レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/5/25
- 登録日時
- 2013/06/20 00:30
- 更新日時
- 2013/08/19 11:56
- 管理番号
- B130421153908
- 質問
-
解決
イギリスの茅葺き屋根について知りたい。
イギリスにおいて、茅葺き屋根はいつ頃主流だったか、その年代が知りたい。
また、どのような構造で造られていたか、造り方と使っていた材料の種類が知りたい。
- 回答
-
ご照会の事項について、以下の通り回答します。【 】内は当館請求記号です。
イギリスにおいて茅葺き屋根の主流であった時期、また当時の作り方と材料については判明しませんでした。
主流であった時期についての言及はありませんが、イギリスにおいて茅葺き屋根の家屋が多数あった時期、イギリスにおける茅葺き屋根の家屋の一般的な材料、作り方等についての記述のある資料を紹介します(資料(1)(2))。
なお、資料(1)中に、「レッツ先生の近著3冊」(資料(2)のp.188には、「イギリス茅葺きの考古植物学研究の第一人者とも言われるジョン・レッツ博士」とあります。)として資料(3)~(5)が紹介されています。いずれも当館では所蔵していませんが、国内では国立民族学博物館 (http://www.minpaku.ac.jp/research/sharing/library)が所蔵しているようです。
(1)『ヨーロッパの茅葺きとその技術 : イギリス・ドイツ茅葺き技術とその保存体制視察研修報告書』(欧州茅葺き視察研修報告書刊行会 2000.6 【NA232-G34】)
「4 レディング大学ジョン・レッツ博士との懇談」(pp.31-40)に、材料や構造に関する記述があります。
また、主流だった時期についての言及はありませんが、p.34に、
「英国では100~150年前頃までは、地方の家屋の95%が茅葺きであった。(中略)1870~1920年にかけて茅葺き屋根は大幅に減少した。」との記述があります。
「8 イギリスの茅葺き技術」(pp.72-83)には、イギリスの茅葺きの変遷について簡単な記述があるほか、小屋構造、屋根勾配、材料と工具、棟造りなどの解説があります。
p.72には、「イギリスの茅葺き技術は11世紀にはほとんど確立していたとされ、中世を通じて近年まで変化はなかった。」との記述があります。
(2)「イギリスの茅葺き民家と茅葺きトレーニング」(田中麻里『群馬大学教育学部紀要. 芸術・技術・体育・生活科学編』 40(2005) pp.187-197 群馬大学教育学部 【Z22-68】)
麦藁、葦など主要な茅葺き材の変遷についての記述があります。
群馬大学のリポジトリでも閲覧できるようです。(https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/565/1/area040187.pdf)
(3)James Moir & John Letts "Thatch : thatching in England, 1790-1940" (English heritage research transactions : research and case studies in architectural conservation, v. 5)James & James, 1999
(4)Jo Cox & John Letts "Thatch : thatching in England, 1940-1994" (English heritage research transactions : research and case studies in architectural conservation, v. 6)James & James, 2000
(5)John B. Letts "Smoke blackened thatch : a unique source of late medieval plant remains from Southern England" English Heritage , University of Reading, 2000, 2nd ed
[その他調査済み資料及びデータベース]
・『茅葺きの民俗学 : 生活技術としての民家』(安藤邦廣 [著] はる書房 2004.11【NA116-H99】)
・『屋根』(伊藤ていじ 文 高井潔 写真 淡交社 2004.5 【KA212-H5】)
・『屋根のデザイン百科 : 歴史・かたち・素材・構法・納まり・実例』(武者英二 吉田尚英 編著 彰国社 1999.11 【KA212-G28】)
・『屋根の知識』(宮野秋彦 日本屋根経済新聞社 著 日本屋根経済新聞社 1994.6【NA232-E57】)
・『屋根のはなし』(石田潤一郎 著 鹿島出版会 1990.4. 【KA212-E6】)
・「木の建築探訪 異形の木造 茅葺き屋根のクラブハウス(神田雅子 『NPO木の建築』 木の建築フォラム (34)(2012.12) pp.34-37 【Z71-G215】)
・「小特集 茅葺きといういとなみ」(塩澤実 『芸術新潮』 新潮社 60(5) (通号 713) (2009.5) pp.120-129 【Z11-97】)
・ 「ヨーロッパの茅葺きとその技術 : その2 英国の茅葺き技術とその保存体制(2002年度大会 (北陸) 学術講演梗概集)」(日塔和彦 『学術講演梗概集 F』 日本建築学会 2002年度(2)( 2002-06-30) pp.117-118 【Z43-781】)
・「現代ヨーロッパの茅葺き事情」(日塔和彦 『NPO木の建築』 木の建築フォラム (通号 1)( 2001) pp.28-31 【Z71-G215】)
・Tasker, Johann "Passing on thatching traditions." Farmers Weekly. 9/7/2012, Vol. 158 Issue 10, p93-93. 1p. ※EBSCO Host(当館契約データベース)にて検索
・McLachlan Sean "Thatching: An Age-Old Craft in Modern England." British Heritage. Nov2008, Vol. 29 Issue 5, p40-43, 4p ※EBSCO Host(当館契約データベース)にて検索
・"Thatched Irish Roofs Are Falling Down, Falling Down." Lavery, Brian New York Times. 11/25/2005, Vol. 155 Issue 53409, pA4-A4. 1/2p. ※EBSCO Host(当館契約データベース)にて検索
・リサーチナビ(http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)
・ScienceDirect(当館契約データベース)
・The National Council of Master Thatchers Association(http://www.ncmta.co.uk/)
・National Society of Master Thatchers(http://www.nsmtltd.co.uk/)
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2013年5月22日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 建築構造 (524 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 茅葺き屋根
- イギリス
- 建築構造
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000132830