○「しょうゆ豆」
(1)香川県大百科事典 四国新聞社出版委員会/編 四国新聞社 1984
p.493に「しょうゆ豆」の項あり。次の2点の関連記述有。
・讃岐でしょうゆ豆を作り始めたのは、藩政時代からで、文禄年間(1592~1596年)に醤油の醸造を始めた小豆島が発祥の地であるという説がある
・伝説によると、空海(弘法大師)が四国八十八ケ所を巡礼中に、ある所で炒ったソラ豆がはじけて横にあった醤油桶の中に入り、そこに通り合わせた空海が
それを食すと美味であったので醤油豆の作り方を勧めたといわれている。
※同様の記述は次のサイトでも確認できる。
しょうゆ豆(社団法人 香川県物産協会)
http://www.kagawaproducts.or.jp/syoukai/06_nourin/02_mame.htm(2)高松今昔記 第4巻 荒井とみ三/著 歴史図書社 1979
p.111-112「しょうゆ豆」の項に次の説明有。
P.111「四国八十八ヶ所巡礼に来たあるお遍路が、精進料理として、そら豆を材料にして簡単に作れるこの料理を、讃岐の人に伝えたのが、しょうゆ豆の起源だといわれているが、弘法大師出身地らしい伝説である。」
(3)日本の食生活全集 37 聞き書香川の食事 農山漁村文化協会 1990.8
p.40に(2)同様の説明がある。
(4)食は讃州に在り 1 四国新聞社/編 四国新聞社 1980
p.80-81「醤油豆」の項あり。伝承や民話に関する記述はなかった。
(※ちなみに「食は讃州に在り 2」には醤油豆に関する記述はなかった。)
○「いかなご醤油」
・上記(1)の「香川県大百科事典」
p.70に「いかなご醤油」の項あり。伝承や民話に関する記述はなかった。
・上記(3)の「日本の食生活全集 37」
p.296-297に「いかなご醤油」の比較的詳しい製法などが紹介されているが、伝承や民話に関する記述はなかった。
(5)魚醤油の知識 太田静行/著 幸書房 1996.9
p.38-39「いかなご醤油」の項あり。
かつて「いかなご醤油」を製造していた庵治町の業者から聞き取って記述した製法などが紹介されているが、伝承や民話に関する記述はなかった
(※いかなご醤油は、香川県下において、大豆醤油の統制が解除された昭和30年頃を境に姿を消し、
その後いかなご醤油が製造されることはなかったという趣旨の記述も掲載されている。)
なお、 p.93に次の記述があったので参考までに・・・
「いかなご醤油は従来、つけ醤油や野菜の煮付けに用いられたという、いかなご醤油の製造がさかんであったのは
醤油を自由に入手することが困難であった第二次大戦期およびその直後の食糧難時代であり、昭和30年代になると消滅した、
このことは、いかなご醤油が醤油の代替品として用いられたことを物語っている。」
※「食は讃州に在り 1、2」には、「いかなご醤油」に関する記述は見つからなかった。
○その他醤油に関する伝承や昔話
以下の資料の目次等を確認しましたが、しょうゆ豆、いかなご醤油などの
醤油にまつわる伝承や民話は見当たらなかった。
・さぬきのおもしろ伝説
・日本の伝説 5 讃岐の伝説 角川書店 1976
・讃岐民話集 三木春露/著 1944.6
・日本伝説讃岐の巻 藤沢衛彦/編著 日本伝説双書刊行会 1919.6
・ぶらり讃岐の民話とむかし話 総集編 岸上真士/編 岸上企画出版会 1992.4
・香川県の民話 県別ふるさとの民話 日本児童文学者協会/編 偕成社 1982.8