レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/07/20
- 登録日時
- 2006/10/19 02:10
- 更新日時
- 2006/10/19 09:33
- 管理番号
- C2006F0676
- 質問
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解決
耐火煉瓦に刻された刻印ならびに耐火煉瓦を製造する会社およびその内容(明治から現在まで)
- 回答
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【 】内は当館請求記号です。
はじめに、耐火煉瓦について、『日本れんが紀行 : 煉瓦組みの面白さに魅せられて』(喜田信代 日貿出版社 2000 【NA65-G25】)169ページの記述によれば、耐火煉瓦とは、「耐火度SK26(1580℃)以上の耐火度を有する煉瓦」を指すとのことです。この耐火煉瓦の刻印についてですが、「耐火煉瓦」のみを対象に刻印を収録した資料は、今回の調査では見つかりませんでした。
しかし、『産業遺産研究』(8)(中部産業遺産研究会事務局 2001.5 【Z14-B148】)の51~70ページには「研究資料 国内煉瓦刻印集成」(水野信太郎著)が掲載されており、1981年から2001年までの20年間に収集した日本国内の煉瓦刻印150種の絵図のほか、煉瓦製造所の名称、同製造所の所在地、当該刻印を使用した年代、当該煉瓦使用建造物の名称等が記されていました(ただし、記載が抜けているものも多数あります)。製造所の所在地については、特記がない限り、2001年時点での住所が表記されています。
また、同資料52~53ページには日本の建築用煉瓦の刻印を掲載した資料42点が紹介されています。ご参考までに、ここに収録されている資料のうち、主要なものを次に記します。
・『日本の赤煉瓦 1854~1923』(横浜開港資料館 1985 【NA65-34】)
57~68ページには「赤煉瓦刻印聚覧」があり、98の煉瓦刻印についてモノクロ写真を掲載するとともに、煉瓦名称、製造者(所)名、製造年代等を付記しています(ただし、記載が抜けているもの、「不明」となっているものも多数あります)。
・『日本煉瓦史の研究』(水野信太郎 法政大学出版局 1999 【DL564-G6】)
主に幕末から明治期にかけての日本の煉瓦製造所に関して「外国人による煉瓦製造」、「日本人による煉瓦製造」に分けて解説しており、大阪窒業の煉瓦(92~94ページ)、愛知県東洋組の煉瓦(103~109ページ)等については刻印のモノクロ写真も掲載しています。
・『日本れんが紀行 : 煉瓦組みの面白さに魅せられて』(喜田信代 日貿出版社 2000 【NA65-G25】)
245~248ページに著者が北海道で確認した29の刻印煉瓦のモノクロ写真が掲載されています。
次に、耐火煉瓦を製造する会社とその内容についてですが、現在の耐火煉瓦製造メーカーに関しては、『建設資材データベース 2006』(経済調査会 2006 【D4-H583】)の189ページに「耐火・耐酸れんが」の項目があり、13の企業が記載されています。
また、個々の会社の詳細に言及してはいませんが、『耐火煉瓦の歴史 セラミックス史の一断面』(内田老鶴圃 1990 【PA235-E42】)では、幕末から昭和後期までの日本の煉瓦製造の歴史をまとめており、明治前期の民間の耐火煉瓦製造等についても解説しています。
この他、「耐火煉瓦」に限定してはいませんが、全国赤煉瓦協会HP (http://members.at.infoseek.co.jp/akarenga777/)には
「会員会社名簿」(http://members.at.infoseek.co.jp/akarenga777/memberlist.htm)が掲載されており、全国21の会員会社の郵便番号、住所、代表社名、連絡先が記されています。
さらに、同じく「耐火煉瓦」には限定されませんが、上述の『日本の赤煉瓦 : 1854~1923』69ページには「全国赤煉瓦製造所地図」があり、主に明治期の赤煉瓦製造所を地図上で一覧することができます。また、上述の『日本煉瓦史の研究』では、「外国人による煉瓦製造」の例として日本煉瓦製造会社や関西煉瓦会社、「日本人による煉瓦製造」の例として大阪窒業や東洋組などが取り上げられており、主要な煉瓦製造所の沿革等を調べることができます。
なお、先述の『日本れんが紀行 : 煉瓦組みの面白さに魅せられて』262~268ページには「主な煉瓦造建築・煉瓦関係の資料館一覧」が紹介されており、建築名、建築所在地、建築年、設計・特記等が掲載されています。一覧のうちの大部分は煉瓦造りの建物の紹介ですが、煉瓦関係の資料館と思われる機関も紹介されていますので、ご参考までに、主要な施設として「舞鶴市立赤れんが博物館」(舞鶴市)(http://www.maizuru-bunkajigyoudan.or.jp/akarenga/index.htm)をご紹介します。
この他、「深谷市の歴史と文化財」のHP内にある国指定等の文化財のページ(http://www.education.fukaya.saitama.jp/bunkazai/national01.htm)によれば、日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設の旧事務所は、現在、日本煉瓦史料館として活用されているとのことであり、深谷市観光協会HP内の「深谷ガイドマップ」のページ(http://www.fukaya-ta.com/sightseeing.html#g)で紹介されています。
(インターネットへの最終アクセス 2006.7.19)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『日本煉瓦百年史』(日本煉瓦製造株式会社)、『岡田煉瓦100年史』(岡田煉瓦製造所)、『十年史』(播磨耐火煉瓦株式会社)
近隣の公共図書館に照会
- NDC
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- セラミックス.窯業.珪酸塩化学工業 (573 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 耐火煉瓦
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000031138