柳湾の編著で(中略)
  内容の珍稀さ、虫のひどさ、これはしっかりと虫払いをせねばならぬ。そこで時間も倍以上の
 一分半にした。やがてレンジのなかからなにやらゴミ臭い匂いが鼻をうった。
(中略)
  ちなみに同僚の電子工学の先生に尋ねたら、レンジの熱によって燃えることはあっても、和紙
 の組成に異常をきたすことは、常識的にはありえないということであった。」

■カレントアウェアネスNo.673「マイクロ波で資料の害虫駆除」大橋邦生/兎内勇津流
  http://current.ndl.go.jp/ca673
 ニューヨーク州立大、環境科学・林学研究室で、マイクロ波を利用した害虫駆除法が研究されて
 いる。従来、燻蒸処理等の方法はあったが、安全性や費用、資料そのものに対する影響が問題と
 なっている。この点、マイクロ波の利用はその解決策としてユニークある。
・マイクロ波の性質
 マイクロ波を用いた調理器具(いわゆる電子レンジ)は、現在幅広く使われている。マイクロ波
 は水や脂肪の分子を振動させ、温度を上昇させる。多くの生命体は水と脂肪をふくんでいるため、
 マイクロ波の作用で細胞は破壊され、たんぱく質は編変性をおこす。しかし、紙や羊皮紙は、水
 分含有率はおおむね8%以下であり、マイクロ波に対して安全である。
  マイクロ波による害虫駆除には、次のような利点がある:一般の人でも安全に行える。残滓を
 ださない。すぐに終了できる。安価である。生物のみに選択的に作用するなど。

