レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年02月27日
- 登録日時
- 2014/02/27 16:57
- 更新日時
- 2016/08/20 12:12
- 管理番号
- 町田-094
- 質問
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解決
テレビで「峰打ち」をするシーンを見たが、実際にあったことなのか?どうやっているのか知りたい。
- 回答
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●「峰打ち」とは
刀身の刃と反対側の背(峰・棟)で相手を打つことを峰打ち・棟打ちという。
抜刀した後、敵に骨折や致命傷を与えないために、斬れぬように刀の刃を上に返し、反りを逆さに、峰のほうを下にして振り下ろす。
斬れないが力の入れようによっては骨折するので、致命傷になる場合もある。
時代劇では観客が峰打ちとはっきりわかるように、抜刀して刀身を逆さに持ち直して峰で打っているが、
普通に斬りつけ、相手の体に届く寸前に刃を返すのが正しい方法。
斬られたと思い込ませて意識を絶つことが目的。
力で気を失わせようと強く打つと、刀を折ってしまう危険があるため。
●実際にあったのか
実際のところ、侍は殴りつけるような場合、抜刀しない。
侍が抜刀すれば、必ず敵を倒し止めを刺すことが当然とされていたため。
殴るだけなら、刀を鞘ごと帯から抜き取り鞘の部分で撃つ。
元来、日本刀は峰で打つように製作されていないので、峰で硬い物を打てば刃が折れる危険につながる。
- 回答プロセス
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【言葉の意味を調べる】
『広辞苑 第六版』p2708「峰打ち・刀背打ち」
【刀、日本刀の本を調べる】
『図解 日本刀事典』p257「棟打ち・峰打ち」
『剣豪 その流派と名刀』p238「誰も教えてくれなかった「峰打ち」の真実」
【時代劇・江戸時代の本を調べる】
『時代小説用語辞典』p120「峰打」
『イラスト・図説でよくわかる江戸の用語辞典』p390「峰打」
『時代劇を斬る』p163-164「棟打ちは存在しなかった-抜けば必ず止めを刺す」
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 8版)
- 金工芸 (756 8版)
- 武術 (789 8版)
- 参考資料
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江戸人文研究会 編 , 善養寺ススム 文・絵. イラスト・図説でよくわかる江戸の用語辞典 : 時代小説のお供に. 廣済堂あかつき, 2010.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010677987-00 , ISBN 9784331514368 -
牧秀彦 著. 剣豪その流派と名刀. 光文社, 2002. (光文社新書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003995322-00 , ISBN 4334031773 -
歴史群像編集部 編. 時代小説用語辞典. 学習研究社, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007683802-00 , ISBN 4054026079 -
歴史群像編集部 編. 「図解」日本刀事典 : 刀・拵から刀工・名刀まで刀剣用語徹底網羅!!. 学習研究社, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008402345-00 , ISBN 4054032761 -
名和弓雄 著. 時代劇を斬る. 河出書房新社, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002963813-00 , ISBN 4309223680 -
新村出 編. 広辞苑 第6版. 岩波書店, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009251951-00
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江戸人文研究会 編 , 善養寺ススム 文・絵. イラスト・図説でよくわかる江戸の用語辞典 : 時代小説のお供に. 廣済堂あかつき, 2010.
- キーワード
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- 峰打ち
- 棟打ち
- 刀
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000149940