レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/08/10
- 登録日時
- 2022/09/02 00:30
- 更新日時
- 2022/09/22 13:48
- 管理番号
- 12594607
- 質問
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解決
川村清輔氏のくわしい経歴(没年含む)を知りたい。
- 回答
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ご照会の件について、以下のとおり回答します(【 】内は国立国会図書館請求記号、インターネット最終アクセス日は2022年8月3日です)。
幕臣等としては、1863年に勘定評定所留役、慶応2年に富士見宝蔵番之頭、新砲兵差図役、3年に一橋殿物頭の役職にありました(資料1)。
また、慶応4年に御用人として(資料2)、明治4年に元一橋家来として(資料3)氏名が掲載されている資料があります。
明治維新後は、明治8年に内務省勧業寮の職員(資料4)、12年に内務省勧農局の職員(資料5)となり、13年に富岡製糸場長心得に命じられています(資料6)。
資料7には、次のとおり判事としての経歴が記述されています。
「甲府始審裁判所詰始審裁判所判事正七位 東京府士族にして明治十三年頃禰津灼等と新潟裁判所判事と爲り正八位に、十五年東京控訴裁判所に遷る十六年從七位に、廿一年頃奏任四等下を以て甲府始審裁判所判事たり後正七位に陞る廿三年六月二日歿す」
その他の資料では、明治16年に大審院判事(資料8)、18年に栃木始審裁判所宇都宮支庁長(資料9)、19年に宇都宮始審裁判所判事(資料10)、20年に第二期宇都宮重罪裁判所陪席(資料11)、同裁判長(資料12)、21年に静岡始審裁判所判事(資料13)、甲府始審裁判所判事(資料14)となっています。
東京控訴裁判所判事として関わった裁判について調査したところ、次の資料がありました。
・「明治一四年第一九一〇号事件」(資料15)
・「神奈川県平民内山惣松ヨリ内務卿ニ係ル測量指点台撤去請求並損害要償ノ詞訟判決」(資料16)
・「明治十六年第四百九十一号」(資料17)
大審院判事として関わった裁判は『明治前期大審院民事判決録』(資料18、資料19)をご参照ください。また、次の裁判の判決に言及している資料を見つけることができました(資料20)。
・「家屋馴合売買回復一件」
資料1:吉川紗里矢「江戸幕府の役職就任と文書管理」一橋大学博士論文 甲第1016号(2018-07-31)pp.185-186.
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(国立国会図書館内限定公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11513890>
資料2:松平慶永『戊辰日記』日本史籍協会, 大正14, p.257【64-234】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/935853/133>
資料3:「東京府貫属一橋旧臣士族卒ノ家禄ヲ定ム」 国立公文書館デジタルアーカイブ <https://www.digital.archives.go.jp/item/1376770>(1コマ)
資料4:友田清彦「内務省期における農政実務官僚のネットワーク形成」『農村研究』食料・農業・農村経済学会, 104, 2007.3, pp.13-26【Z18-420】
※農林水産研究に関する国内の論文・情報が探せるデータベース(アグリナレッジ) <https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010734513> にも収録されています。
資料5:大崎善四郎編『明治官員録 明治12年11月』矢島百太郎, 明13, p.16【14.1-16】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/825773/24>
資料6:「大日本蠶史」『明治前期産業発達史資料 別冊 第67 第3』明治文献資料刊行会, 1970, p.664【602.1-M448m】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(個人・図書館送信対象資料)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2523501/36>
資料7:大植四郎編『明治過去帳 物故人名辞典 新訂版』東京美術, 1971, p.299【GB13-19】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(国立国会図書館内限定公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12188819/241>
資料8:彦根正三編『改正官員録 明治16年7月』博公書院, 明16, p.178【14.1-8】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/779322/180>
資料9:彦根正三編『改正官員録 明治18年5月上』博公書院, 明18, p.209【14.1-8】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1152068/211>
資料10:彦根正三編『改正官員録 明治19年上12月』博公書院, 明19, p.225【14.1-8】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/779377/229>
資料11:『官報』内閣官報局, 第1166号, 明治20年5月21日, p.203【CZ-2-2】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2944400/2>
資料12:『官報』内閣官報局, 第1169号, 明治20年5月25日, p.238【CZ-2-2】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2944403/2>
資料13:彦根正三編『改正官員録 明治21年甲5月』博公書院, 明21, p.123【14.1-8】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/779410/133>
資料14:彦根正三編『改正官員録 明治21年甲8月』博公書院, 明21, p.125【14.1-8】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/779416/132>
資料15:村上一博『明治離婚裁判史論』神戸大学博士論文, 乙第2184号(平成9年12月17日), pp.199-200【UT51-98-S313】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(国立国会図書館内限定公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3141229/106>
資料16:「神奈川県平民内山惣松ヨリ内務卿ニ係ル測量指点台撤去請求並損害要償ノ詞訟判決」 国立公文書館デジタルアーカイブ <https://www.digital.archives.go.jp/img/2445753>
資料17:「明治十六年第四百九十一号」法政大学学術機関リポジトリ <https://hosei.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=2312&file_id=22&file_no=1>
資料18:明治前期大審院判決録刊行会編『明治前期大審院民事判決録 第9』三和書房, 1962【324.098-M448m】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(個人・図書館送信対象資料)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1340722>
※明治16年の大審院判決の事件名や担当裁判官等が、索引の10ページ(262コマ)から25ページ(255コマ)に掲載されています(川村清輔氏関係分)。「家屋馴合売買回復一件」の判決は349ページ(180コマ)に、簡易な注記が483ページ(247コマ)にあります。「川村」の名前は、索引の21ページ(257コマ)にあります。
資料19:明治前期大審院判決録刊行会編『明治前期大審院民事判決録 第10』三和書房, 1963【324.098-M448m】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(個人・図書館送信対象資料)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1340723>
※明治17年の大審院判決の事件名や担当裁判官等が、索引の3ページ(238コマ)から7ページ(236コマ)に掲載されています(川村清輔氏関係分)。
資料20:大河純夫「制限超過利息に関する明治前期大審院判例の形成」『立命館法學』2003年(1), pp.110-191【Z2-48】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(国立国会図書館内限定公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8730067>
※立命館大学法学部・法学研究科・法務研究科 研究データベース <http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/03-1/ookawa.pdf> にも収録されています。
(その他の調査済みデータベース、インターネット情報等)
・国立国会図書館オンライン(NDL ONLINE)<https://ndlonline.ndl.go.jp>
・国立国会図書館サーチ <https://iss.ndl.go.jp>
・国立国会図書館デジタルコレクション <https://dl.ndl.go.jp/>
・国立国会図書館リサーチ・ナビ <https://rnavi.ndl.go.jp>
・CiNii Research <https://cir.nii.ac.jp/>
・D1-Law.com(当館契約データベース)
・TKCローライブラリー(当館契約データベース)
・朝日新聞クロスサーチ(当館契約データベース)
・ヨミダス歴史館(当館契約データベース)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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下記が院生が把握している経歴となります。
1.川村氏は元は徳川家の幕臣であり、その後、一橋家に仕え、内務省、司法省と勤務したはずである。
2、朝日新聞の聞蔵を検索したところ、1886年9月22日大阪 朝刊2Pに
”辞令 宇都宮始審裁判所詰を命ず 始審裁判所判事 川村清輔” とありました。
日本人名情報索引(人文分野)データベース,朝日新聞【聞蔵】
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 議官(レファレンス)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000320633