レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/08/10
- 登録日時
- 2023/01/30 00:30
- 更新日時
- 2023/01/30 00:30
- 管理番号
- 服部図書館R1001157
- 質問
-
解決
「鯨波(げいは)の声」と「エイ・エイ・オー」について以下を調査してほしい。
[1]「鯨波」の語源・由来。
[2]「エイ・エイ・オー」という掛け声は、いつごろから使われるようになったのか。
- 回答
-
(1)~(7)の参考資料を紹介した。
[1]中国語で、「鯨波(海の大きな波)」。押しよせてくる声、ときの声、戦いのはじめの声などをいう。参考資料(1)
[2]少なくとも保元の乱・平治の乱(1156年~・1159年~)、源平の合戦(1180年~1185年)があった平安時代末期には使われていたと考えられる。
『平家物語』の巻の四「橋合戦」の場面に、「時をつくる事三ケ度、宮の御方にも時の声をぞあはせたる」の記載がある。参考資料(2)
また、香川県史第15巻(国立国会図書館デジタルコレクション)に、「鯨波(ときのこえ)の屏風一双、こハ狩野古法眼の画にて、保元平治の闘(たたかい)の様をえがけり。」とある。参考URL(1)
なお、戦国時代になると、出陣における作法として、士気を高めるためにときの声が用いられた。
参考資料(3)騎馬武者対決として、「戦闘の前に互いが顔を合わせると、いわゆる鬨(かちどき)の声をあげるのがならわしだった。」とある。
また参考資料(4)に、戦国時代の合戦の流れとして、出陣式を行ったのち、「総大将が右手に扇、左手に弓を持ち、『えい、えい』と声を出して、勢揃いした兵たちが『おう』と呼応する。これを3度行ったとされる。」とある。
- 回答プロセス
-
語源事典で「鯨波」の調査。
ウィキペディアにて「ときの声」の検索。
国立国会デジタルコレクションにて「鯨波」検索。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 語源.意味[語義] (812 10版)
- 日本史 (210 10版)
- 小説.物語 (913 10版)
- 参考資料
-
- 日本語源広辞典 増井金典/著 ミネルヴァ書房 2012.8 812.033 (p336)
- 平家物語 2 梶原正昭/校注∥山下宏明/校注 岩波書店 2008.9 913.434 (p90)
- 図説戦国時代 トマス・D.コンラン/著∥小和田哲男/日本語版監修 原書房 2013.7 210.4 (p77-78)
- 戦国の合戦と武将の絵事典 高橋伸幸/著∥小和田哲男/監修 成美堂出版 2017.4 210.47 (p181-182)
- 図説日本戦陣作法事典 笹間良彦/[著] KADOKAWA 2022.4 399.1 (p137-138)
- 戦国 戦の作法 小和田哲男/監修 G.B. 2018.6 210.47 (p30)
- 図説日本戦陣作法事典 笹間良彦/著 柏書房 2000.4 399.1 (p98)
- 参考URL(1)国立国会デジタルコレクション『香川県史第15巻』 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9575742 2022/8/10 (図書館・個人送信可 248コマ)
- キーワード
-
- 鯨波
- 合戦
- ときの声
- 戦
- 作法
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 語学
- 内容種別
- 一般資料
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000328190