レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年10月09日
- 登録日時
- 2011/10/08 11:53
- 更新日時
- 2011/11/02 14:26
- 管理番号
- 島根参2011-10-001
- 質問
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解決
『ターヘル・アナトミア』の解剖図が載っている資料がみたい。
- 回答
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当館所蔵資料より、以下を紹介。
資料1~4:「クルムス」の項目あり。【資料2】より、
クルムス(Kulmus, Johann Adam)・・・1689-1745 ドイツの医学者。『解体新書』の原本の著者。『解体新書』の原本は、クルムスのAnatomische Tabellenの第3版をディクテン(G.Dicten)が蘭訳したもの(タイトル:Ontleedige Tafelen)だが、『ターヘルアナトミア』と俗称された。
資料5:『解体新書』の全現代語訳、『解体新書』の解剖図は多数。p234~256「<解説>『解体新書』の時代」のなかに、「原本の『ターヘル・アナトミア』は249ページ」あり、「『ターヘル・アナトミア』すなわちドイツ人クルムス原著の解剖図譜のオランダ語訳本(1734年、アムステルダム刊)」との記述あり。
資料6:クルムス解剖書(ドイツ語版)の表紙、解剖図(全身、脳・神経図)あり。
資料7:p131~135「肉眼解剖学の時代の素材の概念」で、クルムスの『解剖図表』について詳しい解説があるなか、p132「クルムスの『解剖図表』の扉」、p133「クルムスの『解剖図表』の組織の図」あり。
資料8:p238~239「図8-1 『解体新書』と Anatomische Tabellen」に、オランダ語原書Anatomische Tabellenの心臓についての記述と解剖図の掲載があり、『解体新書』の同じ部分も掲載し、比較している。p136~137「クルムス『解剖学表』」では、解説のみ。
資料9:p90~96「原書『ターヘル=アナトミア』と著者クルムス」に解説、p91「『クルムス解剖書』(オランダ語版)のタイトルページ」、p111「全身図」、p114「鼻の部分図」、p191「『クルムスの解剖書』の扉絵」あり。
資料10:p45「『ターヘル・アナトミア』のさし絵」、p47「『ターヘル・アナトミア』の扉」、p84「扉絵」あり。
資料11:慶應義塾所蔵貴重コレクションが公開されており、そのなかの「解体新書(アナトミア)」に、関連する貴重資料が17点公開されている。『ターヘル・アナトミア』の解剖図も全て見ることができる。
- 回答プロセス
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(1) インターネットで「ターヘル・アナトミア」について検索したところ、ドイツ人医師のクルムスの著書との記述があったため、参考資料の【資料1~4】で、「クルムス」と『ターヘル・アナトミア』について確認。
(2) 自館OPACで検索し、医学、解剖、杉田玄白に関する資料等に直接あたり、クルムスの解剖図の掲載がないか内容を調査。
(3) 〔リサーチ・ナビ〕http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/(最終確認2011/10/11)で、「ターヘル・アナトミア」を検索。
(参考事例・レファレンス協同データベース)
・「Kulmus "Ontleedkundige Tafelen"を見たい。(近畿大学中央図書館:20110718-1)」https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000088616(最終確認2011/10/11)
以下の資料には、解剖図はないが、『ターヘル・アナトミア』に関する記述や解剖図以外の部分が掲載されている。
・『人物日本の歴史・日本を変えた53人 5巻 』(学研,2002:子ども281/ジ/5 ) ← p20~29「杉田玄白」の項目があり、『ターヘル・アナトミア』の表紙はあるが、解剖図なし。
・『杉田玄白 『解体新書』と新しい医学』 (ミネルヴァ書房,2010:J289.1/ス11/) ← 『ターヘル・アナトミア』の図版はないが、『解体新書』の扉絵は、『ターヘルアナトミア』ではなく『ワルエルダ解剖書』を元に描かれているといった情報あり。
・『少年伝記文庫 5 杉田玄白』(国土社,1967:書庫子ども289/12/5) ←巻頭に扉絵、p96「ターヘル・アナトミアの原本(第27ページ)」、p100「クルムスの肖像」あり。
