レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/03/01
- 登録日時
- 2008/02/17 02:10
- 更新日時
- 2011/04/05 13:32
- 管理番号
- 10-3A-200703-06
- 質問
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解決
田辺大根について 調べたい
- 回答
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大阪の伝統野菜について書かれたものの中に、「田辺大根」についての記述も見られます。
『大阪春秋 111号 おおさかの伝統野菜』には、
「田辺大根は摂津東成郡田辺地区(現大阪市東住吉区)の原産である白首の大根で、ルーツは白あがり京大根とねずみ大根との交雑後代が当地区に土着したものでないかとされている。(中略)根部は白色の円筒形で、末端が少し膨張し、丸みを帯び、長さ20cm、太さ9cmほどで、葉には毛じ(もうじ、表面に生えている細かい毛)がない。肉質は緻密、柔軟で甘みに富み主に煮食用で甘漬けにも適し、・・・」とあります。
古くは、天保9年(1836年)の「名物名産略記」(『新改正攝津国名所旧跡細見大絵図』所載)にも記載があり、また大正14年に編纂された『田辺町誌』には「本町にあっては遠き昔より其の風味頗る美にして、各方面の歓迎を受けたる大根を特産せり。是当地の土質が大根の栽培に好適なると、栽培法に熟練せるとによれるものとして、世に之を田辺大根と称し、其の名各全国に聞えたり」と書かれています。
田辺の名物として全国的にも有名だった田辺大根ですが、昭和初期より衰亡してゆきました。その理由について『なにわ大阪の伝統野菜』(農山漁村文化協会)では「昭和25年に発生したウィルス病のため次第に減少し」とされています。しかし近年、なにわの伝統野菜の復活させようという動きがあり、田辺大根も地元を中心に栽培普及に取りくまれているようです。
・財団法人大阪市農業センターHPの「大阪市なにわの伝統野菜」のページに、写真入りで紹介されています。
http://www.nogyo-osakashi.or.jp/yasai/index.html(2008.8.14確認)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
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『大阪春秋111号 おおさかの伝統野菜』(大阪春秋社 2003年 当館書誌ID:0010554329) p21~22、p48~52
『新改正攝津国名所旧跡細見大絵図』(複製)蔀関牛/校画図 山田和助/鎬字 古地図史料出版 [1978] 当館書誌ID:0080230564)
『田辺町誌』(大阪府東成郡田辺町 1925年 当館書誌ID:0070109957) p254
『なにわ大阪の伝統野菜』 (なにわ特産物食文化研究会編 農山漁村文化協会2002年 当館書誌ID:0010259040) p40~47
『なにわの伝統野菜』 (森下正博/編集 大阪府立農林技術センター 2001年 当館書誌ID:0010165446)
『なにわの伝統野菜 -料理アラカルト-』 (上野修三/編集 大阪府立農林技術センター [2001] 当館書誌ID:0010179431)
『教育大阪Vivo la Vita 2005年1月号(639号)』(大阪市教育振興公社 当館書誌ID:5110894530) 43p
『教育大阪Vivo la Vita 2005年3月号(641号)』(大阪市教育振興公社 当館書誌ID:5110923177) 43p
『浮瀬 2006年2月』11号 (浪速魚菜の会事務局 当館書誌ID:5111251734) p12~15
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財団法人大阪市農業センターHPの「大阪市なにわの伝統野菜」のページ
http://www.nogyo-osakashi.or.jp/yasai/index.html(2008.8.14確認)
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『大阪春秋111号 おおさかの伝統野菜』(大阪春秋社 2003年 当館書誌ID:0010554329) p21~22、p48~52
- キーワード
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- 田辺大根
- 大阪府大阪市東住吉区
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000041890