レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年5月14日
- 登録日時
- 2013/07/21 00:30
- 更新日時
- 2021/01/10 00:30
- 管理番号
- PML20110514-01
- 質問
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解決
鉄製轆轤(てつせいろくろ)とはどんなものか?
図や写真でみたい。
- 回答
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・鉄製轆轤は切手印刷用の印刷機。手引き凹版印刷機とも。
明治初期、印刷局(改称前は紙幣司、紙幣寮)の印刷方法は凹版方式が主で、初期は木製の手刷凹版印刷機が使用されていた。
明治4年には木製轆轤14挺、艶刷轆轤1挺があり、翌明治5年に切手印刷用としてアメリカから鉄製轆が輸入される。なお、紙幣寮時代はもっぱら郵便切手と紙幣の製造に努力が注がれていた。
・図や写真
鉄製轆轤にはハンドルが円形タイプ・船の舵のようなタイプ・棒状タイプ(よくみかける)が確認される
<円形タイプ>
大蔵省印刷局監修・会田政直編『郵便切手製造の話』(印刷局朝陽会 1969年)
p.134~ 7.切手印刷機
p.155 図7.1 木製手刷凹版印刷機(明治初期) , p.156 図7.3 凹版手刷機
本文に、明治7年頃まで木製が使われており、同年12月にドイツ人技師を雇い入れた際、凸版印刷機と鉄製の
手引凹版印刷機(図7.3)を輸入した旨が記載されている。構造的な説明も簡単に記述されている。
この図はハンドルが円形。作業風景写真(日本ではなさそう)が、植村峻『日本紙幣肖像の凹版彫刻者たち』(印刷
朝陽会 2010年) p.12「昔の手引き印刷機での作業風景」に掲載されている。
<船の舵のようなタイプ>
大蔵省印刷局編『大蔵省印刷局百年史 第二巻』(大蔵省印刷局 1972年)第2章 確立された証券印刷事業
p.143凹版印刷質(1)
<棒状タイプ>
中村信夫『印刷機械』(印刷学会出版部 1972年) p.90 第7章 凹版印刷機 p.91第117図 凹版手引き印刷機
- 回答プロセス
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印刷機であるため、明治期の印刷機に関する該当資料を探す。
切手印刷用の印刷機であることから、切手に関する該当資料を探す。
- 事前調査事項
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『印刷局沿革録』p.49にある、機械購入表の中の鉄製轆轤は、3台で421623円
- NDC
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- 印刷 (749)
- 参考資料
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印刷製本機械百年史実行委員会 編. 印刷製本機械百年史. 全日本印刷製本機械工業会, 1975.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001127002-00 (S501-Z3) -
大蔵省印刷局 監修. 郵便切手製造の話. 印刷局朝陽会, 1969.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001150897-00 (S877.4-O57) -
植村峻 編著. 日本紙幣肖像の凹版彫刻者たち : E.キヨッソーネ、大山助一、加藤倉吉、押切勝造. 印刷朝陽会, 2010.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010855537-00 , ISBN 9784900175198 (S877.2-U42) -
大蔵省印刷局百年史 第2巻. 大蔵省印刷局, 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001204581-00 (S331-O57-1972-2)
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印刷製本機械百年史実行委員会 編. 印刷製本機械百年史. 全日本印刷製本機械工業会, 1975.
- キーワード
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- 印刷
- 印刷機
- 轆轤(ろくろ)
- 鉄製轆轤
- 切手
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 印刷機
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000134107