レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/05/27
- 登録日時
- 2011/08/29 02:01
- 更新日時
- 2011/09/03 11:36
- 管理番号
- OSPR11050060
- 質問
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「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとし…」
この文章の全文が掲載されている資料をさがしています。
こちらで調べたところ、この文は徳川家康の遺訓と言われており、
出典は「東照公遺訓」「東照宮神君御遺訓」などとなっています。
府立図書館のOPACで「東照宮」「遺訓」を掛け合わせで検索すると、
4点ヒットします。
これらの資料の中に全文が掲載されている資料があるかどうか、
ご確認いただけますでしょうか。
この4点以外の資料でも結構です。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
- 回答
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『江戸の遺伝子:いまこそ見直されるべき日本人の知恵』(徳川恒孝/著 PHP研究所 2007.3)の75頁に以下のようにあります。
「人の一生は重荷を負ふて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。
不自由を常とおもへば不足なし。心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。
堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。
勝つことを知りて負くることを知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人を責めるな。及ばざるは過ぎたるに勝れり」
また、『名言の内側:歴史の発想に学ぶ』(木村尚三郎/[ほか]著 日本経済新聞社 1990.8)の70-71頁にも以下のように掲載されています(外山滋比古/著)。
「人の一生は重荷を負て遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思へば不足なし。心に望みおこらば、困窮したる時を思ひ出すべし。
堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。
勝つ事ばかり知りて負くる事を知らざれば、害その身に到る。
おのれを責めて、人を責むるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり」
記述に若干の違いがあります。
府立図書館の所蔵していた4点の資料(「東照大権現様御遺訓」)には上記の言葉は載っていませんでした。
外山氏によるとこの遺訓は家康が言ったという証拠はなく、徳川美術館館長徳川義宣氏の研究成果として、「いま流布している家康遺訓の底本は伝水戸光圀作「人のいましめ」(『天保会記』1830年に見える)であったようである」と書かれています。
この「人のいましめ」は『名古屋叢書三編 第十三巻 天保会記鈔本』(名古屋市蓬左文庫/編 名古屋市教育委員会 1987.3)44頁に収められいます。
なお、「人の一生は重荷を負ひて遠き道を越行がごとし…」とあり、「人の一生は重荷を負て遠き道を行くがごとし」とは記述は違っています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 人生訓.教訓 (159 8版)
- 参考資料
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- 『江戸の遺伝子:いまこそ見直されるべき日本人の知恵』(徳川恒孝/著 PHP研究所 2007.3)(ページ:75)
- 『名言の内側:歴史の発想に学ぶ』』(木村尚三郎/[ほか]著 日本経済新聞社 1990.8)(ページ:70-71)
- 『名古屋叢書三編 第十三巻 天保会記鈔本』(名古屋市蓬左文庫/編 名古屋市教育委員会 1987.3)(ページ:44)
- キーワード
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- 徳川家康 名言
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000090529