1 資料
国立国会図書館[レファレンス情報システム]を<揚陸隊>で検索すると『陸前高田市史 第8巻 治安・戦役・災害・厚生編』(資料1)がヒットする。そのp.330-332に「第三章第六節 (五)第三揚陸隊の潰滅」という部分がある。第三揚陸隊の集結から終焉までが簡潔に記述されている。また、生還した兵士にも言及している。
p.331にこの記述の典拠となった資料名として『岩手県郷土将兵の記録』(岩手県郷土将兵の記録編集委員会編集・刊行 盛岡 1978.3.10)が紹介されている。(都立図書館および国立国会図書館には所蔵なし。岩手県内の図書館では複数の館で所蔵あり。)
都立DBで書名<ニューギニア>×NDC分類<39*(軍事)>を検索してヒットする資料から、公的なものとして『戦史叢書』(資料2)を調査する。p.642-680に「第四編 第五章 南太平洋方面陸軍航空作戦の終局」があり、第三揚陸隊の名称は出てこないが、ニューギニア・ラエ、ウエワク、ホランジャの地名のもとに軍の行動の記述がある。
資料3:『「大本営陸軍部」大陸命・大陸指総集成 全10巻』
「大陸命」「大陸指」(防衛庁防衛研究所所蔵)を忠実に活字化したもので、大きな作戦についての命令が分かる。第1巻の巻頭に解題がある。
第7巻に昭和17年、第8巻に昭和18年、第9巻に昭和19年の各年分が収録されている。
書誌として、資料4、5がある。
資料4:p.174-182に <ニューギニア島><東部ニューギニア><ラバウル><西部ニューギニア>の項目のもとに多数、収録あり。p.313-314には<揚陸隊>の項目があるが、第三揚陸隊についてのまとまったものは掲載なし。
2 防衛庁防衛研究所図書室(史料閲覧室)
『戦史叢書』を編纂・刊行した機関。明治期以来の旧陸・海軍の公文書類等を整理保管している。部隊が作成した公文書である戦闘詳報については、海軍の戦闘詳報は代表的なものが『連合艦隊海空戦戦闘詳報 全20巻』(都立多摩図書館所蔵あり)として複製刊行されているが、陸軍の戦闘詳報は刊行されていない。残っていれば、この図書室に所蔵の可能性あり。戦史史料に関する相談にも応じている。
3 関連情報が入手可能とみられる問い合わせ先
1)陸前高田市小友町の華蔵寺(戦没者慰霊祭が行われた)
2)岩手日報社
3)東海新報社(岩手県三陸南部の情報を中心に扱う)
華蔵寺には南方戦線の戦没者慰霊と平和を祈る南海観音像がある。その観音像前で、第三揚陸隊の戦没者遺族が終戦60周年を記念した慰霊祭を営んだ。慰霊祭については、インターネット[Google]を<第三揚陸隊>で検索すると、以下の記事がヒットする(最終検索日:2006.3.5)。
『岩手日報』2005.4.14付「日報ニュース」(
http://www.iwate-np.co.jp/)
『東海新報』2005.6.26付記事(
http://www.tohkaishimpo.com/)
『東海新報』の記事によれば、関係者の名前のほか、参列者には第三揚陸隊の行動概要や戦没者名簿等の貴重な資料も配布されたとある。