レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年1月19日
- 登録日時
- 2009/02/27 02:10
- 更新日時
- 2009/02/27 12:38
- 管理番号
- OSPR09020005
- 質問
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旧海軍の手旗信号が載っている本はあるか。
- 回答
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海軍関係の資料を見ましたが『海軍辞典』p263-264「手旗信号」の項に「我が国に於ける片仮名文字の字劃の手旗利用法は海軍中将釜屋忠道氏の創案によるといはれる。」とある程度しか見つかりませんでした。
インターネットで調査すると、「横浜海洋少年団」のHPに「手旗信号は、明治26年(1893)頃、当時海軍にいた釜谷忠道という人が部下の道本場声と共同して考案しました。(略)海軍に進言し正式に採用され、「海軍手旗信号法」というものになって、日清戦争に役立ったといわれています。(略)昭和6年(1931)2月、政府告示によって正式に日本船舶手旗信号法と定められました。戦後1957年(昭和27年)日本船舶信号法となり、現在でも海上自衛隊、海上保安庁の巡視船で使われています。」とあります。
『昭和年間法令全書』で当該告示を調査し、第5巻ノ7 昭和6年p.70-76に逓信省告示第275号 S6.2.12として「明治34年10月逓信省告示第389号ニ依リ発行セル改正増補万国船舶信号書第1編中日本船舶手旗信号法ヲ左ノ通改正ス」として手旗信号の図解が見つかりました。
他に政府関係資料がないか、Googleでキーワード「手旗信号」ドメイン「go.jp」で検索したところ、秋田海上保安部警護救難課の「海・港の雑学」のページに「手旗信号について」の記載があり「日本では日本船舶信号法が昭和27年(1952年)10月1日運輸省公示第302号により公布されたものでわが国の船舶間の信号として統一され現在に至っています。それまでは、海軍信号規程をそのまま準用していましたが手旗信号は昭和6年(1931年)2月逓信省公示によりすでに日本船舶手旗信号法として定められていました。」とありました。また、『旗と船舶通信』が参考資料として挙げられています。
「海軍信号規程」は図書館の総合目録ではヒットしませんでした。個人のHPですが「桜と錨の海軍砲術学校」に画像データが掲載されており読むことができます。
信号の図解は昭和6年逓信省告示第275号と同じです。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 航海.航海学 (557 8版)
- 参考資料
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- 『海軍辞典』(山内大蔵・内田丈一郎/共著 今日の話題社 1985.2)(ページ:263-264) (資料番号:1610834119,請求記号:397/3)
- 『昭和年間法令全書 第5巻ノ7 昭和6年』(内閣印刷局/編 原書房 1994.8)(ページ:70-76) (資料番号:1612774404,請求記号:320.9/15)
- 『旗と船舶通信 5訂版』(三谷末治・古藤泰美共著 成山堂書店 2000.1)(ページ:) (資料番号:1410218786,請求記号:557.4/2N)
- 横浜海洋少年団「活動状況 手旗信号」(2009/2/5現在) (ホームページ:http://jsf-yokohama.com/training_flag.htm)
- 秋田海上保安部 警備救難課 港務・航行安全 海・港の雑学「手旗信号について」(2009/2/5現在 警備救難課からのリンクははずされています) (ホームページ:http://www.kaiho.mlit.go.jp/02kanku/akita/1-gyoumu-syoukai/1-2-keikyu/koumu/uminozatugaku/tebatasinngou.htm)
- 桜と錨の海軍砲術学校 史料展示室「海軍信号規程」(2009/2/5現在) (ホームページ:http://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/signal_inst/ijn_signal_inst_s18.pdf)
- キーワード
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- 手旗信号
- 海軍信号規程
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000051938