レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/31
- 登録日時
- 2011/11/03 02:00
- 更新日時
- 2024/04/25 09:56
- 管理番号
- 福参-0587
- 質問
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結婚式の習慣について。
女性が黒い衣装から白無垢を着るようになったのはいつからか。ウエディングドレスの影響か。昭和の初めまでは黒だったように思われる。
- 回答
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白無垢は武家の結婚礼服として着用されていて、現在も継続されている。
黒ふりそでは明治時代から太平洋戦争前まで着用されていた。現在も黒ふりそでは花嫁衣装とされているがあまり見かけなくなった。
下記のとおり記述があった。
1『図解生活大百科 11』講談社,1985,p.66-69.
白無垢
花嫁衣装の原点にあり、もっとも正式なのが白無垢である。
これは室町時代より着用され、上級武士家庭の結婚式服であったことが、作法の宗家・小笠原氏の礼書にも見られる。
黒振りそで
<中略>
黒地五つ紋付きの振りそでを本振りそでといい、明治時代には花嫁の本衣装とされた。
<中略>
太平洋戦争の前までは花嫁衣装として一般にもっとも好まれていたのが、この黒の振りそでであった。
今も正式には色の振りそでが未婚者および結婚直後のヤングミセスの礼装であるのに対し、黒振りそでは花嫁だけの衣装とされている。しかし、現代ではあまり見かけなくなった。
2『お祝いとしきたり』世界文化社,1979,p.40-45. 『冠婚葬祭』世界文化社,1981,p.76.
「現在では和装の花嫁衣装は打掛が多くなりましたが、明治以来、昭和も戦前までは打掛はごく一部の人に限られ、一般には式服として黒の本振袖が用いられていました。打掛を着ない場合は、今日でも黒の本振袖を着てよいわけで、打掛姿ばかりのなかではかえって新鮮な印象を与えるでしょう」
3『ふたりの結婚のすべて』主婦の友社,2004,p.84
「挙式で着られる正式な和装には、白無垢、色打ち掛け、黒引き振りそでなどがあります。」
4『日本民俗大辞典 上』吉川弘文館,1999,p.169
打掛について、江戸時代では、武家女子の礼装、公家女子の家庭の晴れ着として用いたとあり。
5『総合服飾史事典』雄山閣,1980,p.26
打掛は室町中期より行われた武家女子の正装。現代の和式花嫁衣装にその名残を見ることができるとあり。
6『日本風俗史事典』弘文堂,1980,p.241-242.
婚礼衣装の項に「中世に入ると、女子は幸菱文様の表着に白の打掛(略)、江戸時代に女子はまだ白か紅梅の綿入に縫または箔の白の幸菱の小袖に白の打掛」とある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 通過儀礼.冠婚葬祭 (385 8版)
- 参考資料
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- 1 図解生活大百科 11 講談社編 講談社 1985.5 590/3/S16-11 66-69
- 2 お祝いとしきたり 家庭画報編 世界文化社 1979 385/R/10 40-45
- 3 冠婚葬祭 世界文化社 1981 385//S54 76
- 4 ふたりの結婚のすべて 主婦の友社編 主婦の友社 2004.5 385/4/59 84
- 5 日本民俗大辞典 上 福田アジオ[ほか]編 吉川弘文館 1999.10 380/3R/28-1 169
- 6 日本服飾史辞典 河鰭実英編 東京堂出版 1978 383/1R/23 16
- 7 総合服飾史事典 丹野郁編 雄山閣 1980.10 383/1R/43 26
- 8 日本風俗史事典 日本風俗史学会編 弘文堂 1980 382/1R/57B 241-242
- 9 服装大百科事典 上 服装文化協会編纂 文化出版局 1976 383/1R/42-1 359
- キーワード
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- 結婚式
- 黒い衣装
- 白無垢
- ウエディングドレス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000096209