レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2000/10/20
- 登録日時
- 2004/03/17 02:10
- 更新日時
- 2018/11/03 14:46
- 管理番号
- 1094
- 質問
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月極駐車場の「月極」はなぜ「月決め」ではないのか
- 回答
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・言葉に関する問答集9 「ことば」シリーズ19 文化庁/編集 大蔵省印刷局 1983.3
※p.30-31「[問20]「月ぎめ」か「月極め」か「月決めか」」あり。
・訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語 光文社新書 笹原宏之/著 光文社 2008.5
※p.178-180「「極める」と「決める」」の項に「月極」に関する説明あり。
・「(漢字んな話)極 駐車場に今も残る約束事 (前田安正、監修・笹原宏之早稲田大学教授) 」 朝日新聞 2009年05月23日 夕刊be土曜5面
※「月極駐車場」の「極」を「きめ」と読むことなどに関する内容
・漢語の散歩道 一海知義/〔ほか〕著 かもがわ出版 1997.5
※p.19-22「月極(筧文生/文 1982/9/5「日中友好新聞」)」あり。
- 回答プロセス
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(原文)
直接の回答になるような文献は発見できなかった。
調査の過程でいくつか参考になりそうな事項があったので紹介。
古文書用語辞典 新人物往来社 (21003 I3 2)より
【きま、きむ(究、極)】①きむ(動詞)、決定する。②きめ(名詞)、話し合ってきめること。約定。決定。
古文書用字用語大辞典 柏書房 (21002 K27)より
【きめ 極】 決・究とも書き、取極(取次・取究)と同じ。極置申一札之事、取極一札之事などのように、江戸時代には文書の表題にも記されているが、要するに町村の全体の町民・村民や産業交通運輸関係の仲間・組合などが、協議して取りきめたこと。
江戸語大辞典 講談社 (8136 M6)より
【つきぎわめ(月極)】月契約。月ぎめ。 文化8年・浮世床 序「月究(つきぎはめ)に留め置く」(髪結)
これらのことより、
「極」には、「決」より、
「契約する」、「皆で決める」という意味合いが強そうということと、
かなり古い時代から「月極」という言葉が、現在と同じ意味で使われていたらしいということ、
が言えるかと思われる。
(当館関連事例)
・ 月極駐車場の表記には、月極、月決め、月ぎめ、月極め、月決等があるが、どうしてこんなにばらばらなのか 2004年07月21日
https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000004467
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813)
- 音声.音韻.文字 (821)
- 音声.音韻.文字 (811)
- 参考資料
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- ・言葉に関する問答集9 「ことば」シリーズ19 文化庁/編集 大蔵省印刷局 1983.3
- キーワード
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- 月極駐車場
- 漢字の読み方
- 漢和辞典
- 「言海」(明治時代の国語辞典)
- 「漢字んな話」(朝日新聞連載のコラム)
- 漢字
- 都市伝説
- 国立国会図書館関西館図書館協力課 (@crd_tweet)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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定番事例
用例は江戸時代からあるそうです~→月極駐車場の「月極」はなぜ「月決め」ではないのか
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国立国会図書館関西館図書館協力課 (@crd_tweet)
https://twitter.com/crd_tweet/status/679883599630344193
2015年12月24日
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000002752