■『情報の保存と活用のためのJHKダイレクトリ』情報保存研究会
 19ページに燻蒸の種類について記載あり。
 ・密閉燻蒸
 ・被覆燻蒸
 ・燻蒸庫燻蒸
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC 
参考資料
(Reference materials)
中野三敏著『江戸文化評判記』中公新書
橋口侯之介著『和本入門』平凡社
日本家屋害虫学会編『家屋害虫』井上書院
IFLA 図書館資料の予防的保存対策の原則 ( http://archive.ifla.org/VI/4/news/pchlm-jp.pdf )
第2回国際文化財生物劣化会議に参加して ( http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/data/mr382_1.pdf )
CA673マイクロ波で資料の害虫駆除 ( http://current.ndl.go.jp/ca673 )
財団法人 文化財虫害研究所 ( http://www.bunchuken.or.jp/ )
第19回保存フォーラム「図書館における総合的有害生物管理(IPM)とは」 ( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/999277 )
文化財の生物被害防止ガイドブック
―臭化メチル代替法の手引き(平成15 年度版)- ( http://kazuooka.fc2web.com/bunguide.pdf )
東京文化財研究所保存修復科学センター「保存科学」PDF版ダウンロード ( http://www.tobunken.go.jp/~hozon/hozon_pdf.html )
東京文化財研究所 ( http://www.tobunken.go.jp/index_j.html )
情報保存研究会『情報の保存と活用のためのJHKダイレクトリ』
情報保存研究会 ( http://e-jhk.com/html/ )
情報保存Q&A 4.くん蒸(文責 会員企業 関東港業(株)) ( http://e-jhk.com/html/qa_03.html )
東京文化財研究所の刊行物(図書) ( http://www.tobunken.go.jp/~joho/japanese/publication/ )
『熊本博物館におけるIPM活動の成果と問題点について』福西 大輔 ( http://webkoukai-server.kumamoto-kmm.ed.jp/web/mugiamnews/fukunishi.pdf )
『専門図書館』 特集 資料保存・修復
Special feature: Preservation and restoration in special libraries ((241) [2010])
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会 ( http://www.jsai.jp/ )
「西洋古典資料の組織的保存のために」 ( http://hdl.handle.net/10086/18610 )
川上裕司, 杉山真紀子著『博物館・美術館の生物学 : カビ・害虫対策のためのIPMの実践』東京 : 雄山閣 , 2009.8
日本図書館協会資料保存委員会編集企画『資料保存の調査と計画』東京 : 日本図書館協会 , 2009.3
国立国会図書館 第19回保存フォーラム 「図書館における総合的有害生物管理(IPM)とは- 概論と取り組みの実例-」2008. 9. 11.東京文化財研究所 ( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/999277 )
文部科学省カビ対策専門家会合報告書「カビの発生予防と早期発見のために」2007.3 ( http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/001/toushin/07051008.htm )
東京文化財研究所保存科学部生物科学研究室編「文化財のカビ被害防止チャート」2003 ( http://ns.tobunken.go.jp/~hozon/publications/kabichart.jpg )
カビが発生した資料のクリーニング ( http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/preservation/manual_mold.html )
キーワード
(Keywords)
虫干し
曝書
橋口侯之介
足利学校遺蹟図書館
中野三敏
橋口侯之介
シバンムシ
死番虫
Deathwatch Beetle
蔵書点検
季語
ばくしょ
歳時記
文化財虫害研究所
資料保存
生物劣化
総合的有害生物管理(IPM)
曝涼
フェロモントラップ
密閉燻蒸
被覆燻蒸
燻蒸庫燻蒸
情報保存研究会
JHK
Integrated Pest Management
カビ
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
■殺虫処理法には、薬剤を使用しない方法と薬剤を使用する方法がある。
1)低酸素濃度処理
A.低酸素濃度処理
 密閉空間内の酸素濃度を0.3%容量未満に下げ、酸欠状態にして害虫を窒息死させるもの。
B.二酸化炭素処理
 資料等を密閉容器に入れ、高濃度の二酸化炭素を導入して害虫を致死させる方法で、
 殺虫効果に適した二酸化炭素濃度は60%~80%容量とされている。
 文化財材質に対してより安全性の高い低酸素濃度処理が施工できる場合は一般に二酸化炭素処理は行われない。
C.低温処理法
 低温(-20℃~40℃)を3日から7日間保持して殺虫する方法である。
 急激な温度・湿度変化にさらされるため、適用できる材質は、紙や布、木材の単一な材料でできたものに限られる。
D.高温処理法
 高温(55℃~60℃)の高温で殺虫する方法である。
 処理時間は1時間から1日程度で殺虫効果がある。
 高温で変化、変性する物質には適用できない。
2)薬剤を使用する方法
A燻蒸処理
現在市販の■殺虫処理法には、薬剤を使用しない方法と薬剤を使用する方法がある。
1)低酸素濃度処理
A.低酸素濃度処理
 密閉空間内の酸素濃度を0.3%容量未満に下げ、酸欠状態にして害虫を窒息死させるもの。
B.二酸化炭素処理
 資料等を密閉容器に入れ、高濃度の二酸化炭素を導入して害虫を致死させる方法で、
 殺虫効果に適した二酸化炭素濃度は60%~80%容量とされている。
 文化財材質に対してより安全性の高い低酸素濃度処理が施工できる場合は一般に二酸化炭素処理は行われない。
C.低温処理法
 低温(-20℃~40℃)を3日から7日間保持して殺虫する方法である。
 急激な温度・湿度変化にさらされるため、適用できる材質は、紙や布、木材の単一な材料でできたものに限られる。
D.高温処理法
 高温(55℃~60℃)の高温で殺虫する方法である。
 処理時間は1時間から1日程度で殺虫効果がある。
 高温で変化、変性する物質には適用できない。
2)薬剤を使用する方法
A燻蒸処理
現在市販の■殺虫処理法には、薬剤を使用しない方法と薬剤を使用する方法がある。
1)低酸素濃度処理
A.低酸素濃度処理
 密閉空間内の酸素濃度を0.3%容量未満に下げ、酸欠状態にして害虫を窒息死させるもの。
B.二酸化炭素処理
 資料等を密閉容器に入れ、高濃度の二酸化炭素を導入して害虫を致死させる方法で、
 殺虫効果に適した二酸化炭素濃度は60%~80%容量とされている。
 文化財材質に対してより安全性の高い低酸素濃度処理が施工できる場合は一般に二酸化炭素処理は行われない。
C.低温処理法
 低温(-20℃~40℃)を3日から7日間保持して殺虫する方法である。
 急激な温度・湿度変化にさらされるため、適用できる材質は、紙や布、木材の単一な材料でできたものに限られる。
D.高温処理法
 高温(55℃~60℃)の高温で殺虫する方法である。
 処理時間は1時間から1日程度で殺虫効果がある。
 高温で変化、変性する物質には適用できない。
2)薬剤を使用する方法
燻蒸は、密閉した空間にガス状にした薬剤を充満させ、殺虫や殺菌を行うことである。
燻蒸剤は燻蒸施工中だけで、その後は毒性がほとんど残留しないので、予防効果はない。
現在市販の燻蒸剤のうち、文化財に対する薬害が比較的少なく、燻蒸に使用できるのは、酸化エチレン、
フッ化スルフリル、酸化プロピレン、ヨウ化メチル(2010年3月末で製造・販売中止)である。

平成22年度第30回文化財防虫防菌処理実務講習会資料よりほんの一部抜粋
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000051921解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
関連ファイル
(Related Files)

殺虫効果判定用テストサンプル
殺虫効果判定用テストサンプル
内容量15mlのガラス瓶にコクゾウムシの成虫15~25匹程度とその卵、幼虫、蛹を含む玄米資料が入れられている。
燻蒸終了後、残留ガスを十分排気してから、テストサンプルを回収する。判定は供試虫の100%致死をもって合格とする。原則として、卵、幼虫、蛹、については、燻蒸終了後、温度27℃、湿度70%~80%に約1ヶ月保存し、成虫の羽化の有無を判定する。

燻蒸風景
燻蒸風景
終了後にガスを排出するホース永延と続く。もちろんガスは無毒化される。

燻蒸風景
燻蒸風景
あとはスイッチを入れるだけ

燻蒸風景
燻蒸風景
貴重書庫内に貼られたテント。この密閉された環境の中で燻蒸作業は行われる。
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