レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年06月10日
- 登録日時
- 2011/06/10 15:37
- 更新日時
- 2011/12/17 20:14
- 管理番号
- 鳥県図20110048
- 質問
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解決
木版本の用材は、日本では桜と聞くが、韓国・朝鮮ではどのような木を用いていたのか。
- 回答
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●韓国の海印寺に遺る「八万大蔵経」(ユネスコの世界文化遺産)の板木について:
(1)朴の木が定説である。(以下の資料に見える)
①『世界印刷通史』第2巻「支那篇朝鮮篇」(中山久四郎/著 三秀舎 1930.10)
「朝鮮印刷史 第一章高麗版大蔵経雕造 ○板木の考証」(pp.897-927):「用材ハ「タブ」(朝鮮にては厚朴の木)。」「改刻板には梨を用ふ。」
②国宝 韓国7000年美術大系』 巻12「書芸典籍」(千恵鳳/編著 竹書房 1985.7)「海印寺大蔵経板」の解説(p.269):「刻板は南海地方で多く産出する朴の木を使い」
③『韓国文化』2004.4号「八万大蔵経を守った叡智」(p.12):「大蔵経に使われている板木は白樺と朴の木」
(2)桜の木という新説
『韓国科学史 技術的伝統の再照明』(全相運/著 日本評論社 2005.10)「韓国の印刷技術」p.294:「大蔵経板の材料に使われていた木は、従来は朴の木として知られていたが、大部分が山桜であった。」
●その他の官版、私版、寺刹版などで用いられた板木について
⑤『木版』(韓国国学振興院/編 ソウル 2008.10)「木版の製作過程」:「木版製作用の木には、韓国の何処でも手に入れやすいヤマザクラ、ヤマナシ、シラカバ類、カエデ類などが主流であった」とある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 印刷 (749)
- 参考資料
- キーワード
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- 木版
- 朝鮮印刷文化
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 環日
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000087257