レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年03月01日
- 登録日時
- 2015/10/22 18:55
- 更新日時
- 2015/10/22 18:55
- 管理番号
- 0110301149
- 質問
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解決
山名宗全の言葉で“凡そ例というは、其時が例也”というものがあるらしい。
その意味と出典を知りたい。
- 回答
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中世の説話集である「塵塚物語 巻6」の「山名宗全と或大臣問答事」が出典であり、“その時その時の時勢こそ大切なのだ”という意味である。
なお、格言としては“凡例といふ文字をば尚後は時といふ文字にかへて御心あるべしそれ一切の…”ではじまる部分が有名であり、「凡そ例というは、其時が例也」はその文章のなかの一節であった。
当館所蔵資料のほかに、国立国会図書館デジタルコレクションに閲覧可能資料として以下のものがあった。
雑史集 p.414(219コマ目)
(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1906666 最終確認:2015.9.16)
また、高崎市の山名には“石碑(いしぶみ)の道”という自然歩道があり、この言葉を刻んだ碑(高井紫風書)があります。
- 回答プロセス
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山名宗全関連資料及び格言集の類を確認。
「山名宗全と細川勝元」(小川信、新人物往来社 1994年)に“凡例と云は其時が例也。…”が「塵塚物語」中の山名宗全の言葉として記載があるとの記述があった。
また格言集などでもこの言葉の出典は「塵塚物語」であるとの記述があった。
言葉の意味としては「その時その時の時勢こそ大切なのだ」「時に応じたふるまいをせよ」などのような解説が格言集に見受けられた。
Webcatで「塵塚物語」で検索、「改定史籍集覧 第10冊 復刻版」(近藤瓶城編集 臨川書店 1983年)に収録されているので、他館より現物を取り寄せ、「塵塚物語 巻6」の「山名宗全と或大臣問答事」に該当の言葉を確認。
「日本史史料集成」(p.126)に“例と時”というタイトルで掲載あり。
全文ではなく中略されているが、注解と解説がある。
国立国会図書館サーチにて、デジタル資料を中心に確認。
「みなみやはたの歩み 第2集」(p.109)に、山名宗全の言葉“凡そ例というは、其時が例也”が碑文にある、旨の記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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小川信 著 , 小川, 信, 1920-2004. 山名宗全と細川勝元. 新人物往来社, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002325325-00 , ISBN 4404021062 (当館資料番号 111918934) -
南八幡郷土史会 編 , 南八幡郷土史会. みなみやはたの歩み : 大正・昭和・平成の郷土史 第2集. 南八幡郷土史会, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004279852-00 (当館資料番号 117117499) - 大久保光. 日本史史料集成. 第一学習社, 1977. (当館資料番号 119806115)
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小川信 著 , 小川, 信, 1920-2004. 山名宗全と細川勝元. 新人物往来社, 1994.
- キーワード
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- 山名宗全
- 石碑の道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000182816