レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/03/31
- 登録日時
- 2008/04/02 02:11
- 更新日時
- 2010/06/16 15:40
- 管理番号
- 秋田-0962
- 質問
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中国の呼称「もろこし」は、江戸時代より古い時代から使用されていたかを知りたい。使用されていた場合、そのことがわかる文献を教えてほしい。
- 回答
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以下の資料に、「もろこし」を使用した文例が見つかった。
・『源氏物語』21「乙女(をとめ)」 "もろこしにももてわたりつたへまほしけなる夜のふみともなりとなむ" (『源氏物語大成』第三冊校異篇 池田亀鑑編著 中央公論社 1989 p.672)
・『枕草子』第34段「木の花は」 "唐土(もろこし)には限なき物にて文にもつくる" (『新日本古典文学大系25 枕草子』渡辺実校訂 岩波書店 1991 p.51)
この他『日本国語大辞典 第二版』第12巻 小学館 2001 によれば、以下の資料にも「もろこし」の用例がある。
・『日本書紀』(720)推古15年7月(岩崎本訓) "大礼小野臣妹子を大唐(モロコシ)に遣す"
・『万葉集』(8C後)五・八九四 "勅旨(おほみこと)戴き持ちて唐(もろこし)の遠き境に遣はされ<山上憶良>"
・『宇津保物語』(970-999頃) 俊陰"もろこしに三度わたれる博士"
以上により、江戸時代より古い時代から、中国の呼称として「もろこし」を使用していたことは間違いないかと思われる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 8版)
- 参考資料
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- 『源氏物語大成』第三冊校異篇 池田亀鑑編著 中央公論社 1989
- 『新日本古典文学大系25 枕草子』渡辺実校訂 岩波書店 1991
- 『日本国語大辞典 第二版』第12巻 小学館 2001
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000043256