レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/09/12
- 登録日時
- 2015/11/19 00:30
- 更新日時
- 2015/11/19 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-150010
- 質問
-
解決
教科書の変遷を確認したい。戦中,戦後近辺の国定教科書で,国語読本にあたるものの書き出しを確認したい。
- 回答
-
1 国定教科書(国語読本)の変遷について
次の資料がまとまっていましたので,ご紹介します。※【 】内は当館請求記号
資料1 『複刻墨ぬり教科書解説』大空社, 1985【375.9/858/12B】
pp.13-17に「四 国定国語教科書のあゆみ」とする項があります。
p.14には,「国定教科書とその使用世代(区分というのは、表記した年度に入学した児童が巻一を使用したという意味)」とする一覧表があり,明治37年から昭和24年までに使用された教科書の区分,巻頭の句,使用者出生年月等がわかるものとなっています。
2 戦中・戦後近辺の国定教科書(国語読本)の書き出しについて
資料1のp.14によると,年代ごとに次のように「巻頭の句,使用教科書の性格等」が記述されていました。
(1)四期国語教科書(昭和八~一五年) サイタ サイタ サクラガ サイタ
(2)五期国語教科書(昭和一六~二〇年) アカイ アカイ アサヒ アサヒ
(3)墨ぬり教科書(昭和二〇年) 兵タイゴッコ(全文削除の最初)※後述
(4)暫定教科書(昭和二一年) アカイ アカイ アサヒ アサヒ
(5)六期戦後文部省著作教科書(昭和二二~二四) おはなを かざる みんな いい こ
3 掲載資料について
上記(1)~(5)の内容は,復刻版になりますが,次の資料で確認できます。
(1)について
資料2 『日本教科書大系 近代編 第7巻』講談社, 1978【375.9/ニ1/7】
pp.558-578に「小学國語讀本 巻一」が掲載されており,巻頭頁は「サイタ サイタ」で始まっています。
(2)について
資料3 『日本教科書大系 近代編 第8巻』講談社, 1978【375.9/ニ1/8】
pp.331-353に「ヨミカタ 一」が掲載されており,巻頭頁は「アカイ アカイ」で始まっています。
(3)について
上記2ウの「兵タイゴッコ」は,資料3のp.367に「十六 兵タイゴッコ」と16番目の項として扱われており,この項が全文墨ぬりの対象となったという特徴からとりあげられたもののようです。墨ぬりの状況は,次の資料で確認できます。
資料4 『複刻 墨ぬり教科書 [7]』大空社, 1985【375.9/858/7】pp.58-65
(4)について
この時期に特化した掲載資料は見あたりませんでしたので,上記資料3のpp.331-353をご参照ください。
(5)について
資料5 『日本教科書大系 近代編 第9巻』講談社, 1978【375.9/ニ1/9】
pp.6-22に「こくご 一」が掲載されており,巻頭頁は「一 みんな いい こ おはなを かざる、 みんな いい こ(後略)」で始まっています。
4 参考
明治から大正期の国定教科書(国語読本)についても,次のとおり復刻されていましたので,参考までにご紹介します。(※印以下は資料1を典拠にしています。)
資料6 『日本教科書大系 近代編 第6巻』講談社, 1978【375.9/ニ1/6】
pp.388-403「尋常小学讀本一」 ※明治37~42年使用「イエ ス シ」
資料2 『日本教科書大系 近代編 第7巻』講談社, 1978【375.9/ニ1/7】
pp.8-22「尋常小学讀本 巻一」 ※明治43~大正6年使用「ハタ タコ コマ」
pp.262-276「尋常小学国語讀本 巻一」 ※大正7~昭和7年使用「ハナ ナト マメ マス」
また,教科書全般の歴史については,次の資料が図版を中心にまとまっていましたので,あわせてご紹介します。
資料7 『図説教科書の歴史』日本図書センター, 1996【375.9/965】
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 教育課程.学習指導.教科別教育 (375 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 教科書
- 国定教科書
- 国語読本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000184140