レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/12/01
- 登録日時
- 2022/01/05 00:30
- 更新日時
- 2022/01/21 14:00
- 管理番号
- 10960337
- 質問
-
未解決
明治4年から19年にかけて存在した「電信修技学校」の入学者及び卒業生の名簿を探している。
- 回答
-
ご照会の件について以下のとおり回答します(【 】内は国立国会図書館請求記号、インターネット最終アクセス日は2021年11月26日です)。
当館所蔵資料及び国立公文書館デジタルアーカイブを調査しましたが、工部省電信寮の下に置かれていた修技教場(修技学校、電信修技学校)の入学者または卒業者の名簿を見付けることはできませんでした。ただし、当館所蔵資料の中に、明治7年秋時点の修技学校在籍者の氏名が確認できるものがありましたのでご紹介します。
資料1には「明治七年秋季 電信修技科試験表」が掲載されており、各在籍者の氏名や成績等を確認できます。なお、この表では在籍者が「在校之部」と「在局之部」に分けられていますが、資料2を参考にすると、「在校之部」は修技学校にいる修技生、「在局之部」は地方電信局に実習に出ている修技生を指すものと考えられます。
資料1:加藤木重教『日本電気事業発達史 後編』電友社, 大正5-7【361-41】(「明治七年秋季 電信修技科試験表」pp.1241-1282, コマ番号631-652)
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1704266>
資料2:吉田正樹「工部省における技術者養成と修技校の役割 電信修技校を中心とした考察」 『三田商学研究』50(3), 2007.8, pp.25-44【Z3-296】<https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00234698-20070800-0025>
また、ご参考までに、以下の2つの類縁機関情報をお伝えします。
・国立公文書館デジタルアーカイブ(https://www.digital.archives.go.jp/)では、お探しの人物の氏名で資料を検索することで、辞令や叙勲等に関連する資料を閲覧できる可能性があります。
・郵政関係の歴史的な資料を収蔵している郵政博物館及び郵政博物館資料センターは、ウェブサイトの「お問い合わせフォーム」(https://www.postalmuseum.jp/inquiry/)から所蔵資料に関する問合せを受け付けています。
<その他の調査済み資料・データベース>
・北原聡「近代日本の電信電話に関する近年の研究動向 地域社会との関連を中心に」『郵政博物館研究紀要』10, 2019.3, pp.3-12. <https://www.postalmuseum.jp/publication/research/research_10_02.pdf>
・高橋雄造「明治の人々を育てた電信修技学校と工部大学校」『電気学会誌』114(5), 1994.5, pp.300-305. <https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1994/114/5/114_5_300/_pdf>
・逓信省電務局『帝国大日本電信沿革史』明25【20-63】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/805305>
・逓信省編『逓信事業史 第1巻』逓信協会, 昭和15【692.1-Te143t】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(インターネット公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1869635>
・国立国会図書館デジタルコレクション<https://dl.ndl.go.jp/>
・国立国会図書館サーチ <https://iss.ndl.go.jp/>
・国立公文書館アジア歴史資料センターデータベース <https://www.jacar.go.jp/>
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
■『明治時代史大事典 2』(宮地 正人/編、吉川弘文館、2012年)
「電信修技学校」の項目にて、各時代の名前は以下であることを確認
・明治4年 「修技教場」(工部省が設置)
・明治6年 「修技学校」
・明治19年 「電信修技学校」(逓信省の所管)
そのため、利用者が探している名簿は「修技教場」時代か「修技学校」時代と推測できる
■『電信電話事業関係資料目録 第3』(日本電信電話公社図書館、1958年)p.34(21コマ目)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2511328/21
「職員録,名簿」の項目を確認するも、修技学校の在籍者に関する名簿は見出せず
■機関リポジトリで「修技学校」に関する論文とその参考資料を確認するも、該当しそうな資料は見出せず。
郵政百年史資料(24巻)にて、明治8年から技手として活動していることが確認できた。
修技学校の卒業に要する年数が平均2年とされているため、在籍期間は明治4年から6年の間だと推測。
国立国会図書館デジタルコレクションから官報と職員録を閲覧したところ技手の名前は確認できたが、修技学校に在籍していたかに関する記述はなかった。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 議官(レファレンス)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000309979