レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/04/20
- 登録日時
- 2007/08/02 02:11
- 更新日時
- 2007/09/04 08:17
- 管理番号
- 埼浦-2007-016
- 質問
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解決
「サトイモ」と「ヤツガシラ」は進化の系統でどのようにたどりついたか。またどちらが先に現れたか。
- 回答
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飛高義雄「サトイモの品種分類と作型の創設」(『農業技術 26巻2号』1971.2)p80-85。p81に学名あり、「サトイモ」と「ヤツガシラ」は「種」としては同一である。
『斉民要術』(アジア経済出版会 1984)p124-125には品種としてヤツガシラ(九面芋)の表記あり。 したがって近年の品種改良によるものではない。
『蔬菜園芸各論』(熊沢三郎 養賢堂 1969)p207-227に「里芋」の項あり。p207に「史記」(紀元前100~200)、「斎民要術」(560頃)には品種としてヤツガシラ(九面芋)という旨の記述あり。また、「ヤツガシラ」と「唐芋」(サトイモの一品種)は相互に芽条変異をして類似したものが出現することがある旨の記述あり。
以上から、非常に近い品種であり、また紀元前に品種として成立していることから、どちらが先であるということは判断できず。上記資料を紹介する。
- 回答プロセス
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事典類
『野菜園芸大百科 第2版 13』(農文協 2004)p283「品種群は原産地方で自然交雑によって成立し・・」とあり。
『野菜園芸大事典 訂正追補第3版』(養賢堂 1983)p1032-1037「サトイモ」の項あり。
『日本国語大辞典 第2版 13』(小学館 2002)「やつがしら」の項から「サトイモの栽培品種、サトイモは江戸時代中期以降・・」とあり。
児童書
『サトイモの絵本』(農文協 2007)該当なし。
《レファ協DB》を〈ヤツガシラ〉〈サトイモ〉〈八頭〉〈里芋〉で検索するが、該当なし。
NDC分類〈615〉〈626〉の書架より
『作物学事典』(朝倉書店 2002)p407-411「タロイモの項」てサトイモの起源あり。
『栽培植物の自然史』(北海道大学図書刊行会 2001)p160 唐芋群の唐芋と八つ頭は中国で分化したあと日本に導入したとの記述あり。
『青葉高著作選 3』(八坂書房 2000)「野菜の博物誌」p172-サトイモの品種あり、熊沢三郎に関する記述あり。
『イモとヒト』(平凡社 2003)p121「サトイモ」の項あり、p141-松田正彦「日本のサトイモ」あり。
NDC分類〈470〉の参考図書は「種」として区別がないことを確認。
上記『野菜園芸大百科 第2版 13』に記載されていた『斉民要術』(アジア経済出版会 1984)p124に「九面芋」の表記あり。
《NDL-OPAC(雑索)》を〈サトイモ & ヒンシュ〉で検索。
飛鳥義雄「サトイモの品種分類と作型の創設」(『農業技術 26巻2号』1971.2)p80-85。品種について、唐芋と八つ頭の近接性について記述あり。同論文に主研究者である熊沢三郎の記載あり。
他にヒットした「作物の起源を探る(12) サトイモ」(『食の科学』296号 2002.10)p52-55は関連性なし。
自館目録を著者〈熊沢三郎〉で検索。
『蔬菜園芸各論』(熊沢三郎 養賢堂 1969)のサトイモの項が参考になるためあわせて紹介する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 農業 (610 9版)
- 食用作物 (616 9版)
- 参考資料
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- 『野菜園芸大百科 第2版 13』(農文協 2004)
- 『野菜園芸大事典 訂正追補第3版』(養賢堂 1983)
- 『日本国語大辞典 第2版 13』(小学館 2002)
- 『作物学事典』(朝倉書店 2002)
- 『栽培植物の自然史』(北海道大学図書刊行会 2001)
- 『青葉高著作選 3』(八坂書房 2000)
- 『イモとヒト』(平凡社 2003)
- 『斉民要術』(アジア経済出版会 1984)
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『蔬菜園芸各論』(熊沢三郎 養賢堂 1969)
- キーワード
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- 蔬菜栽培
- サトイモ
- ヤツガシラ
- 食用作物
- 農学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000036339