レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2010/03/04 18:13
- 更新日時
- 2010/11/15 10:42
- 管理番号
- 2009-176
- 質問
-
未解決
松浦松洞の絵(松洞が故郷を旅立つ際に描いた)の出典を知りたい。もしくは絵そのものを見たい。
梅原徹, 梅原幸子著『エピソードでつづる吉田松陰』のp168によると、
その絵には「男子郷関を出づ功成らずんば生きて還らず」で始まる詩が賛として入っているらしい。
著者はどのようにしてこの事実を知りえたのか。
- 回答
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残念ながらお探しの絵を見つけることは出来ませんでした。
『エピソードでつづる吉田松陰』の著者に問い合わせられるのが一番確実な方法かと思われます。
また、山口県文書館から萩博物館の専門学芸員の方をご紹介いただきましたので
そちらの方へお問い合わせいただくことも可能です。
(連絡先はレファレンスカウンターにて。)
詳細は回答プロセスをご覧ください。
- 回答プロセス
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1. 図書館契約データベース「WHOPLUS」で「松浦松洞」を検索
→2件ヒット。どちらにも該当の賛入り絵画についての記載なし。
松浦松洞の別名は「松浦亀太郎」。
2. 上の検索結果で得た『三百藩家臣人名事典』などの参考文献にあたるが、
有力な情報なし。
3. Googleなどの検索エンジンで「松浦松洞」や「松浦亀太郎」などのキーワードで検索
→「松浦亀太郎」のキーワードで、
トップに「京都大学附属図書館 維新資料画像データベース」の「松浦亀太郎」のページがヒット。
(http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/ishin/jinmei/Matsuura.html [last access: 2010.3.5])
この中に「しかし「一事寸功の見るべきものなく、いたずらに時の推移するを思い、何の面目か故郷の人に逢わん」と、
粟田宮(青蓮院宮尊融法親王)の正義を慕って粟田山中で切腹した。」との記載あり。
「一事寸功の見るべきものなく、いたずらに時の推移するを思い、何の面目か故郷の人に逢わん」の内容が
賛の「男子郷関を出づ功成らずんば生きて還らず」に少し似ている?
4. 「維新資料画像データベース」の内容の出典を京都大学附属図書館に問い合わせ
→回答:
「確認いたしましたところ、「松浦亀太郎の項は
『明治維新人名辞典』日本歴史学会編(吉川弘文館, 1981)をもとに作成されたものと推測されます。
(当該資料を送付いたしますので、ご参照ください。)
辞典に参考文献として挙げられておりますものに関しても調査いたしましたが、残念ながら
当館では所蔵しておりません。」
→送付いただいた『明治維新人名辞典』の「松浦亀太郎」の項(p911)を見ると、
「しかし一事寸功の見るべきものなく、いたずらに時の推移するを思い、何の面目か故郷の人に逢わんと、・・・」
という記載あり。
5. 参考文献に挙げられている『忠節事蹟』、『維新功労者履歴』、『維新功労者調』、『維新殉難の人々と萩』を
Webcat, NDL-OPACで検索 → 『維新殉難の人々と萩』以外は所蔵館なし。
→書名の後に「毛利文庫」「山口県」と記載があったので、山口県文書館の所蔵を調べる
(http://ymonjo.ysn21.jp/show/sh_ref_simple.html [last access: 2010.3.5])
→上記4資料全て所蔵あり。
6. 山口県HPを確認(http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/ [last access: 2010.3.5])
→「維新史回廊トピックス〈Vol.1> (H18.7)」
(http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/gyosei/bunka-s/ishin/topics/topics-no.1.html [last access: 2010.3.5])
に松浦松洞による「吉田松陰像(自賛)」が取り上げられている。
資料の解説は、山口県文書館の山田稔専門研究員による。
7. 山口県文書館に問合せ。
→電話にて回答:
「お探しの絵は現存しないのではないかと思われますが、
『エピソードでつづる吉田松陰』の著者ご本人に確認いただくのが一番です。
松洞の作品を所蔵するところとしては、県立山口博物館と萩博物館があります。
特に萩博物館には松洞の作品に詳しい専門学芸員がいますので、
著者に連絡をする前に、萩博物館に問い合わせてみられても良いかと思います。」
- 事前調査事項
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本人確認済資料:
京都大学附属図書館尊攘堂
国民新聞社編『維新志士正気集』(民友社, 1911)
岡田太郎編『大禮記念勤王志士遺墨集』(1929)
福本義亮『吉田松陰之殉国教育』(誠文堂, 1933)
- NDC
- 参考資料
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- 『エピソードでつづる吉田松陰』(京都 : ミネルヴァ書房 , 2006.3) (大今図 開架 289.1||U9598)
- 『三百藩家臣人名事典』(東京 : 新人物往来社 , 1987.12-1989.10) (大今図 参考室 281.03||S13)
- キーワード
- 照会先
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- 京都大学附属図書館(FAX:753-2638/e-mail:ref@kulib.kyoto-u.ac.jp)
- 山口県文書館(FAX:083-924-2117)
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000064373