レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20050622
- 登録日時
- 2005/12/01 02:12
- 更新日時
- 2005/12/01 16:51
- 管理番号
- A2005F0527
- 質問
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未解決
王安石の詩「詠柘榴詩」が収録された資料はないか。
- 回答
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お問合せの「詠柘榴詩」ですが、当館所蔵資料『臨川先生文集』(921.5-O111r)の目次を確認しましたが、記載はありませんでした。googleなどで検索しますと、「万緑叢中紅一点、動人春色不須多」という一説を含み、紅一点という言葉の出典であるとされています。(http://www.geocities.jp/kuro_kurogo/ko-jien02/page22.html)
『日本国語大辞典』(日本国語大辞典第二版編集委員会,小学館国語辞典編集部編 第2版 小学館 2001 KF3-G103)で「紅一点」を引きますと、同じような解説がしてありました。 詩の言葉から、『漢詩大観』索引2(佐久節編 復刊 鳳出版 1974 KK436-H9)を調査しましたが、記載はありませんでした。
その他、王安石や北宋の詩を扱った他の資料も確認しましたが、詩や手がかりなどは見あたりませんでした。
さらに手がかりを求めたところ、あるサイト(http://bymn.pro.tok2.com/advent/1218.html)で、『諸橋轍次大漢和辞典』(当館所蔵資料『大漢和辞典』KF4-E18)に「万緑叢中紅一点」の作者について言及があるとされており、資料を確認したところ、9巻p755に解説がありました。ご参考までに引用いたします。
「この句は人口に膾炙してゐて、安石の作とされているが、実際には其の作者に就いては確説がない。[書言故事、花木類、紅一点] 王荊公、石榴詩、萬緑叢中紅一点、動人春色不須多。[王直方詩話] 荊公為内相翰苑中有石榴一叢、枝葉甚茂、僅發花、故荊公題云、濃緑萬枝紅一点、為人春色不須多、余毎以不見全篇為恨。」(インターネットの最終アクセス日 2005.6.17)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『王安石』(中国詩人選集二集4) 岩波書店 に、『臨川先生文集』は「巻1から巻36までが詩」とあり、王安石のすべての詩が収録されているのではないかと思われるので調査してほしい。依頼館所蔵の王安石や宋代の詩集などには見あたらない。
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 参考資料
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- 『王荊文公詩箋註』王安石撰 李〔壁〕箋註 中華書局 1958(921.5-O111o2-RT)
- 『王文公文集:100巻目2巻』王安石拱 中華書局上海編輯所編新華書店上海発行所 1962 (082.6-O111o)
- 『王安石事典』東一夫著 国書刊行会 1980 (GK332-E2)
- 『中国古典文学大系』19巻 平凡社 1973 (KK412-1)
- 『中国の古典』 31 竹田晃〔ほか〕編 学習研究社 1983 (KK412-5)
- 『鑑賞中国の古典』第20、22巻 角川書店 1988 (KK412-E1)
- 『漢詩の事典』松浦友久編著 修館書店 1999.1 (KK62-G2)
- 『中国古典名言事典』諸橋轍次著 講談社 1972 (US57-11)
- 『漢詩名句辞典』鎌田正,米山寅太郎著 大修館書店 1980 (KK62-9)
- 『宋詩鑑賞辞典』前野直彬編 東京堂出版 1977 (KK62-4)
- 「中国詩詞翻訳索引-1-宋代(資料紹介) 」相島 宏『アジア資料通報』31(1) 1993.1 p2~54 (Z8-985)
- キーワード
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- 王安石
- 詠柘榴詩
- 万緑叢中紅一点
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000025144