レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年11月01日
- 登録日時
- 2017/02/09 12:52
- 更新日時
- 2017/03/07 12:41
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2349
- 質問
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解決
願興寺の「転法輪印」を結ぶ釈迦如来像の概要について知りたい。
- 回答
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「転法輪印」を結ぶ釈迦如来像とあることから、御嵩町・願興寺の国の重要文化財に指定されている「木造釈迦如来坐像及び両脇侍像」のことと考えられる。
『岐阜県の仏像 改訂版』(岐阜県博物館,1994年刊)に収録されている「特別寄稿 岐阜県の仏像」(清水真澄著)ではこの仏像について以下のとおり記載されている(p.9)。
---(引用始め 漢数字は数字に変換)--------------------------
(前略)鎌倉時代の仏・菩薩像では寛元2年(1244)仏師覚俊、定仏による願興寺釈迦三尊像が鎌倉彫刻の基準作例として挙げられる。獅子と象に乗った文殊、普賢菩薩像を脇侍とした釈迦三尊像は、平安時代の中頃以降造られるようになり、滋賀・常信寺像、長野・牛伏寺像などの先例が知られているが、この願興寺も早い作例といえる。しかもこの三尊像の中尊釈迦如来像は、日本の釈迦如来像としては非常に数の少ない胸の前で手を捻った説法印を結んでいる。
---(引用終わり)------------------------
同資料のp.30~31には像の写真(カラー)が掲載されており、p.82~83には図版解説として以下のとおり記載。
---(引用始め 漢数字は数字に変換しています)--------------------------
9 重文 木造釈迦如来坐像及び両脇侍像
願興寺(御嵩町)
寄木造 玉眼 (釈迦如来)像高79.6
鎌倉時代(寛元2年)
(普賢菩薩)像高45.0
(文殊菩薩)像高45.0
鎌倉時代
釈迦如来の胎内(膝部裏側)に「寛元二年(1244)甲辰五月廿三日造立之、仏師僧覚俊、勧進聖人観西、大檀那源康能秦氏、小仏師定仏」の銘文がある。数少ない説法印を結んだ釈迦如来像である。
---(引用終わり)------------------------
また、以下の雑誌記事により詳しい解説が収録されている。
・「美濃・願興寺の阿弥陀如来像及び釈迦三尊像について」(塩澤寛樹著 『仏教芸術』263(2002.7)p.26~43)
・「願興寺蔵 木造釈迦如来及び両脇侍像」(高梨純次著 『国華』1438号(2015.8)p.49~52,図版5)
なお、『御嵩町の文化財』(御嵩町教育委員会,1980年刊)p.19~20にも「釈迦如来坐像と両脇侍(国重文)として、写真(モノクロ)と解説が掲載されている。
- 回答プロセス
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1 願興寺は御嵩町の有名な寺院。また国重要文化財とのことなので、『御嵩町史』や町の文化財図録、また県の仏像全般を扱った資料に記載があると考え、『御嵩町史』『御嵩町の文化財』『岐阜県の仏像』を参照。
2 質問の仏像をとくに扱った論文等はないかと考え、郷土関係雑誌記事検索、CiNii、国会サーチを『願興寺』で検索。
- 事前調査事項
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2014開催『鎌倉の仏像』展図録 奈良国立博物館
図録解説NO17(p127)
の解説文の中に触れられていた。
- NDC
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- 仏像 (718 9版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000209524