・『日本の名著 22 杉田玄白 平賀源内 司馬江漢』(中央公論社,1971:081/123/22) ←p103「扉絵」あり。
・『再現日本史 江戸Ⅱ 7(1771~1778) 週刊Time travel』 (講談社,2003:210.1/サ/7-7) ←p5「表紙」あり。『解体新書』の解剖図は多数あり。
- 事前調査事項
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『ターヘル・アナトミア』は、杉田玄白の『解体新書』のもとになった、オランダの資料と聞いている。
- NDC
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- 医学 (490 8版)
- 基礎医学 (491 8版)
- 参考資料
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- 【資料1】 『岩波西洋人名辞典 増補版』 岩波書店編集部/編,岩波書店,1981 ※貸出禁止資料 (p468「クルムス」 R283/0005/6)
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【資料2】 『科学史技術史事典』 伊東俊太郎/〔ほか〕編,弘文堂,1983 ※貸出禁止資料
(p298~299「クルムス」 R403/0033/
) - 【資料3】 『日本大百科全書 第7巻』 小学館,1986 ※貸出禁止資料 (p691「クルムス」 R031/0177/7)
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【資料4】 『外国人物レファレンス事典 2 古代-19世紀』 日外アソシエーツ編集部/編,日外アソシエーツ,1999.1 ※貸出禁止資料
(p731「Kulmus, Johann Adam」 R280.3/ニ/2
) - 【資料5】 『解体新書 新装版 全現代語訳 講談社学術文庫』 [ヨハン・アタン・キュルムス/著] 杉田 玄白/[訳], 講談社,1998.8 (491.1/ク98/ )
- 【資料6】 『図説・日本医療文化史』 宗田 一/著,思文閣出版,1989.2 (p179「Ⅲ-88 クルムス解剖書(ドイツ語版)」 490.2/ソ89/)
- 【資料7】 『人体解剖のすべて 解剖学への招待』 坂井 建雄/著,日本実業出版社,1998.10 (p132「クルムスの『解剖図表』の扉」、p133「クルムスの『解剖図表』の組織の図」 書庫491.1/サ98/)
- 【資料8】 『人体観の歴史』 坂井 建雄/著,岩波書店,2008.9 (p238~239「図8-1 『解体新書』と Anatomische Tabellen」、p136~137「クルムス『解剖学表』」 491.1/サ08/)
- 【資料9】 『人物叢書 158 杉田玄白』 日本歴史学会/編,吉川弘文館,1971 (p90~96「原書『ターヘル=アナトミア』と著者クルムス」、p91「『クルムス解剖書』(オランダ語版)のタイトルページ」、p111「全身図」、p114「鼻の部分図」、p191「『クルムスの解剖書』の扉絵」 書庫280/31/158 )
- 【資料10】 『杉田玄白 蘭学のとびらを開いた一冊の書物 NHKにんげん日本史』 小西 聖一/著 酒寄 雅志/監修,理論社,2004.7 (p45「『ターヘル・アナトミア』のさし絵」、p47「『ターヘル・アナトミア』の扉」、p84「扉絵」 子ども289/ス04/)
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【資料11】 〔KOARA-A(仮称): 慶應義塾所蔵貴重コレクション >信濃町メディアセンター >解体新書(アナトミア) 〕
http://koara-a.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/listitem.php?index_id=3228(最終確認2011/10/11)
- キーワード
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- ターヘル・アナトミア
- クルムス
- Kulmus, Johann Adam
- 解体新書
- 杉田玄白
- 解剖書
- 解剖図表
- 解剖学表
- 解剖図譜
- Ontleedkundige Tafelen
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000092130