レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年04月20日
- 登録日時
- 2012/07/19 18:03
- 更新日時
- 2012/09/29 11:50
- 管理番号
- 埼久-2012-018
- 質問
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解決
貞享2(1685)年の江戸~日光の地震被害が記されている資(史)料を知りたい。「江戸10万日全記録」は確認済。
- 回答
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貞享2年10月26日(西暦1685.11.22)の地震と判断し、以下の資(史)料を提供した。
『日本被害地震総覧「416」-2001』(宇佐美龍夫著 東京大学出版会 2003)
『大日本地震史料 1 懿徳天皇後宇-元録7年』(文部省震災予防評議会編 鳴鳳社 1975)
『新収日本地震史料 2 自慶長元年至元禄十六年』(東京大学地震研究所 1982)
『「日本の歴史地震史料」拾遺』(宇佐美龍夫編 日本電気協会 1998)
『「日本の歴史地震史料」拾遺 3』(宇佐美龍夫編 宇佐美竜夫 2005)
- 回答プロセス
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利用者確認済資料を元に、自館目録、参考図書類を確認する。
『江戸10万日全記録』(明田鉄男編著 雄山閣 2003)を再確認したところ、p77に「貞享2年 1685 10.26 江戸大地震(実紀五)」とあり。
自館目録で「徳川実記 第5篇」の掲載されている資料を全項目検索する。
『国史大系 42 徳川実記 第5篇 新訂増補』(吉川弘文館 1991)
p558 「常憲院殿御実記巻十二 貞享十月 ○廿六日 寅卯両刻の間大地震によて。家門並に四品以上使もて御けしきうかがはる。(日記)」とあり。
『日本天災地変誌』(東京府学務部社会課編 海道書院 2004)昭和13年刊の復刻
p410 西紀1685年の欄に「十月廿六日江戸大地震(萬年記四)」とあり。
自館目録で「萬年記 四」の掲載されている資料を全項目検索すると、『内閣文庫所蔵史籍叢刊 68 御徒方万年記 内閣文庫本第1-13冊』(汲古書院 1986)がヒットする。
p476 貞享ニ年十月廿六日の記述あり。ただし、くずし字。
《Google》で〈御徒方万年記〉を検索すると「東京都公文書館ウェブサイト」内『東京市史稿 変災篇 第1 目次』がヒットする。
(題目:附記 慶安二年七月-元禄十年十月ノ地震 篇巻頁:変災1-049 年月日:1649-1697(慶安2-元禄10)年 出典:御徒方万年記)
『東京市史稿 変災篇 第1』(東京市役所編 臨川書店 1974)
p60-61 貞享2(1685)年の地震についての記載はあるが、被害についての記載なし。
『日本被害地震総覧「416」-2001』(宇佐美龍夫著 東京大学出版会 2003)
p62-63 貞享2年に発生した4件の地震について、以下の記述あり。
記述はグレゴリオ暦による年月日、和暦の年月日および発震の時刻、震央地名、記事の順
1685--(貞享2.3-)三河 「渥美郡、山崩れ、家屋倒潰し、人畜の死多し。『渥美郡誌』にのせるのみ、疑わし。」
1685.10.7(貞享2.9.10)午刻 周防・長門 「屋根瓦落ち、泥湧出す。140番との混同あるか。史料の発見をまつ。」
1685.11.22(貞享2.10.26)寅中刻 江戸 「この日5回。隠州公御屋敷など少々損ず。日光有感。」
1685.12.29(貞享2.12.4)伊予 M=5.9 「松山城内石垣28ヶ所で孕みあるいは崩る。道後温泉湧出やむ。10日の地震の前震か。あるいは同じものの誤記か不明。」
発生日から地震関係の史料を確認する
『大日本地震史料 1 懿徳天皇後宇-元録7年』(文部省震災予防評議会編 鳴鳳社 1975)
p909-910 「貞享ニ年十月二十六日(西暦1685.11.22) 江戸地震稍強シ、日光マタ地震強シ」とあり、以下の史料が紹介されている。
[甘露叢] [憲廟實録] [常憲院實記] [百弌錄] [萬年記] [假御殿御番所日記]○日光
『新収日本地震史料 2 自慶長元年至元禄十六年』(東京大学地震研究所 1982)
p439-441 「貞享ニ年十月二十六日(1685.11.22)[江戸]日光→六回、二十七日」
被害があった場所は江戸、日光で有感の地震が26日に6回、27日に1回あったことがわかる。
また、以下の史料が紹介されている。
[顕妙公済美録 14] [玄徳公済美録 54] [御日記(江戸)]津軽藩 [榊原藩日記(江戸)] [毎日記(江戸)]対馬藩 [記録所日記(江戸)]「徳山藩記録」 [江戸日記]津山藩
『「日本の歴史地震史料」拾遺』(宇佐美龍夫編 日本電気協会 1998)
p74 貞享ニ年十月二十六日(1685.11.22)[江戸]の項目に以下の記載あり。
[日帳日録]○江戸 大正大学図書館上杉文書589
「十一月七日□□一廿六日地震ニ付御機嫌伺事」
『「日本の歴史地震史料」拾遺3』(宇佐美龍夫編 宇佐美竜夫 2005)
p94 貞享ニ年十月二十六日(1685.11.22)[江戸]の項目に以下の記載あり。
[信政公鑑盤 春]○江戸 「史料館」蔵 陸奥国津軽家文書32-4-1
「廿六 夘刻参詣宗三寺出羽守与一同道今朝就地震為伺御機嫌御月番往老中」
その他調査済み資料は以下のとおり
『わが国の歴史地震被害一覧表』(宇佐美龍夫編著 日本電気協会 2010)
p108-109 貞享2年に発生した地震については、1685.12.29(和暦1686.1.4)の松山・岩国のみ掲載。
『日本の自然災害』(国会資料編纂会編 国会資料編纂会 1998)
「日光」「余震」の点で類似する記録がある(p88)が、1683年の地震であり、元号(天和3)も異なる。
- 事前調査事項
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「江戸10万日全記録」(明田鉄男編著 雄山閣 2003)
- NDC
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- 気象学 (451 9版)
- 地震学 (453 9版)
- 参考資料
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- 『日本被害地震総覧「416」-2001』(宇佐美龍夫著 東京大学出版会 2003)
- 『大日本地震史料 1 懿徳天皇後宇-元録7年』(文部省震災予防評議会編 鳴鳳社 1975)
- 『新収日本地震史料 2 自慶長元年至元禄十六年』(東京大学地震研究所 1982)
- 『「日本の歴史地震史料」拾遺』(宇佐美龍夫編 日本電気協会 1998)
- 『「日本の歴史地震史料」拾遺3』(宇佐美龍夫編 宇佐美竜夫 2005)
- キーワード
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- 地震-日本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000108860