レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年09月16日
- 登録日時
- 2010/10/26 15:53
- 更新日時
- 2011/02/12 13:52
- 管理番号
- 名古屋市名-2010-008
- 質問
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解決
柳宗元の漢詩に出てくる「八駿」の意味を知りたい。
- 回答
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八駿とは“周の穆王の八頭のすぐれた馬”のことです。八駿の名前については、(A)赤驥・盗驪・白義・踰輪・山子・渠黄・華驑・緑耳(『列子』・『穆天子伝』)とするもの、(B)絶地・翻羽・奔霄・超影・踰輝・超光・騰霧・挾翼(『拾遺記』)とするものがありますが、柳宗元の「觀八駿圖説」の八駿は(A)を指すようです。
- 回答プロセス
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(1)まずは漢詩の棚を探しましたが適当なものが見つかりませんした。そこで、『大漢和辞典』を調べてみると「八駿(ハッシュン)」の見出しがあり、“周の穆王の八頭のすぐれた馬。八駿馬。〔柳宗元 觀八駿圖説〕…”とありました。同書には(A)赤驥・盗驪・白義・踰輪・山子・渠黄・華驑・緑耳の八頭と、(B)絶地・翻羽・奔霄・超影・踰輝・超光・騰霧・挾翼の八頭の名前を挙げて、それぞれの出典などが記されていました。
(2)インターネットで「八駿」と検索すると、ウィキペディアに「穆王八駿」のページがあり、“穆王八駿(ぼくおうはっしゅん)は、中国の伝説に登場する8頭の駿馬…”とあり、(B)についての説明があったほか、参考文献として『幻想動物事典』が挙げられていました。そこで、参考図書の棚で中国の伝説に関する資料を探すと、『中国神話・伝説大事典』に(A)(B)の両方について書き下し文での引用と説明がありました。なお、同書では(A)について西晋代の郭璞(かくはく)が“「八駿はみなその毛の色で命名している」と注を付している”とありました。
(3)さらに、「八駿」には「八」の数字が含まれているので参考図書の棚で名数辞典を調べてみると、『中国名数辞典』にも(A)(B)の名前が記載されていました。
(4)また、『大漢和辞典』に記述のあった柳宗元の「觀八駿圖説」について調べてみると、「唐宋八大家文読本」にありました。『新釈漢文大系 71 唐宋八大家文読本2』によると「驊驑」・「白義」・「山子」の名前が挙げられていることから、柳宗元の「觀八駿圖説」の「八駿」は(A)を指しているとわかりました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 中国文学 (920 9版)
- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
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- 『大漢和辞典 修訂版 巻2』 諸橋轍次/著 大修館書店 1986年 p.12
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%86%E7%8E%8B%E5%85%AB%E9%A7%BF [last access 2010/12/26]
- 『幻想動物事典』 草野巧/著 新紀元社 1997年
- 『中国神話・伝説大事典』 袁珂/著 鈴木博/訳 大修館書店 1999年 p.557
- 『中国名数辞典』 川越泰博/編 国書刊行会 1980年 p.106
- 『新釈漢文大系 71 唐宋八大家文読本2』 明治書院 1976年 p.646-649
- キーワード
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- 八駿
- 観八駿図説
- 柳宗元
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000072756