レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005/12/17
- 登録日時
- 2006/01/11 16:31
- 更新日時
- 2006/01/17 13:18
- 管理番号
- 関大総図-2005-004
- 質問
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解決
『説文解字』で現在の「孝」の字(古くは「老」の下に「子」で1字)を調べたい
- 回答
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『説文通検』で元の字の部首「老」(6画)、現在の字「孝」(7画)の情報から調べると、『説文解字』の8巻上に記載があり、老の部の9番目に「孝」の字があることがわかる。
『説文解字』8巻上で老の部を調べ、9番目の項を見ると、説明に「善事父母者从老省从子子承老也呼教切」とある。
なお『大漢和辞典』で「孝」を調べると、〔説文〕からの引用の記載があり、同様の説明であることがわかった。
利用者には上記の内容を伝え、『説文解字注箋』、『説文解字注』や『説文解字詁林正補合編』などの解説書や『説文新義』、『訓読説文解字注』も利用するよう勧めた。
- 回答プロセス
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『中国学芸大事典』p.442により、説文解字について次のことがわかった。
・説文解字とは、漢字の成り立ちについて記した最古の古典(後漢の許慎の撰)で、略して「説文」といわれる。
・和帝の永元12年(100)に成り、当時の漢字の字形・意義・音声を解説している。
・宋の太宗のとき、徐鉉が校訂して、もと15巻であったのを今の30巻にした。
・徐[ ](金+皆)は『説文繋伝』40巻を作り、清の時代に段玉裁が『説文解字段氏注』30巻を出した。
・検索には清の黎永椿の『説文通検』14巻や清の毛謨の『説文検字』2巻などを利用するとよい。
・参考書として、南唐の徐[ ](金+皆)の『説文繋伝』40巻、清の段玉裁の『説文解字注』、朱駿声の『説文通訓定声』18巻、丁福保の『説文解字詁林』15巻などがある。
- 事前調査事項
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『説文解字』自体に検索機能はない。
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (821 8版)
- 参考資料
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- 中国学芸大事典 / 近藤春雄[著] (大修館書店 , 1978.10 (R2*002.22*K1*1))
- 四部備要 75経部: 説文通檢、説文繋傳 (臺灣中華書房 , 1973 (*082*S26*75))
- 四部備要 81経部: 説文解字段注附六書音韻表 (臺灣中華書房 , 1973 (*082*S26*81))
- 説文解字 / 許慎記 ; 徐鉉[ほか]校定 (中華書局 , 1985 (*082*S36*1076))
- 説文解字注箋, 14巻, 即, 説文段注箋 / [清]徐〓撰 ; 段玉裁注 . 説文検字, 2巻, 即, 説文段注箋 / 徐〓撰 (廣文書局有限公司 , 1972 (*821.2*J5*1-7))
- 説文解字注, 30巻 / 段玉裁撰 . 序跋, 1巻 . 目録, 1巻 (世界書局 , 1962 (*082*C2*1-1-1))
- 説文解字詁林正補合編 / 鼎文書局編集部合編 (鼎文書局 , [1975]-1977 (*821.2*S5*7))
- 訓読説文解字注 / 〔段玉裁著〕 ; 尾崎雄二郎編 (東海大学出版会 , 1991.2 *821.2*D1*1(O)-4))
- 説文新義 / 白川静著 (平凡社 , 2002.1- (N8*222.008*4*B1))
- 大漢和辞典 / 諸橋轍次著 (大修館書店 , 1984.8 (R*813.2*M1*1(2)-3))
- キーワード
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- 説文解字
- 説文
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査05B-48J
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000027030