レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/06/09
- 登録日時
- 2010/05/07 02:00
- 更新日時
- 2010/08/23 16:25
- 管理番号
- 長野市立長野-07-001
- 質問
-
未解決
日本の塩素殺菌法を発明した学者の名前を知りたい。GHQの塩素導入以前に開発されていたと思う。
京都大学教授だったような気がする。
- 回答
-
大正10年から塩素殺菌法が導入されたことはわかったが、発明に関しての記述や開発者などの記載は見つからなかった。
- 回答プロセス
-
『水道年鑑 1995』(水道産業新聞社 1994)『水道のあゆみ』(長野県水道協議会 1987)を見るが特に掲載なし。
『近代水道百年の歩み』p65に「わが国において、水道の塩素消毒は大正10年(1921)に東京、大阪両市で開始され、その後全国に広まった」とある。
国立国会図書館にレファレンス照会。
以下は同図書館よりの回答。
ご照会の事項について、NDL-OPACの件名に「水道 歴史」あるいは「水 浄化」などの語を入れて検索した結果得られた資料を中心に調査しましたが、具体的な考案者名を確認することはできませんでした。
ただし、ご照会の事項に関連する情報を掲載しているものがございましたので、次のとおりご紹介します(【】内は当館請求記号)。
・『水質衛生学』(技報堂出版 1996 【NA221-G31】)
pp.283-286に「塩素消毒の歴史」という項があり、塩素が水道水の消毒に使用されるようになった経緯が解説されています。この中で、特に考案者名をはっきり指し示す情報はないものの、「(初めて)連続的に消毒したのはイギリスのLindolnで腸チフス対策として、微生物学者のHouston(ヒューストン)と化学者のMcGowan(マックゴーン)の勧告に従って次亜塩素酸ナトリウムを用いて1905年に行ったのがよく知られている」(p.284)と書かれています。また、米国ではJohnson(ジョンソン)という人物が1908年にシカゴの家畜飼育場に水を供給する浄水プラントで、次亜塩素酸カルシウムを添加して水を消毒したという記述もあります。
また、「1912年にはドイツのGeroge Ornstein(ジョージ オルンシュタイン)が塩素減菌器を発明し、Wallace(ワレス)とTierman(ティールマン)が商品化した」との記述がp.285にあります。
日本においては、1923年に横浜市の野毛山配水池に湿式減菌器が初めて導入されたという記述がp.286にありますが、考案者名などについては書かれていませんでした。
・『水の消毒』(日本環境整備教育センター 1997 【NA221-H6】)
pp.69-74に「塩素消毒の歴史」の項がありますが、記載内容は上記の『水質衛生学』とほぼ同じで、やはり具体的な考案者名は掲載されていませんでした。
以上を質問者に回答。当時の新聞を調べてみるとのことでレファレンス終了。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衛生工学.都市工学 (518)
- 参考資料
-
- 『近代水道百年の歩み』「近代水道百年の歩み」編集委員会/〔編〕 日本水道新聞社 1988 <518キ>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
-
- 国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000066515