レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/03/12
- 登録日時
- 2014/04/03 00:30
- 更新日時
- 2014/05/04 14:58
- 管理番号
- 6000015242
- 質問
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解決
イタリアの作曲家ヴェルディのオペラの曲で、アンコールにまつわるエピソードがあるものがあると聞いたが、どのようなものか。またヴェルディの曲がアンコールの起源であるかどうかについて知りたい。
- 回答
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ヴェルディのオペラ「ナブッコ」第3幕の合唱曲「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」はアンコールが慣例となっているとの記載が『知ってるようで知らないオペラおもしろ雑学辞典』などにあり。
なお『オックスフォードオペラ大事典』などによると、アンコールはオペラでは17世紀ごろから始まったとのことであるため、19世紀の作曲家であるヴェルディの楽曲とは関係がないと推察される。
- 回答プロセス
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766(オペラ)の書架を探す。
『知ってるようで知らないオペラおもしろ雑学辞典』(ヤマハミュージックメディア)p43-44に、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)のオペラ「ナブッコ」第三幕の合唱「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」について、アンコールが慣例であるとの記載があり。
『スタンダード・オペラ鑑賞ブック 2 イタリア・オペラ 下 ヴェルディ』(音楽之友社)に、ヴェルディのオペラについての詳しい記載があり。p14にはナブッコ第三幕のヘブライ人の合唱「わが思いよ、金色の翼に乗っていけ!Va! pensiero sull'ali dorate」(第11曲)について、イタリアではこの曲をアンコールしなければ先に進めないとの記載があり。初演当時はオーストリア当局によってオペラの台本や主題が検閲されていたが、音楽によって聴衆の心が動かされたとのこと。のちにこの曲はイタリア統一・民族独立のシンボルになったとの記載がp17にあり。
「ナブッコ」についてはこのほか『わたしのヴェルディ 16人のアーティストが語る12の傑作オペラ』(音楽之友社)p17-28、『オペラハンドブック』(三省堂)p78にも記載があるが、アンコールについての言及はなかった。
またアンコールについて『新訂 標準音楽辞典 ア-テ』(音楽之友社)を調べると、p85にアンコールの実行は17世紀のイタリア・オペラで名歌手の台頭とともに始まったとの記載があり。
『オックスフォードオペラ大事典』(平凡社)p42「アンコール」には、アンコール自体は古代の演劇にもあったが、オペラでは17世紀のヴェネツィアで始まったとの記載があり。また1951年にフィレンツェでヴェルディの「オテッロ」が上演された際は、場面全体がアンコールされたとのこと。
- 事前調査事項
- NDC
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- 劇音楽 (766 9版)
- 参考資料
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- 『知ってるようで知らないオペラおもしろ雑学事典』石戸谷 結子/著(ヤマハミュージックメディア)
- 『スタンダード・オペラ鑑賞ブック 2』音楽之友社/編(音楽之友社)
- 『わたしのヴェルディ』レオネッタ・ベンティヴォリオ/編著(音楽之友社)
- 『オペラ・ハンドブック』堀内 修/編(三省堂)
- 『標準音楽辞典 ア-テ』(音楽之友社)
- 『オックスフォードオペラ大事典』ジョン・ウォラック/編著(平凡社)
- キーワード
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- オペラ
- イタリア
- 歌劇
- ヴェルディ
- ナブッコ
- 音楽
- アンコール
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000151757