レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1999/01/21
- 登録日時
- 2005/02/11 02:24
- 更新日時
- 2010/01/27 09:22
- 管理番号
- 埼川-1998-124
- 質問
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未解決
「The Three Princes of Serendip」(ホレス・ウォルポール Horace Walpole 1717-1797 イギリスの作家)を読みたい。原書を希望する。
- 回答
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原書は見あたらず、ウォルポールの著作かは判明しなかった。
- 回答プロセス
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以下の資料にあたるが、原書は見あたらず。
自館目録『彩-BISC』『LIVRE』のほか、『J-BISC』『AURORA』『国立国会図書館蔵書目録洋書編 昭和23-昭和61.8』『英米小説原題邦題事典』『明治大正昭和翻訳文学目録』『Books in Print 1996-97』『研究社英米文学辞典』等。
『Oxford English Dictionary』『英語固有名詞エピソード辞典』の〈serendipity〉の項によると、Walpoleは「The Three Princes of Serendip」というおとぎ話の題から〈serendipity〉という語を作ったとあり。質問の作品をWalpoleが書いたわけではないらしい。
NDC分類〈388〉の資料および子ども室の民話関係資料等にもなし。
以上の調査経過を連絡する。
追記:《NACSIS Webcat》を〈The Three Princes of Serendip〉で図書を検索すると洋書と和書が3件ヒットするが、書誌からはウォルポールの関連はわからず。
(http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/krkproc 2010/01/07最終確認)
追記:備考欄コメントに従い、原書「Peregrinaggio di tre giovani figliuoli del re di Serendippo」の大学図書館5館の所蔵を確認する。(http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/HolderList?txt_docid=NCID%3ABA48348965 2010/01/27最終確認)
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (933 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- Walpole Horace(ウォルポール ホレス)
- 小説家-政治家-イギリス
- 小説-ゴシック小説-英米文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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近畿大学中央図書館よりコメントをいただく(2010/01/27)。以下、調査情報の本文。
以前、埼久-1996-065にもコメントいたしましたが、下記文献に情報がありました。
『「脳」整理法』 茂木健一郎著 筑摩書房 , 2005 (ちくま新書 557) ISBN:4480062629
p.109-110
「「セレンディピティ」は、「偶然の幸運に出会う能力」と訳されることが多く、もともとは、一八世紀のイギリスの作家、ホラス・ウォルポールが、一七五四年に友人への手紙の中ではじめて使った造語です。ウォルポールは、イギリスの首相を務めたロバート・ウォルポールの末息子で、なかなか世知(せち)に長けた人物だったようです。(中略)「セレンディピティ」という造語の元になったのは、『セレンディプの三人の王子』という童話でした。「セレンディプ」は、いまのスリランカを指す古語です。この童話で、三人の王子たちは、旅をする中で、自分たちが求めていたものではないものに出会います。そのような偶然の出会いが、結果として王子たちに幸運をもたらしました。そのような偶然の幸運に出会う能力を、ウォルポールは「セレンディピティ」と名づけたのです。」
寓話セレンディッポの三人の王子 : 原典完訳 クリストフォロ・アルメーノ著 角川学芸出版, 角川グループパブリッシング (発売), 2007 ISBN:9784046211682
Peregrinaggio di tre giovani figliuoli del re di Serendippo
クリストフォロ・アルメーノによってペルシャ語からイタリア語へ翻訳された、セレンディッポの王の三人の若き息子たちの遍歴。「セレンディピティ」という言葉が、科学分野だけではなく、ビジネスの世界でもさかんに聞かれるようになった。その原点になったのが十六世紀半ばに出版された本書のイタリア語版であった。翻案・抄訳ではない、この原典から日本語への完訳本はこれが初めてである。
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA84473847 (2010/01/26確認)
この情報から、下記のイタリア語版がわかりました。
Peregrinaggio di tre giovani, figliuoli del re di Serendippo
Cristoforo Armeno ; a cura di Renzo Bragantini Salerno, c2000 (I Novellieri italiani v. 31) ISBN:8884023009
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocDetail?txt_docid=NCID%3ABA48348965 (2010/01/26確認)
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000015978